あらすじ
NETFLIX実写ドラマでも話題沸騰中のコミック『HEARTSTOPPER ハートストッパー』シリーズの作者であり、YA BOOK of the Year,Silver Inky受賞作家 アリス・オズマンによるハートストッパー短編ノベル。
コミック4巻で描かれるあるクリスマスの一日の出来事が綴られた物語。摂食障害やメンタルヘルスの治療を続けるチャーリーと、姉のトリ、弟のオリバー、スプリング家の家族の視点で書かれた物語がメイン。巻末には、『ハートストッパー』誕生のきっかけとなった作品『Solitaire』(チャーリーの姉、トリの物語)の冒頭も収録。『ハートストッパー』ファン必読! 物語の世界をより深く楽しめる小説。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私にはすごく刺さった。
ハートストッパーのドラマを観ていて、優しさに溢れているのに理解する気のない人たちのせいでどんどんチャーリーが病んでいって悲しかったから、続きが気になって買ってみた。
セクシャルマイノリティはアロシスヘテロよりも希死念慮が高くて精神を病みやすい。だから、メンタルヘルス×クィアの物語は私にとっては身近で、求めていた。
チャーリーが自分のことを異常だと思ってしまうこと、異常という言葉遣いを自分に使わないように主治医から言われていること。チャーリーと共存するために頑張っているトリ。理解する気のない両親。
息が苦しくなる。
でもこれがクィアの日常で、そこにあることに安堵する
日本だから苦しいんだと思ってた。でもイギリスですら、そんなに、見違えるほどは変わってない。
クィアが精神を病まずありのままでいられる場所はこの地球上にほとんどない。
どこも安全じゃない。苦しい。
でもなんとかしたいと思っている他人がいてその存在が嬉しかった。トリはいいこ。
Posted by ブクログ
この冬が、せめてよい日であればよかった。
クリスマスの日のトリ、チャーリー、オリバーの気持ちを描いている。『ハートストッパー』より先に書かれたそう。だから彼らについて作者が何を描きたかったのかが、色濃く出ているとも思った。生きづらさをかかえる登場人物と、その周囲の無理解と、理解ある人たちともいつもうまくはやれない辛さ。この物語がどうか苦しい人の光になればいいと思う。せめて、ひとりではないのだと、知ってもらえたら。
このクリスマスに続く日の物語となる「ソリティア」の冒頭も載っている。読みたい。