あらすじ
中国が私を拘束した狙いは何だったのか?
24時間監視下で7カ月の監禁生活、取り調べ、逮捕、裁判、収監……
日本の常識がいっさい通用しない不当拘束の実態が明らかに。
身に覚えのない罪で6年の実刑判決を受けた日中青年交流協会・元理事長による迫真の手記。
30年にわたり日中友好に関わってきた筆者は2016年7月、「スパイ」という身に覚えのない容疑で北京市国家安全局に拘束された。それから約6年間、熾烈な居住監視、収監の々を過ごし、2022年10 月11日、刑期を終えて帰国した。
日中友好に尽力した功労者がなぜ突然収監されるのか。いま中国で何が起きているのか。日中国交正常化50年を迎えた今、われわれは日中関係をどう考えるべきか。
習近平政権は2014年以降、「反スパイ法」を施行するなど中国で活動する外国人の管理を強化している。スパイ行為に関わったとして日本人を拘束するケースが相次いで表面化し、拘束された17人のうち9人が懲役3~15年の実刑判決を受けた(2023年3月現在)。
習政権下で拘束された日本人の実情が詳細に明らかになるのは極めて異例。刑期を終えて帰国した筆者が、拘束から収監、出所までの過酷な体験を赤裸々に綴る。
【本書の内容】
●突然現れた国家安全部の男たち
●黒く厚いカーテンで閉ざされた部屋
●「居住監視」という名の監禁生活
●スパイ容疑の驚くべき杜撰な根拠
●居住監視下で迎えた還暦の誕生日
●スパイ容疑で正式逮捕、居住監視から拘置所へ
●期待外れだった中国人の弁護士
●公安調査庁に中国のスパイがいる
●取り調べで見せられた公安調査庁職員の顔写真
●失望しかない日本大使館の対応
●新たな日中関係のため日本がすべきこと
●習近平政権下で置き去りにされる人権問題
ほか
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Posted by ブクログ
・中国は目的のためには手段を選ばず国家権力を発動する恐ろしさがあり、習近平体制以降は特に強権的である。なおかつ、現行体制が習近平の子飼いで固められていることをら考えると、習近平以降も路線が緩和に大きく進むことは考えづらい。
・中国には居住監視という逮捕ではないけど実質的に監禁して24時間監視し続けるという特殊な拘束手段がある。
・中国の弁護士は役に立たない。特にスパイ法絡みなど国家安全部の案件はなかなか引き受け手がいない。
・友人の湯本淵さんが逮捕された際の、情報がつつぬけだったこと等の経緯や、当局が確認を求めてきた写真が公安調査庁の身分証のコピーだったこと等から日本の公安調査庁には中国スパイがいることは確実。
・中国の裁判官は賄賂まみれが普通
・どんな絶望的な状況でも、時間の経過とともに適応できる。人間は思ってるより強か
・日本政府も大使館も受け身の事なかれ主義でなんの役にも立たない。国民を守る意志があるのかも不明。中には親身に頑張ってくれる外交官もいるが、出会えるかは運次第。とにかく外交力や交渉力、それを担保するカードが日本にはないのではないか。あるのはアメリカくらいかもしれないが