あらすじ
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「綾子が口述するのを筆記する間、私は涙を流していた」——。
夫・光世が14歳から晩年までに遺した63冊の日記をもとに、夫婦の愛と創造の裏側を描く。三浦綾子生誕100年にちなみ2022年3月から1年間、「北海道新聞」で連載した小説の単行本化。三浦綾子記念文学館・北海道新聞創刊80周年共同プロジェクト。
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Posted by ブクログ
ついこの間まで『氷点』『続 氷点』を読んでいたのでこの本も読んでみた。作者である三浦綾子とその夫・光世の絆を光世が残した日記をもとに紹介するもの。本当にこんな思いでいたのか、こんな言葉のやりとりがあったのかわからないけど、まるで小説のように二人の日々が書かれているのでぐんぐん読んでいける。
『氷点』を読む以前は三浦綾子って教養や知性にあふれ清楚で真面目な人のように思っていたんだけど、『氷点』が思ったよりエンタテイメント性にあふれた小説だったのでその印象が揺らぎ、この本によって完全に違うものになった。
綾子は種々の病に見舞われながらも自由奔放。そんな感覚派で思いや興味の向くままに動いてしまう綾子を光世がサポートし二人で支え合いながら仲よく生きていたのだということがよくわかる。出会ってから結婚に至るまでの二人のやりとりや、綾子がかつて慕った男性に近づこうとする光世の誠実さなどは心うたれる、心ぬくもる。世のなかにおいてこういうふうにベターハーフが出会えることがあるんだなあ。
その後の二人三脚の生き方もすてきだ。クリスチャンということもあってのことだろうけど、本当にひたむきに誠実に生きた二人。こんなふうに清く生きることができたら……。
かなりていねいに1970年代くらいまでが紹介されているんだけどその後の綾子の晩年の闘病などのことは触れられていないのはなぜ?