【感想・ネタバレ】ZONE 豊洲署生活安全課 岩倉梓のレビュー

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Posted by ブクログ

各作品には、発表時期または設定時期が明記されていて、作中の物語は2010年から2011年の出来事である…

岩倉梓が取り組む事件は…児童ネグレクト、貧しい老人の孤独死、幼稚園での騒動、ストーカー騒動、震災に絡んだ詐欺と様々だ…何れも…或いは「最近の社会の縮図」のようでリアルだ…そういう事態に、主人公が一つずつ真摯に向き合う。或いは、警察で“本流”のようになっている「凶悪重大事件を扱う」ということも大切だが、岩倉刑事が向き合うような、様々な事案の方が世の中には圧倒的に多い筈である。故に、岩倉刑事達の動きや関係者の様子が、読む側に「迫る」感じがする…

本の題名に在る“ゾーン”という表現…これは「〇〇の街」という程に明確な“目鼻立ち”が定まっているでもない地域を指し示している…豊洲は、再開発が為されて人口も増え、岩倉刑事が勤務する豊洲署も開設された。他方、「豊洲の街」という程に“目鼻立ち”が定まっている感でもない…東京の方々に在る「〇〇の街」は、そういう“ゾーン”という時期も経ながら形成されて行った。そういう様子を見守るのが、岩倉刑事達の役目でも在るのだと本書は語っている…

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2017年04月08日

Posted by ブクログ

警察小説では珍しい、生活安全課で勤務する女性警察官の話。世間を賑わすような事件でなくても、身近にある個々の問題に真摯に向き合う主人公の姿勢に、考えさせられるものがある。やれることに限界がある中で、自分の無力さを感じながらもあきらめずに前に進もうとする主人公はまさに「名もなき人」である。

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2015年12月15日

Posted by ブクログ

まだ街として完成していない、地域<ゾーン>である豊洲。
そこを舞台に生安の女性刑事、岩倉梓が活躍する。

独居老人の孤独死、幼稚園に届いた脅迫状など、
殺人やテロといった派手な事件では決してないが、
地道にコツコツと、被害者やその周辺に向き合う姿が描かれる。

「生安は殺人事件を扱わない。殺人は発生した時点で
すべての関係者が負けている。
それに比べ、生安は生きている人間を扱う。事件を未然に防ぐために、
存在しているのだ」

そう述べる梓に、誉田哲也さんが描く女性刑事、
『ドルチェ』シリーズの魚住久江の姿が重なった。

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2017年09月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

生活安全課が舞台の刑事もの、というのはちょっと切り口が変わっていて新鮮だし、女性警察官を主人公に据えていいるのもいい効果になっていると思います。短編連作ですが、豊洲という街が街になっていく姿をその主人公の目を通しながら、さまざまな事件とともに描いています。警察小説を期待するとちょっと変化球だけれど、女性警察官の成長物語として楽しめます

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2017年08月16日

Posted by ブクログ

やさしい女刑事の物語。

やむにやまれず抜けられないでいた悪徳商法の販売員に同情するのはともかくとしても……一見粘着質なストーカー男や、震災ビジネス崩れの三下詐欺男の背景まで斟酌し、彼らの人生の心配までしてやる…。

そんな刑事の物語、あってもいいよね、と思わされた。巻末解説文にも記されているように、「名もなき人びと」に思いを馳せることのできる一冊。

★3つ、7ポイント。
2015.12.02.古。

※主人公の心の成長…(最初はけっこうに卑屈な心持ちでいたのが、次第に前向きになりつつある)

班長の過去…
イケメン後輩との絡み…
ちょっとキャラの立った、班メンバー…
まだ描写されてない班メンバー…
日々変わりゆく、発展途上の“街”…

…続編描けそうな材料は山ほどあるのだけれど、シリーズ化はされてないのだろうか?


※同じ「生活安全課」という部署なのに、「新宿鮫」とはまた、ずいぶんと雰囲気が違うこと(笑)。

…てか、そっち(“鮫”)の方が特殊ケースではあるけれど。

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2015年12月02日

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