あらすじ
あの歌声が再び聴ける日
「何がみんなにとっての正義なんだろう?」
2022年12月、中森明菜は公式HPでファンに問いかけた。
そして、こう続けた。
「自分で答えを出すことに覚悟が必要でしたが、私はこの道を選びました」
表舞台から姿を消して5年あまり。彼女の歌手人生は、デビューした1980年代を第1幕とすれば、混迷の第2幕を経て、これから第3幕を迎えようとしている。
「お金をね、持っていかれるのはいいんです。でも一緒に心を持っていかれるのが耐えられないの」
1990年代に入り新事務所を立ち上げてレーベルも移籍した頃、雑誌のインタビューで打ち明けていた。
孤高にして寂しい――。
不朽の名曲「難破船」を提供した加藤登紀子は、明菜をそう表現した。
自らの道を進もうとするほどに孤独になっていく「歌姫」の肖像。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
明菜の唄は大好きで、よく聴いてるし、惚れ惚れする。
わがままだったり、金銭のことでトラブったり、幸運と不運が半々の人生って感じがする。
今、どんな歌声を聴かせてくれるのか、復帰してほしい。
Posted by ブクログ
とても熱中して一気読みしてしまった
中森明菜という人間と80年代の音楽業界、
芸能界を知れたのはとても面白かった
この本をもとにしたドラマ化も見たいし、ドラマ化へのドキュメンタリーも作ったら面白そう
Posted by ブクログ
以前に読んだスージー鈴木の「中森明菜の音楽1982-1991」は楽曲からのアプローチだったが、こちらは家族や事務所との確執など、週刊誌的なトピックも含みながら、近くにいたさまざまな人物からの証言を織り込み中森明菜の人物像を浮かび上がらせる。もうずーっと復活しそうでしない、でも何かしようとしている、でもあまり届いてこない…そんな様子の明菜ちゃん(世代なので)をもどかしく見ていたが、本人の事情も含め、裏側のさまざまな要因を垣間見た。印象的だったのが、坂本九や加藤登紀子など年長の諸先輩が、彼女へ温かい目を注ぎ、さまざまに手を差し伸べていること。そういった人たちと心を通わせ、自分の味方をたくさん作り、安定した音楽活動を穏やかに続けるという人生はなかったのだろうか…とさみしげな現状を思って切なくなる。
Posted by ブクログ
中森明菜に興味ある人じゃないと手には取らない本でしょうね
私は日本の音楽にほとんど興味なかったので
アイドルなんかも名前だけ知ってるって感じ
でも山口百恵と中森明菜とレイジーは好きだった
今の若い人は名前聞いてわかるかなあ?
確かに明菜は自殺騒ぎ以来まったく精彩がなくなった
この本で受ける中森明菜の印象は人それぞれだと思う
わがままな部分やよろしくないところもたくさんあったと思うけど
私は明菜を嫌いにはなれない
なぜなら明菜はアイドルではなくアーティストだと思うから
アーティストというのは凡人から見ると破天荒で理解できないところがたくさんある
自分の作品を思い通りに仕上げるためならどんな犠牲も払う
反面とても繊細だ
だからこそ素晴らしい作品を作り上げることができる
明菜をジャーナリズムの視点で執筆したこの本は
先入観や思い込みで書かれてるところがないように思う
ただ取材で得た事実だけを書いたという印象
そこから明菜の何を読み取るのかは
その人次第だと思う
Posted by ブクログ
中森明菜の主にデビュー後のヒストリーを描く。
アーティスト的な一途さや傲慢さと、繊細さをあわせ持つ中森明菜。その完璧主義と傲慢さから、中森明菜のチームが分解してしまう。近藤真彦との破局に伴うトラブルもあった。
その後に起きるさまざまなトラブルもあり、中森明菜は心身の不調に陥る。
この本でも紹介されているが、わがままさで言えば、海外のアーティストの方が上だと思うが、日本の芸能プロやレコード会社は、うまくコントロールできなかったのだろうか。
日本の音楽業界や芸能界も中森明菜に起きたことを学んで、今後は今の時代のアーティストには、起きないようにして欲しいと思った。
