あらすじ
閻魔庁の落ちこぼれ姫、平安の都で亡者を追う
おどおど姫君と氷の検非違使のあやかし事件帖
都に梅の花が咲く頃、検非違使の少尉、藤原冬継の邸の井戸が涸れた。火の玉を引き連れ井戸から出てきたのは、十二単を着て納蘇利の面をかぶった愛らしい姫。何十年も前に鬼籍に入ったはずの小野篁の娘で、地獄から逃げた亡者を追ってやってきたと言う。鬼に囲まれて育ったため人間を怖がり縮こまっている姫に、人嫌いの冬継もつい同情し、亡者捜しを手伝うことに。しかし、姫が告げた亡者の名は「藤原冬継」で──
双葉はづき・装画
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
魑魅魍魎と隣り合わせな平安時代(風)、複雑な生まれから地獄に育った娘と高貴な生まれの検非違使との不思議な縁の物語。
人物の一つ一つの言動に、ちゃんと紐付けされてる動機や理由が明確なので、ノリと勢いと衝動で物語が動いてない安心感が凄い。
展開に無理がなく、物語に没頭できて一気読みでした。
面白かった!
多分、父や義母、義妹は主要人物にもなり得るけど、端役に徹して描かれているから、こんなに読みやすく、綺麗に一巻完結にまとめられているんだと思う。
そこが素晴らしい。
最近は伏線残しまくってるのに続刊があるのかないのかすら不明な、モヤモヤが残る作品が多いので、そこも評価したいです。