あらすじ
年の瀬も押し迫る12月29日の夜。危篤の母の元に向かうために、刑事・工藤祐司は酒気帯びで車を飛ばしていた。その時、課長から電話が入る。「週刊誌がウチの署に裏金があるって告発記事を書くんだと」――刑事でありながら、反社会的勢力から裏金を貰っていたことをマスコミにリークされた事実も工藤を焦らせる。その極度の精神状態の時、男をはねてしまい、さらにひき逃げという罪まで背負うはめに。死体隠し、裏金のもみ消し、彼を追うエリート監察官・矢崎とのひりつく駆け引き……。同名映画を小説化、圧倒的スピード感で描くノンストップ・エンターテインメント!!
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Posted by ブクログ
確かにとんでもないスピード感に翻弄されるがままの読書でしたね。
はっきり言ってツッコミどころは山ほどあるし心情描写はほぼ皆無で‘起こったことをありのまま話すぜ’という荒々しい読み口なんだけど、確かに『最後まで行く』までページを捲る手を止められなかった。
つい人に話したくなる感じ。たぶん時間が経っても内容だけは忘れないであろうノンストップ・クライム・エンタメ小説。
いい加減なんだけど嫌いにはなれない、むしろ好もしい程よい‘いい加減’度合い。セクシーさやキザっぽさを取っ払った初期の『007』みたい。
まずは主人公である〈工藤祐司〉を筆頭とする、事件を追う警察諸君のいい加減さ。ガチの警察小説のような緊迫や凄味は薄く、あっと驚くような捜査展開やスリルがあるでもなく、ヒリヒリするような熱血や高潮があるでもなく、とりあえず次から次へと迂闊に展開が過ぎ去ってゆく。本当に皆さん迂闊。
もう一人の主役〈矢崎〉も本当にくそ哀れなエリート風拳闘士。上辺の知的なスタイルが破れるまでがあっという間。痴的な人。
あとの人物には感情移入しようもないんだけど、やっぱり〈久我山〉サンの顛末には胸が痛む。
繰り返しますが本作はツッコミどころがいくらでもあるし、本作よりも警察内部の切迫だったり犯人捜査にかける妄執だったり、心を揺り動かす人間ドラマなんかを描いた作品はいくらでもあると思いますが、ここまで迂闊に愉しめるエンターテインメントはなかなかないんじゃないかと感じました。
小難しいことは考えず、ぜひどうぞ。
1刷
2024.5.24
Posted by ブクログ
話としてはなかなか面白いけど、登場人物の大半がクズで可哀想な目に遭うのであまり感情移入しすぎない方がいい。
感情移入しすぎなければ、スピード感があって楽しく読める。
Posted by ブクログ
映画のノベライズ。まさに"ノベライズ"という感じでした、映画は見てないのですが忠実なのだろうなとなんとなく思いました。いろんなことが次々起きて短い時間のなかで大変な思いをしてるな…どうしてこんなことに…という感じでした。映像で見たら派手なんだろうなというシーンがたくさんあり見てみたくなる。
Posted by ブクログ
映画を観たかったのですが(韓国映画のリメイクですよね?)、時間が作れず、先にノベライズを読むことにしました。疾走感があってあっという間に読み終えました。読んでいて面白かったです。映画観たいな〜。
Posted by ブクログ
ひずき優『小説 最後まで行く』集英社文庫。
岡田准一主演の同名映画のノベライズ。
刑事の工藤祐司がひたすら堕ちていくというという既視感のあるストーリー。一生懸命、映画の筋を辿っているだけで、小説としての面白さは余り無い。
雨の中、危篤状態の母が入院する病院に向かうために、刑事の工藤祐司が酒気帯びで車を飛ばしていると、別居中の妻から早く来いと携帯電話に催促が入る。さらには工藤が反社会的勢力から裏金を貰っていたことがマスコミにリークされ、警察の上司からも監察が入るから直ぐに署に来るよう催促の電話が入る。
極度の精神状態の中、工藤は道路に飛び出してきた男をはねてしまい、轢き逃げの罪を負うことになる。男の死体をトランクに隠し、さらには裏金問題を揉み消そうとする工藤を追うエリート監察官の矢崎。
本体価格570円
★★★