【感想・ネタバレ】松下幸之助に学ぶ 成功の極意 ―「思い」の技術―のレビュー

あらすじ

昭和40年頃、京都セラミックを立ち上げたばかりの稲盛和夫氏は、その日だけ仕事を休んで、松下幸之助氏による「ダム式経営」の講演会に駆けつけた。
講演の後、ひとりの社長が質問した。
「ダム式経営が重要だということは理解できた。しかし、その余裕を持つためにはどうすれば、いいのか。それを教えていただきたい」
それに対する松下幸之助氏の答えに、多くの聴衆は失望した。
しかしこのとき、稲盛和夫氏だけは、松下幸之助が言わんとしたことを理解した。

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Posted by ブクログ

 著者は私の小学校の担任だった人だ。

 “自分の殻を破れ”というのが口癖だった。克服したこと、できたことがあれば、必ずみんなの前で褒めてくれた。それが大きな事であろうと、小さな事であろうと、同じような調子で、同じように時間をかけて褒めてくれた。たぶん、クラスの生徒全員に対して、等しく2-3回はやったのではなかったか?

 話好きでもあり、いろんな話をしてくれた。多かったのが、歴史上の人物。子供の僕らでも感情移入しやすい坂本龍馬や豊臣秀吉の話が多かった。彼らがいかに自分の殻を破り続けて成長したのか、いつも熱く語っていた。

 同じようによくとりあげていたのが松下幸之助。当時、まだ存命だったが、大阪の学校だったので、子供から大人までみんな知っていた。

 何で松下幸之助氏が成功したのか?を、他の成功者と照らし合わせて書いているのが本書である。

 著者は、成功の理由をシンプルに看破した。それは“思い”、それだけである。

 何事も“思い”から始まる。万人に通じるものであり、かつ伝える方法が適切であれば、人は動く。

 では、万人に通じる“思い”とは?2つの要素が必要である。一つは、私心やこだわりを捨てたもの、つまりは“素直な心”から沸き起こるものであること。もう一つは、自分や組織の今後に対しての“ビジョン”であること。

 そして、単に啓蒙するだけではいけない。いつでも自分が率先して垂範するという、“気迫”を持ち合わせていなければいけない。
 “思い”は、時には柔軟性を持つ必要がある。目の前のあるがままを受け入れることも必要である。
 
 よくある“精神論“であり、しかし、その裏打ちとして、松下幸之助や関係者の発言を丹念に取り上げ、考察している。
 
 何よりも、著者自身が実践してきたことを私は知っている。なので、今の私がここにいる。
 
 自分の殻を破り、成長するには?単にシンプルに、“思い”、生きること。それだけだ。

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2019年08月17日

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