あらすじ
あなたが知らない稲盛和夫がここにいる。
最高の経営者であり、魂の求道者・稲盛和夫の人生における、情熱の瞬間。
その瞬間を共有した人だけが知るエピソードの数々が、心を熱くする!
稲盛の経営哲学に“情熱”は絶対に欠かせないもの。自分の仕事に燃えるような情熱を持って取り組むことで、仕事だけでなく人生までも輝くことを、稲盛はその言葉と行動で人々に伝えてきた。
本書では、稲盛の思想をあらためて紐解きながら、その熱い瞬間が切り取られた写真も紹介。
また、その瞬間に立ち会った者、稲盛の熱に直に触れた者たちが、心震わせた経験を語り尽くす。
●日本電産会長 永守重信
(京セラに追いつくことを目指して、いつしか日本電産を世界一の総合モーターメーカーに)
●KDDI社長 高橋 誠
(京セラの新入社員から第二電電に転じ、稲盛の下で奮闘)
●iPS研究所 名誉会長 山中伸弥
(ノーベル賞受賞の前年に、稲盛財団による京都賞を受賞)
●FC今治会長、サッカー元日本代表監督 岡田武史
(稲盛の経営塾”盛和塾”でその薫陶を受ける)
●京セラ元会長 伊藤謙介
(28人で始めた京セラの創業メンバー)
●JAL元副会長 藤田直志
(倒産したJALの意識改革を稲盛の下で推進)
......他、共に闘った部下たち、合併先の社員、長年の秘書など、13名の貴重な語り下ろしインタビューを掲載。
読めば心が奮い立ち、自分の仕事に夢中になれる。
よき人生を送りたくなる。
*この本は、2021年に稲盛和夫氏に講談社が書籍の企画を提案し、その承諾を得て制作したものである。
本書に掲載した稲盛氏の関係者13名のインタビューは2022年3~6月の間に行われた。
同年8月、稲盛和夫氏は90歳で永眠した。
稲盛和夫 kazuo Inamori
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長を務めた。また、84年に第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。10年には日本航空会長に就任。会長、名誉会長を経て、15年より名誉顧問。1984年には稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。 2022年8月、90歳でその生涯を閉じる。
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Posted by ブクログ
若いビジネスパーソンほど読むべき1冊!
私は外資に近い会社にいます。
そのだ30-40代の激動を超えてきた上司たちの指導は、
正直なにを言ってるのかわかりません。笑
また、その説明はもすんなりとは教えてもくれません。
その理由を探すべく辿り着いたのがこの1冊です。
私はこれを読んで「自分で考えろ」や教えもせずに「やってみろ」という意図をイメージすることができました。
そして最近では仕事がし易くなりました。
そういった事のヒントになるのがこの本だと思います。
Posted by ブクログ
稲盛さんの本は何冊も読ませて頂いたが、本当に信念が一貫している。人格者であり、人徳で人を引き寄せているようにしか思えない。
利他の心を持ち、幾ら成功してお金を稼いでも人から預かったものとして還元しようとする。もう神としか言い様が無いですね。一体どうやったらそのような徳を積むことができるのか知りたいが、まあ知ったとしても継続実行するのに困難を極めるのだろうなと思う。本当にすごいお方です。
Posted by ブクログ
稲盛さんの本はこれまでも多く読んでいるが、考え方が一貫していて素晴らしい経営者なんだなと改めて今更ながらに感じた。人格者という言葉そのままの方。今後もたくさん稲盛さんの考えを身につけていきたい。
Posted by ブクログ
原理原則や、強い動機、確たる理念の大切さなどが読み取れました。一方、最後は気合と飲み会で解決しているような雰囲気もあって、刺さりきらない感じもありました。とはいえ、京セラ、KDDI、JALなど、実績が全てを物語っています。
Posted by ブクログ
京セラの稲盛和夫氏は2022年に逝去。穏やかで道徳的な人という皮層的なイメージを持っていたが、よくは知らなかった。本書を読むと流石は一流経営者たる激しさが溢れ出る。それは稲盛和夫自身の語りからも迸るし、関係者の発言からも伝わってくる。熱くなれ、というタイトル通り。この熱さがなければ、実業はやり切れない。
ー 社員にもとにかくずっと語りかけました。一緒にご飯も食べた。京セラも日本電産も、それは一緒でしたね。会社組織も学校もそうですけど、やっぱりよく似た考え方の人が集まると強い集団になるんですよ。もちろん、いろんな意見の人が集まって、いろんなことを言うことも大事かもしれません。会社が大きくなってから、そうなるのはいいですよ。でも、小さいときにいろんな意見が合わずにやっていたら、成長しません。
ー 毎回終業時間の6時から9時までの3時間、課長以上を12~13人集めて、会社で酒を酌み交わしたんです。ウイスキー、焼酎、ワイン、日本酒と乾き物を揃えて、どれを飲んでもいいよと。十数人だから、けっこうみんな言いたいことが言える。「京セラフィロソフィってなんなんですか」「そんなのを強制するのはおかしいんじゃないですか」「いやいやおかしくないよ」「よく考えてみいや」とか言いながら、ワイワイやる。1年2ヵ月かけて、合計35回、課長以上400人と会いました。酒飲むだけだから気楽なもんだと思われるかもしれんけど、とんでもない。どれだけしんどかったか。でも、これをやったらね、みんなわかってくれたんです。
飲み会文化というと功罪ありそうだが、京セラはまさにそれ。京セラ本社ビルの12階に巨大な「和室」があって社員同士で夜な夜なコンパをしながら、議論を深めていたらしい。社会は自由で良いが、会社は自由ではなく会社独自の催事儀礼に従うべきで、それは互いに生活を守り合うために必要なことなのだと。
価値観の多様性に反する。しかし、多様性なんて日本企業に等しく必要なわけではない。ポリコレは画一的な善を示すが、会社単位の多様化は必要であり、そこから差別化が生まれるのだ。飲み会を必ずしも是とするわけではないが、経費使用不可という流れや忘年会廃止ムードは、それはそれで間違った方向性である。
「動機善なりや 私心なかりしか」企業人であるため神聖視された内容を割り引いては読むのだが、面白い人だなと思った。