あらすじ
【内容紹介】
福岡県にある私立福岡女子商業高校が大きな話題になっている。2年前に赴任した国語科教員によって前年度は0人だった国公立大学合格者が一気に20人になった。その立役者が、30歳の若さで同校の校長に就任した柴山翔太先生である。
本書は、柴山先生が何を考え、どう実践してきたかをまとめた一冊です。教育関係者だけでなく、多くの悩める高校生ならびに、指導者、親御さんの参考になる一冊です。
【目次】
第1章 福岡女子商業へ赴任
・「思う存分やってくれ」
・集会で話したのは、実感が湧かない「社会の現実」
・スタディルームに来てくれた予想以上の生徒30人 など
第2章 まずは生徒が動いた。大学進学の奇跡――
・指導の前に勉強の楽しさ、考える楽しさを知ってもらう
・「やればできる」という成功体験を積んでもらう
・大学進学は生徒の可能性を増やす選択肢のひとつ など
第3章 生徒は動いた、次は……
・生徒を動かしたら、保護者を動かす
・大学進学の「いま」を保護者に伝える
・尊重すべきは生徒の自己決定 など
第4章 涙の結果発表
・勝負の受験1ヶ月前
・純粋な素直さが合格を生み出した
・女子商のファーストペンギン 歓喜と号泣のスタディルーム など
第5章 なぜ僕は30歳で校長になったのか
・理事長が校長を兼任。理事長に直談判へ
・4時間の訴えの返答は「君が校長をやればいい」
・圧倒的不安だった就任までの1か月 など
第6章 全日制最年少校長の「女子商」改革
・校長就任で最初に力を入れたのは広報活動
・生徒主体の広報活動「キカクブ」も発足
・学校は生徒を縛る場所ではない など
第7章 小論文指導のポイント
・大学入試小論文とは?
・小論文問題を解説したらすぐに書いてもらう
・苦手だった小論文が得意になった など
第8章 教育の未来
・学校は何のためにあるのか
・答えがない問いに向かい合うのは誰でも弱いもの
・商業高校の立ち位置を変えたい など
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
素晴らしいマインドの高さと実行力。
だからこそ、生徒も職員も巻き込んで大きな推進力になるのを感じました。
教育のあり方にメスを入れ、ここまで学校という昔気質の場所を変えるのには、大きな勇気がいることだったろうと思います。
全ての教職員に、子育て世代の人々に、ビジネスパーソンに、知ってもらいたいチャレンジストーリー。
Posted by ブクログ
著者である柴山氏はまだ若干30歳そこそこ。主任などの経験がないのにも関わらず、「きみが校長をやればいい」、理事長のその一言で校長になり、全国に名を轟かす存在になったのだから、感服せざるを得ない。私自身、45歳で英語科主任、学年部長を務めたことがあるとはいえ、校長をやれるかと言われたら全く自信がない。やってみたいことは数あれど、上層部からダメ出しをくらい諦めることも多々あった。しかし、柴山氏のよう前を向いて挑戦していきたいと、久々に火をつけられた。
Posted by ブクログ
「事実は小説よりも奇なり」とは、良く言ったものだと思います。
本書の著者である柴山 翔太(しばやま しょうた)さんは、国語の常勤講師として赴任した翌年度に、福岡女子商業高等学校の校長に就任しました。30歳の時でした。
学校改革に熱意のある校長に代わって、年に数回しか学校に来ない理事長が校長を兼任するという話を聞いた柴山先生は、理事長に談判しに行きました。
「校長先生を留任させてください!」と。
すると、理事長からこう言われたのです。
「だったら、きみが校長をやればいい。」
で、次の年度から、管理職経験もないまま校長をすることになりました。柴山先生は、晴天の霹靂と書いておられます。
この本は、そんな柴山先生と福岡女子商業高校の記録です。
わたしの興味を強く惹いたのは、学校改革のお話もさることながら、「0人だった国公立大学合格者が一気に20人になった」という事実でした。
柴山先生は、就職か専門学校への進学がほとんどだった生徒の進路を、生徒と懇談することで、本人たちも気づいていなかった「大学に行きたい」という気持ちを目覚めさせ、半年間の「小論文教室」の結果、20人の合格者を輩出したのです。
先生は、着任時から受け持っている、放課後の「小論文教室」を「入試での小論文の合格ラインを知っていた」から自信を持って指導できたと語ります。
前任校で、入試本番の小論文を試験後に生徒に再現させ、生徒たちの合否結果と照らし合わせることにより、合格ラインを把握してきたと言います。
大学入試の方式は、学校推薦型入試や総合判定型入試の比率が増えつつあるそうで、小論文を書く力を身につけることは、増々重要になっているのだそうです。
小論文を書くには、日頃から社会の動向に問題意識を持ち、様々な角度から問題を捉え、自分の考えを論理的に表現できなければなりません。一朝一夕では養えない知識と技能です。
社会問題を意識することにより、目指す進路も見定まって、やる気を持って自主的に学習できる子になり、大学に進学しても熱心に勉学に励むと言います。
小論文について少し研究してみようかと思いましたし、とても勇気をいただいた本でした♡
〔作品紹介・あらすじ〕
福岡県にある私立福岡女子商業高校が大きな話題になっている。
2年前に赴任した国語科教員によって前年度は0人だった国公立大学合格者が一気に20人になった。
その立役者が、30歳の若さで同校の校長に就任した柴山翔太先生である。
本書は、柴山先生が何を考え、どう実践してきたかをまとめた一冊です。教育関係者だけでなく、多くの悩める高校生ならびに、指導者、親御さんの参考になる一冊です。
