【感想・ネタバレ】目的への抵抗―シリーズ哲学講話―(新潮新書)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

目的を超えたある種の余白や遊びの部分に、人間の本質があるのではというのは共感。それを実現した人は結果的に目的思考の人を超越している印象。稼ぎたい、子供を喜ばせたいから野球をするのではなく、野球が好きだがら野球をしている大谷選手のような存在かなと思った。

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自由の意味を考えることはあるでしょうか?個人的にはポストコロナでもたまに自由について悶々とすることがあり、さらに國分さんの『暇と退屈の倫理学』の続編という位置付けでもあるということで読んで見ました。対話形式なので読みやすくストンと落ちました。

福沢諭吉は、社会の常識や身分などに縛られないことを自由と解釈したようです。ですが、漢字にすれ自由は「自らに由る」。國分さんのいうのも自らに由る、なのかな。この自由は自らの意志をよりどころにすることを意味した言葉といえます。仏教でいう、煩悩・執着から解き放たれた状態「解脱」に近いのかもしれません。

千年王国を信じ、目的へ矢のように向かっていくのが西洋的な価値観、風土とも言われます。歴史の授業だと、自由もその文脈で語られ、フランス革命はじめ様々な革命もそう位置付けられいます。日本を含むアジアとはやや感覚が違いますが、日本は明治以降、福沢諭吉らの貢献もあり、西洋価値観を血肉にしようとしてきました。英語ではfreedomとlibertyの違いなんて言い方もしますが、〇〇への自由、〇〇からの自由はlibertyに近く、より合目的な性格を強めるのだろうと理解しています。

個人的には、どちらの自由もあってよいのですが、どちらの自由を語っているのか、重きを置いているのか、人生の場面場面で自分と対話するよう心がけることが肝要だと感じました。それを気づかせてくれた意味でもよかったです。

195ページの言葉はよかったので抜粋します。

目的のために手段や犠牲を正当化すると言う論理から離れることができる限りで、人間は自由である。人間の自由は、必要を超えてたり、目的からはねたりすることを求める。その意味で、人間の自由は広い意味での贅沢と不可分だと言っても良いかもしれません。そこに人間が人間らしく生きる喜びと楽しみがあるのだと思います。

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2024年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全体
読み物としてはわかりやすい
→途中、読みきれないところもあったけど
学生への講義方式だから言葉は簡単に書いてる
それでも、内容が内容だけに咀嚼が必要とも思える
國分功一郎先生の考えが面白いので少し他のも読んでみる

前半
考えること、疑うことを辞めてはいけない
死者を敬うことよりただ生きることが優先された
移動の自由ってとても価値の高いこと
それを制限することは刑罰やベルリンの壁崩壊するパワーにもなるうる
ブラック企業とかから逃げられないのも自由がないから
もはや科学は疑ってはいけない宗教とかしてきた
行政は法を運用する場所で、法は万能ではないから、様々な解釈がある
そこを実態と擦り合わせるのが行政
コロナ禍のときのように根拠となる法律が曖昧なときに行政に任せすぎると三権分立が歪み、行政の独裁になっていく
だからこそ、根拠はなぜなのか、しっかり考えて正しいことをしていくのか監視しないといけない
立法する人達は選挙で選べるが、行政は首長しか選べない
→民主主義なようでそうでもないのかもしれない
→俺としてはそこまで考えたくないから、任せてしまうし、自由を手放したくなるのではないか
自由って毎回選択を迫られてすごく疲れることだとも思う

後半
上手く飲み込めず細かいメモできず
目的のないことも生活には大事
コロナ禍の不要不急を経験して、より目的のないものは排除していいよねってなりがち
元々、排除の傾向があったけど、コロナ禍で加速した
オンライン授業と対面授業はやっぱり身体の重みが違うし、一緒とは思えない
無駄な遊びをどう残すか
反対活動とかは目的というか同じ目的の仲間と集まりたいから、役割を与えられたいから、ずっと反対することが目的になってしまうことがある
→成田とか反基地運動とかかな
たしかに、気持ちがいいけど、そこは割り切らないといけない
人間は役割を欲しがるもの
政治というもの真剣に行う遊び、目的のためだけでなく真剣に考えるもの

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2023年06月03日

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