【感想・ネタバレ】文明の子のレビュー

あらすじ

ある天才研究者が発明したマシーンは、人類の願いを叶えるというものだった。〝飛びたい〟そう願う彼の孫・ワタルは、マシーンから出現した巨大なクジラの背に乗り、〝鳥になりたい〟と願うマナブと共に、新たな文明へ踏み出す旅に出る。二人が出会った複雑で混乱した世界の先にあるものは――。未来を信じる、斬新で壮大な長編小説。

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Posted by ブクログ

爆笑問題・太田光氏の上梓する書き下ろし小説の第2弾。すべて短編小説で構成されてはいるのですが、その一つ一つ中に物語上の「つながり」があると気づいたのは、半分ほど読み終えてからでした。読むかどうかは…。




爆笑問題・大田光氏による小説の第2弾です。最初にこれを読み始めたときは中身のすべてが短編小説なので、それぞれが独立した話なのかな、と思っていたら、一つ一つの話に何らかの『つながり』があるということを読んでいる途中で気づきました。

二人の子供が出てくる話や、ジョン・レノン殺害の瞬間などさまざまなシーンが出てくるのですが、個人的に印象に残ったお話は『首相はつらいよシリーズ』の中で少子化対策のために日本政府があまりに大胆な政策をおこなってしまう近未来の姿が描かれます。

その政策の是非を問うために首相とある国会議員との答弁の描写、あれが時々『時事』的なものを取り入れつつも、巧みな答弁の展開は面白かったです。

そしてその政策に実は…。というどんでん返し、僕はここすべての作品世界は何らかの形でつながっているんだ、と気づきました。

地球、そして地球とは別の進化を成し遂げた星の過去と未来に秘められた謎。これについては最初と最後に出てくる「イシ」というキーワードが重要な意味を持っておりまして、詳しくは読んでいただければと思うのですが、正直な話、この本は爆笑問題、および太田光氏の熱心なファンのためにあるもの、そういう位置づけであると、個人的には踏んでおります。

※追記
本書は2023年5月11日、幻冬舎より『文明の子 (幻冬舎文庫 は 7-18)』として文庫化されました。

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2025年02月17日

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