Posted by ブクログ
デビュー当時は内気で控えめな印象だった。しかし実際は周囲の期待と恋愛によるしがらみを受けていたんだなと感じる。彼女なりの葛藤が描写されていて良かった。
Posted by ブクログ
タイトル通り、中森明菜はなぜ芸能界から消えてしまったのか?をジャーナリズムから突き詰める一冊。
芸能界という個人を商品とする市場でその個人の感情が不安定になると商品として機能しなくなってしまうのだなと感じた。
Posted by ブクログ
全く世代では無い中森明菜の印象は「声が小さくて大人しい人」。しかし本書を読んで印象が全く変わった。いかにも昔の芸能人然とした度を過ぎたワガママさ。私は魅力的だと思ったし、早速YouTubeで中森明菜の映像を漁ってしまった。ただ全体的に筆致の温度が低く、特に金屏風事件を象徴とする近藤真彦との関係性についてはもっともっと掘り下げて欲しかった。
Posted by ブクログ
自分は 中森明菜世代ではないので
中森明菜を全く神格化してないので
天才って凄いけど周りが大変だなーって事と
全て自分自身の身から出たサビ感が凄いし
関わりなくないなーって感じ
ワイドショー感覚で読めた
Posted by ブクログ
もっと近藤真彦さんとのこと読みたかった(笑)
しかし中森明菜さん、歌大好きやけど全然御本人のこと知らなかったなぁ、難しい人やったんやね、繊細過ぎるとも言うか!
とにかくあの歌声はまたぜひ聞きたい!
Posted by ブクログ
歌姫・中森明菜。
全盛期の頃は、そうではなかったけど、最近、彼女の歌をじっくり聞く機会があり、歌唱力の凄さに、驚いた。
「ずっと聞いていたい」そんな、遅ればせながらのファンになったころ、目につき、手に取った。
スター誕生!に合格。16歳でデビュー。
その後、類稀な才能が花開き、次々とヒット曲を生み出し、2年連続でレコード大賞を受賞すると言う、輝かしい表舞台とは逆に、関係者の裏切りや、家族との断絶。自殺未遂。恋人・近藤真彦の心変わり、別れ、そして、表舞台からの消滅。
真面目過ぎたのか、完璧主義者ゆえか、自分にも周りににも、厳しかったからか、味方がなく、心が壊れて行ったのか。
「お金を持っていかれるのはいい。でも、一緒に心をもっていかれるのが耐えられない」
そんな悲しい言葉を吐かないで欲しい。
デビュー40周年。
一日も早く、伝説の歌姫の復活を願う。
Posted by ブクログ
デビュー曲の「スローモーション」に胸を撃ち抜かれ、初アルバム「プロローグ」の一曲目「あなたのポートレート」で脳天を勝ち割られました。物憂げで、不満そうな写真は「ちょっとHなミルキーっ娘」という???な売り出しキャッチフレーズに対してだったのかも…とはじめから感じていました。その後、どんどん自分の表現を追求しセルフプロデュースを磨きアイドルからアーティストのなっていく快進撃に置いて行かれたような気分にもなりましたが、本書の題名にもある「歌姫」という存在感は美空ひばり、テレサ・テン以降、彼女しか似合わないような気がします。去年、文藝春秋で連載が始まってから楽しみにしていたのですが、月イチの連載がまだるっこしいし、また2022年の紅白に出るか出ないか、みたいな同時進行ドキュメントの要素もあって、なかなか読んだ、という気分になれませんでした。もしかしたら出て来るオトナが信頼できない彼女の気持ちにシンクロしてしまい、辛くなったのかもしれません。なので本にまとめられて一気読み出来ることずっと待ってました。しかし印象は月刊で読んでいた時とそんなに変わりませんでした。彼女は遠くにいたままです。でもそれは、最初デビューの時に感じた痛々しさが、そのまま続いているのかもしれません。もうちょっと読みたかったドキュメントです。なので「文藝春秋」より「週刊文春」の方がよかったのかな?と勝手な感想を抱きました。さて、この物足りなさは、本書では信用できないオトナのひとりの初代ディレクター島田雄三の最近の明菜本「オマージュ〈賛歌〉 to 中森明菜」で埋めることは出来るでしょうか?