あらすじ
ある日、作曲家として活動する沙理のもとにゲーム楽曲の制作依頼が飛び込んできた。いつかやってみたいと思っていた憧れの仕事に沙理は快く引き受ける。だが、依頼主として打ち合わせに現れたのは元夫・律史だった……!? 社長になっても変わらない彼の姿に、嫌いになって離婚したわけではない沙理の心は酷く動揺する。打ち合わせを終え、たわいもない会話をする二人は次第に一緒に過ごしていた頃の想いを溢れさせて――。「沙理。相変わらずきれいだ……」 三年ぶりに肌を合わせた夜は、激しくも淫らなものだった。情熱的な一夜を過ごし、律史は自身の想いが沙理に伝わったと感じたのだが、彼女はどうやらそのことを後悔をしているようで――?
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すごくすごく良かった
短い話でしたが、すごくよくまとまっていてとても良かったです。
ヒロインがしっかり自立している女性だからか、元夫に未練を残しているからこそ、中途半端な関係のまま体を許してしまった自分に腹を立て、葛藤している姿が印象的で、同じ女として共感してしまいました。
振られた側ってきっといつまでも相手に気持ちを残しているところがあって、まして結婚していて、納得できない別れの末の再会なら、心が揺れてしまう気持ちが、手に取るようにわかる。それでも、相手のいうがまま流されるのではなく、そこで自分の意志をもって相手と向き合う様は読んでいて、応援したくなるし、もう素直になりなよと何回も思ったものでした。
最後のシーンで、ヒロインがヒーローに対して、次に離婚するって話になったら、ごねるからというセリフから、どれだけヒロインがヒーローのことが好きで好きでたまらないか、ということがよくよく伝わるシーンで、この終わり方好きだなぁと思いました。つらい思いをしたヒロインには今度こそ幸せになってほしいと心から願う、そんな素敵な作品でした。