あらすじ
つらい思いを抱えている子どもが、自分のつらさを伝えるのはとても難しい。まず、周囲の大人が気づき、受け止めることから始めよう。
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Posted by ブクログ
良くも悪くもマニュアル的な本。
自殺願望や自傷行為のある子どもにどう対応するかが書かれているが、こう問いかけてみましょう、その次はこの話題を出してみましょう、と画一的な手順が書かれている。
だが、子どもはそのマニュアル通りに対応しても、本当に私のことに関心があるんだろうか?私を思ってくれているんだろうか?などと、本気で向き合う気があるのかを一瞬で見抜くと思う。
ベースに人間力、本気で向き合う覚悟がないと、このマニュアル通りに行動してもうまくいかず、この大人も表面上心配しただけ、対応しただけだな、と思われると思う。
正直、この本で書かれているアドバイスはどれも本質的でなく、表面上の話ばかりになっているようにみえる。
ただ、アドバイスをしてはいけない(助言をするということは至らない点があると責めていることになる、そのアドバイスを実行するために行動しなければならないという圧になる、助言を元に行動して成功しても失敗してもその結果を受けるのは苦しんでる本人になるから)、自傷行為をやめさせようとしてはいけない(不安を軽減するための手段を奪うことはさらに追い詰めることになるから)などは、自殺願望や自傷行為に全く縁のない人には学びになる視点だと思う。
あくまで、この通りにすればOKというのではなく、子どもがこのような心理になっていたり、行動にでたりする背景を知るという意味では、読む価値が少しはあるかな、という感じです。
子どもとしっかり向き合って問題解決する方法というより、自殺願望があったり自傷行為をする子どもに対応するときの最低限のマナーが書かれている本だと思います。
追記
最後の章のとなりのトトロの考察は面白かったです。