あらすじ
――好きな人と生きてゆくための、たったふたつの言葉。“ごめんね”、“ありがとう”――「ライフシェアリング」により生き返った日菜と誠。残酷な“奇跡”を受け入れ、苦難を乗り越えてきたが、残された余命は二人であと十四年、一人で七年と迫っていた。そんなある日、夢の家の建設の話を持ちかけられる。喜ぶ二人だが、最大の試練が待ち受けていて――…?
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涙が止まりませんでした。
ライフシェアリングを経た後の2人の結末に衝撃を受けるとともに、最後の章の後半からずっと涙が止まりませんでした。
漫画も繊細なタッチで、登場人物を含め、全ての描写が美しく描かれています。
読み終わった後、お話が好きすぎて、感動しすぎて、勢いで小説本まで買ってしまいました。そのくらい、この作品には、心がグッと引き込まれるものがあります。
お互いのことを1番に考えて動こうとする誠と日菜が、ライフシェアリングを通じて葛藤する姿に、とても胸が締め付けられました。
2人で20年の命を分け合うライフシェアリングですが、蓋を開けてみるとそこに待っていたのは、近づく死への恐怖と相手への罪悪感。
「奇跡」を始めた後の2人の心境と行動が変化していく様子に、読んでいて辛くなりましたが、それでも命を分け合って生きると決めた2人の姿には、とても感動しました。
また、この作品で欠かせないのは、誠と日菜を囲む周囲の人々の助言と優しさです。
この2人の他にもたくさんの人物が出てきますが、その一人一人の言葉と2人に向ける優しさが、この作品をより良いものにしていると感じました。
ライフシェアリングのルールが序盤に紹介されますが、のちにその内容に基づいた伏線回収が行われます。
誠と日菜を側で支える「案内人」である2人の言葉や行動の変化、そして過去にも要注目です。
涙なしには読めない、切ない、苦しい、でも、美しく、感動するこの作品を、ぜひお手に取ってみてください。
私のレビューで少しでも興味が湧いた方がいらっしゃいましたら幸いです。