【感想・ネタバレ】今を生きる思想 西田幾多郎 分断された世界を乗り越えるのレビュー

あらすじ

電子メディアの発達に貧富の差の拡大、戦争によって世界中で分断が起きている現代において、「私」と「あなた」はどう繋がることができるのか。西田幾多郎の哲学から見る今を生き抜くためのヒント。

本書のおもな内容
●日本初の哲学書『善の研究』が生まれるまで
●人生とは、いつも悲劇的である
●美しい夕日を見た瞬間の感動こそが「純粋経験」
●愛とは他者の喜びや悲しみに共感すること
●形なきものの形を見て、声なきものの声を聞く
●苦悩の果てに辿りついた境地「歴史的世界」
●世界は私たちの行為によって作られていく
●「今、ここ」の現実を生き切る

西田の哲学的思索は、世界の真の姿を見極めようとする実在の探究であり、それは一つの根本的立場から世界のすべてを説明しようとする努力であった。それはまた、近代日本における個の自覚――個人としての自己の自覚――の思想という性格をもっていた。その内実は〈自己と世界の関係〉の思想として読むことができる。自己と世界の関係は、特定の時代のなかで具体的な表れ方をとるものであり、人々の分断が進む現代において、私たちの自己と世界との関係を西田哲学から捉え直してみることが本書のテーマとなる。このことはまた、視点を変えてみれば、現代に通じる西田の思想のアクチュアリティ(現実性)を問うことでもある。まさに「今を生きる思想」として西田を読み直すこと、それが本書の課題であるといってもよい。 ――――「はじめに」より

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100ページで教養をイッキ読み!
現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!!

1:それは、どんな思想なのか(概論)
2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景)
3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用)

テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、
「一気に読める教養新書」です!
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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

西田幾太郎の哲学は以前から気になっていたが、積読になっていた。出張で京都の哲学の道を歩き、詩碑を見て、一気に興味が湧き、読んだ。
西田幾太郎の人生と、生涯の思索の流れを概観できる良著。

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2025年11月19日

Posted by ブクログ

西田幾多郎の生涯と思想についてわかりやすく解説をおこなっている、コンパクトな入門書です。

最初の著書である『善の研究』で「純粋経験」という概念にもとづいてみずからの思想を構築することをめざした西田は、その後「自覚」の立場を経て「場所」の立場へと移っていき、後期には歴史的世界に立脚した思索を展開することになります。本書はそうした西田の思索のあゆみにそって、それぞれの立場の中心的な考えかたを簡潔にまとめています。

それぞれの時期の思想について深く立ち入った検討がなされているわけではありませんが、西田哲学の全体像を概観するためには有益な内容の本ではないかと感じました。

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2024年06月12日

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