あらすじ
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量的緩和解除はどうなる?デフレは克服できたのか?――。日銀審議委員として戦後最大の経済危機に立ち向かった著者が、「時間軸政策」など経済の下支えを狙ったデフレ対策の効果を検証。日銀の出口政策を読み解く必読書。
第1章 マクロ経済・金融情勢――概観
第2章 ゼロ金利周辺における金融政策――鳥瞰図
第3章 一九九八年から二〇〇五年までの日銀(およびFED)の金融政策
第4章 時間軸政策の導入
第5章 学界における金融政策論議と時間軸政策
第6章 時間軸政策の効果の実証分析
第7章 短期金融市場における金融政策の効果
第8章 「失われた一○年」のマクロ経済学
第9章 構造問題と金融政策
あとがきに代えて――残された論点、これからの論点
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
次の日銀総裁、植田さんの金融政策関連書籍。
アベクロ緩和の前までなので、「今」の複雑怪奇な金融政策からの出口をどう考えているかは分からないけど、日銀のゼロ金利政策の総括を200ページでわかりやすくまとめているので、少なくとも「わかりやすい説明」ができる人、加えて、黒田さんと違って「論理的に」説明できる人であることは、よくわかった。
その辺を見越して、円金利は落ち着いて推移して、無茶苦茶な出口による円金利上昇がないから、円安がまた進んでいるのかなぁ?とも思う。
Posted by ブクログ
98年~05年にかけて日本銀行審議委員を務めた植田和男氏の金融政策の解説です。
同時期の中原氏の「日銀は誰のものか」に比べ、理論中心で委員たちの人間模様は出てきません。
(私の金融経済政策への理解の浅さゆえ)難解な部分もありますが、書かれた時期が古いにも関わらず、たいへん示唆に富んで勉強になった一冊です。この本でうまく理解できなかった個所を中心に次の読書を進めていきたいと思います。
Posted by ブクログ
研究界で挙げられている短期金利ゼロ金利下での金融緩和の手法:
1.時間軸政策
2.非伝統的資産の購入
3.(物価目標達成のために)必要以上の流動性供給
時間軸政策は、金融緩和の前借りであり、短期金利を上げても良い状況になった未来においても低金利(ゼロ金利)の継続を約束するもの。したがって、当該未来までの期間を含む現在の長期国債の金利が低下し、それが緩和効果を生むことになる。
短期金利を上げても良い状況になると、中央銀行としては利上げする誘因が生じるが、ここで金利を引き上げると、市場から信認されなくなり、次回以降この政策が使えなくなるというデメリットがある。
一方でそうした状況において利上げをしないと、必要以上のインフレが生じるリスクがあるが、そうしたリスクをとって初めて時間軸政策の効果が出ることになる。
本著は2005年に執筆されたものであるが、現在(2023年)の異次元金融緩和の考え方にも通ずるものがある。仮に足元の物価上昇で利上げ(緩和を弱める)することは、時間軸政策の効果が失われることを意味することになるため、やはり物価上昇が安定的・持続的であることを確認できるまで(日本経済が利上げに耐えられる状況になると判断されるまで)は、市場へのコミットメントの通り、強力な金融緩和を続ける必要がある、というのが植田氏の基本的な考え方のようである。
Posted by ブクログ
「時間軸政策」って一章まるまる使って難しく書いてるけど、「ゼロ金利期間ちょっとおまけしますよ」ってことですね。
ゼロ金利下での一段の金融緩和政策は下の3つが説明されていた。
タイプ1:将来の金融政策ないし短期金利についての予想のコントロール
タイプ2:特定の資産の大量購入
タイプ3:中央銀行のバランスシートの規模の拡張
当時よりもひどいデフレ不景気に悩む今、タイプ3を実行しないのだろうか?
Posted by ブクログ
自分自身既に興味が無くなってきてる&研究者の書くガチな文章ってこともあって、あんまり面白くない&よく分からなかった。ゼロ金利解除されてホットなトピックだったのにね。若輩ぶりにがっかり。