【感想・ネタバレ】六人の超音波科学者 Six Supersonic Scientistsのレビュー

あらすじ

閉ざされた研究所で発見される死体……。土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧な論理。美しいロジック溢れる推理長編!

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Posted by ブクログ

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陸の孤島、科学者たちが集まる研究所…この要素だけで「すべてがFになる」を想起させられ読む前からドキドキでした。
今回は紅子さんの独壇場だったなあ〜素敵でした(大体いつもそうだが)。前回保呂草さんに惚れさせられた身としては保呂草さんの活躍ももう少し見たかったやも…
Vシリーズ、あと3作しかないなんて悲しくて信じられません…泣

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2024年08月09日

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ネタバレ

首がない、ということは概ねその方向性が予想ができることではある。あとは誰がそれに関わるか、という話。今回は比較的王道だったので、違和感はない。その分、キャラの悪目立ち感は毎度のコト(笑)。ねりながやられるという、あまりない展開だった分いつもよりは薄目だったかもしれないけど。

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2021年12月07日

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ネタバレ

再読。

ですが、あまり印象に残っていなかった一冊。
ただ、今回読んでなかなかの衝撃を受けた。あんなに凄惨な現場であったにも関わらず実は全て殺人ではなかったという、概念の根底をひっくり返す物語の構成。
そして、このシリーズならではのいつもの気になるポイント。林と七夏、紅子の関係。詳細が明らかにされていない関係のなかでもよく考えたら実は林のダメ男っぷりは相当なもの。

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2021年08月22日

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ネタバレ

大切だからって、いったい何なのでしょうか? 大切なものって、何が大切なのですか? 大切に思うことが大切なのかしら? それとも、大切だと教えることが大切なの? 私の申し上げていることがわかりますか?

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土井超音波研究所にて開かれたパーティに出席することとなった紅子と阿漕荘の面々。
その最中、死体が発見される。
研究所への道の途中にある橋は何者かによって、爆破され、現場は陸の孤島と化してしまう…。
Vシリーズ7作目。

*****

科学者たちが勢揃いするこの作品。
紅子の科学者の面が色濃く出ている回でもあった。
推理の説明をするシーンは、優しく、そして、鋭かった。
先生が生徒を諭すかのような謎解きシーン。

そして、また祖父江さんとの恋愛対決?が。
林さんは一体どちらを選ぶつもりなのでしょうか。
紅子さんが林さんに嬉しくて飛びついたり、愛想が無くて怒ったりと、女性らしい面もばっちり読めちゃう。

今回は紅子さんたちがピンチに、中でもれんちゃんが大変なことに…。
油断ならない。
ハラハラしながら読み進めました。

少し『すべてがFになる』が頭をよぎる作品でもあった。

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2019年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

超音波研究所に招待された紅子と練無、そして招かれざる客保呂草と紫子。
橋が落ちて閉じ込められた中死体が2つ、うち一つは首と手のない死体。
今回は練無も襲われ死にかけるという事態になってヒヤッとした。
Vシリーズとしては少し物足りない感じ。練無が娘に似てるという話も結局何にもなかったし、今回みんな練無が女の子だと思い込んでるからてっきりエレベーターに引きずっていくときに誰かが重さで気づいて口を滑らせるとかあるのかなーと思ったけど特にそういうこともなく。手を切断した理由は面白かったかな。

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第7弾
超音波の研究所のパーティで起こった殺人事件。
紅子は元六角邸の持ち主長原博士の代わりに、練無も招待されて居合わせる。
研究所近くの橋の爆破予告を受けて調査していた警察も取り残され、研究所へ向かう。
おなじみのメンバーが揃う中、研究所の所長と思われる首なし死体が発見されるし、紅子たちは無響室に閉じ込められて練無は殺されかける。
どこで紅子が真相にたどり着いたのかわからないくらい事件はのっぺりとしてた。

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2022年10月05日

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ネタバレ

事件のトリック自体は古典的だった。クリスティの『オリエント急行』のパターンだ。動機も森作品としては割と穏当で、単発の作品としては地味な印象を受けた。

むしろこの巻で感心したのは、殺人事件以外のトリックだ。ひとつはVシリーズの『朽ちる散る落ちる』との絡み。この研究所の物理的構造が次の事件のトリックに活かされていて、この巻自体がいわば前哨戦なのだ(なので『超音波』と『朽ちる』の2つはセットで読むと面白い)。

もうひとつは、テクノロジーを利用したトリック。橋が爆破されて研究所が孤立した時、「なぜ誰も携帯を持ってないんだ」と思ったのは私だけではないと思う。山奥だから使えないという一見もっともらしい理由が用意されているにしても、だ。

90年代以降の生まれの人はピンとこないと思うが、携帯電話は00年代に爆発的に普及したツールだ。その登場は当初、ミステリー作家を大いに悩ませたという。「外界と隔絶された陸の孤島」という設定が、携帯の存在ひとつで崩れてしまうからだ。だが次第に携帯はトリックに積極的に組み込まれるようになり、今では標準装備のツールとして書かれるようになっている。

だが、こういう使い方があるとは思わなかった。ケアレスミスではない。誰も携帯を持っていないということ、それ自体がヒントだったのだ。森ミステリィを特徴づけているコンピュータというツールが、Vシリーズには殆ど出てこないのも同様だ。書かれていない物を、書かれていないということでヒントとする高等テクニックだ。なんのためのヒントか? 勿論、S&MシリーズとVシリーズの関係性における重要因子、時系列を示唆するためのヒントである。

森先生の頭の中って、本当にどうなってるんだろう?

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2018年12月15日

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