〔著者プロフィール〕
柴山 翔太(しばやま しょうた)
学校法人八洲学園 福岡女子商業高等学校校長
1990年北海道砂川市生まれ。国語科の教師として4つの私立高校を経験後、同校に常勤講師として赴任。赴任1年目で、進学指導・小論文教育により同校の国公立大の合格者をゼロから20人に増やす。1年目が終わるときに次年度の体制について直談判したところ、唐突に理事長から「君が校長をやればいい」と打診を受け、30歳で校長という役職を務めることに。主任や部長職、教頭の経験もない平成生まれの校長となる。校長就任後は学校改革を実施し、「朝課外の廃止」「起業家の学校への招待」だけでなく、生徒による「新制服デザイン」「修学旅行プランニング」「校則の見直し」などのさまざまな大人を巻き込んだ生徒主体のプロジェクト活動を実施。また、学校の魅力を発信する部活である「キカクブ」では、高校生自身が配信したTikTok動画が850万再生などを達成。その甲斐もあり、就任当初の令和2年度には94名であった新入生が令和5年度には217名に増加する。
Posted by ブクログ
◎JASSO 進学資金シュミレーター
◎就学支援制度
◎模擬合格発表 喜びや後悔の先取り
◎ガイアックス 企業ゼミ
☆9秒の壁 9秒の壁とは、陸上界で長く、9秒台で走る日本人選手が現れなかった時に、日本人のポテンシャルでは9秒にはたどり着けないと言われてきました。そんな中で1人の選手が9秒台で駆け抜けたと言う事実を知った途端、次々と9秒台で走る選手が現れてきたと言う話です。
☆成功はアート、失敗はサイエンス
☆第二の故郷にするなら、どこが良いかな?とか、〇〇大学であなたが興味のある勉強している先生がいたはずだよといった声かけなどをしています。あとは、頑張らないと入れない大学に入った方が、周りの友だちは頑張ったことのある友だちになるわけだから、面白いことに巡り合いやすいかも。え、何頑張っちゃってるの?という友達に囲まれたら、頑張りたくても頑張れないよね。相手の邪魔をすれば頑張らずに自分の不安を短期的に解消できたりする
☆勝手に生徒たちの可能性を低く見積もり、(この子たちはこれくらいにしてあげないと)と言うのは、教育界では珍しいものではありませんでした。
☆ブラック企業に勤めて抜け出せなくなっても誰も助けられない。結婚したいけど、子供を産みたいけどお金がない。そんな時、保護者であっても、僕ら学校の先生も助けられない。自分の人生を自分で決めて進まなきゃいけないんだ。誰かに決めてもらったらうまくいかなかった時にその人のせいにしてしまう。自分で決めたからこそ、納得感を持って生きられるんだ。
☆ある起業家の方に教えてもらった話だけど、必死に3年間休みなく稼いで貯めたお金でやっと会社が立ち上がりました。最初は1人でやりくりしていたけど、やっと少しお金で余裕が出てきた。そこで仲間を1人増やそうと思った。でも、失敗すると会社潰れるかもしれない。10分の面接で決められますか?誰でも良いですか?と。
☆自由と勝手と言う言葉の違いを考えてみよう。
日常の中にあるものからという投げかけることが考える。楽しみを知るきっかけになる。
☆煉瓦職人の話、1人目の職人は、見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだよと答えます。その男の顔疲れた表情に満ちている。2人目の職人は壁を作っているんだよと答えます。レンガを積んでいけば、壁ができると言う事までは認識しながら作業している。3人目の職人は学校作っているんだよと答えてくれた。この作業によって何ができるかまでは認識している。4人目の職人は子供たちが安心して学べる環境作っているんだ。この場所によって未来が明るくなるはずなんだと笑顔で答えてくれた。これまでの3人と同じ作業しているにもかかわらず、誰よりも生き生きと働いている。
その先に見えているものや何のためにの解像度が全く異なっている。この話を勉強に置き換えると、
1人目は怒られるから勉強が当たり前だから、
2人目は大学や専門学校に行くために勉強している。
3人目は教師になるために勉強している。
4人目は子供たちの心に火をつけられる人間になるために学んでいる。
やりたいと思えること、やるべきだと思えること、やれるかもと思えること、の3つが揃っているかを確認します。
Posted by ブクログ
上に立つ人は年齢で決まるものではないはず。しかしながら、ビジョンも何もなく前任者の推薦で校長になる人も数多くいるだろう。地方の私立高校で、そのような管理職がいるためにいつまでたっても進歩しない学校もある。このままでは数年後生徒が集まらなくなってしまうかもしれないという危機感すらない。文中に書いてあるとおり、今まで通りのことをしているだけでも、ある世代から上は逃げ切れるかもしれないが、そこから下はわからない。私たち教員も常に挑戦することを続けていかなければならない。
Posted by ブクログ
長崎県の私立高校に常勤講師として赴任し、1年で20人の国公立大学合格者を出し、2年目からは校長になる。定員の半分しか埋まらなかった高校が、小論文指導によって国公立大学に合格し、校長になってからは生徒の自主性を重んじ様々な改革を実行していき、人気の高校となる。
6月から夏休みまでは、小論文問題を解説したらすぐにかいてもらう
小論文ノートの作成
小論文で最も大事なのは「なるほどね」「確かにね」
夏休み後、解説なしで小論文を書く
65点で十分、小論文は100点を狙いにいかなくていい
女子商の生徒は先輩を見て大学に挑戦する
自分で小論文の問題を100問以上解いてみる