あらすじ
日本人がはじめて開発し、世界に送り出した商品は扇子であった――。卓抜な視点で日本人の「縮み志向」を鮮やかに説き、日本文化の本質や日本が工業化社会のトップに躍り出ることができた秘密を明快に分析する。「拡がり」に弱い日本的特性も指摘して、“数ある日本人論のなかでも最高傑作”といわれる名作。
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Posted by ブクログ
古典ともいうべき日本人論。
「縮み志向」という言葉や概念はある程度聞いたことがあったが、
その下位概念として「招く」「引き寄せる」「握る」が含まれるという解説はかなり納得させられた。
日本文化は欧米との比較ではなく、
文化的に近くまた師でもある中国や韓国との比較で理解すべきという主張はごもっとも。
また、手に握りたいという感覚は、人と人結ぶのは頭や心ではなく、肌が触れ合う実感を求め「寄合の文化」「座の文化」となり、小集団でこそ実力を発揮するというのも、それこそ感覚的に納得できるものがある。
中国、韓国が自然をそのままに楽しむ文化というのも、言われてみて初めて気がついた。