あらすじ
「ストレートで高純度の本格ミステリ。
よくぞ掘り出してくれました。
1930年代のフランスでこんな不可能犯罪ものが書かれていたとは、
ヴィンテージミステリの世界はまだまだ底が知れませんね。」
――有栖川有栖(作家)
天外消失の謎に名探偵が挑む!
フランス産探偵小説の傑作、遂に発掘!
飲食産業で成功を収めた富豪のヴェルディ
ナージュが、マルシュノワール館に引っ越
してくる。これまでの所有者には常に災い
がつきまとってきた曰く付きの館だ。再三
舞い込む「この館から出ていけ」との脅迫
状。果たして雨の夜、謎の男の来訪を受け
た直後、館の主は変わり果てた姿で発見さ
れる。どこにも逃げ道のない館から忽然と
姿を消した訪問者。捜査が難航するなか、
探偵トム・モロウが登場し……『黄色い部
屋の謎』以降の歴史的空白を埋めるフラン
ス産不可能犯罪小説の傑作、ついに発掘!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ひさしぶりに「誰が犯人なんだろう?」
と楽しみながら読めました!
解説の「未紹介の傑作」という名前がピッタリなフランス古典ミステリ
ただし捜査関係者の登場人物が多すぎてこんがらがる
(カタカナ多いし)
根底には差別意識があるとしても
富豪が定番の嫌なやつじゃなくて
素朴なとてもいい人なのよ
Posted by ブクログ
飲食産業で成功を収めた富豪のヴェルディナージュが、マルシュノワール館に引っ越してくる。これまでの所有者には常に災いがつきまとってきた曰く付きの館だ。
再三舞い込む「この館から出ていけ」との脅迫状。
果たして雨の夜、謎の男の来訪を受けた直後、館の主は変わり果てた姿で発見される。
どこにも逃げ道のない館から忽然と姿を消した訪問者。捜査が難航するなか、探偵トム・モロウが登場し…。
フランスミステリーといえばツイスト博士シリーズのポール・アルテがすぐに思い浮かびますが、それよりも50年も前に書かれた本作は、なかなかどうして面白かった!次作も早く翻訳されないかなぁ。
Posted by ブクログ
いやいや凄い。1930年頃の作品。古典ミステリー
らしく全てが仰々しく始まる。一転面白くなるのは素人探偵が出てきてから。ポアロと似ているが、どちらが先なのかな。前半退屈したが、後半は凄く面白かった。
Posted by ブクログ
このミスで紹介されていて気になり、購入。
探偵役、結局その人?という驚きが大きかった。
だれが謎を解くのか後半まで明かされずというのは新鮮。私立探偵が一枚噛んだのは結局ビジネスだったということなのでしょうか。
巻末より 埋もれている古典名作を見つけようとする、訳者の方の情熱と楽しそうな様子がとても素敵でした。これからの名作発掘も応援しています!
Posted by ブクログ
引越してくると「この館から出ていけ」と脅迫状が届き… 純度満点の古典本格ミステリー #禁じられた館
■あらすじ
事業で成功を収めている富豪が、立派な館に引越しを決める。ただし、かつての所有者が不幸になってしまったという怪しげな館であった。
そんな彼のもとに「この館から出ていけ」との脅迫状が届くのであった。
■きっと読みたくなるレビュー
久しぶりに古典ミステリーを読ませていただきました。
まさに本格ミステリーで、脅迫状、怪しいキャラクターや個々の思惑、不可能犯罪の発生、探偵による様々な解法の提示、そして衝撃的な真相…
1930年代のミステリーですって。いやー素晴らしい。
まだまだ古典は読み切れてないんですが、こんな良作を発掘&翻訳していただいて、ファンとしては大変ありがたいです。
謎解きの設定自体は比較的オーソドックスですが、展開がいいですね。次々登場してくる刑事や弁護士などの探偵役が翻弄されていく様がお見事。
さらに曰くありげな登場人物たちがイイ!
みんな弱い人間ばっかりで、いまにも犯罪起こしそう。全員が怪しすぎるっ
そして事件当夜の描写が震えるんですよ。古い白黒の映画を見ているようで怖い怖い。
謎解きも綿密で、ひとつひとつがロジカルで本格ミステリーの重厚感たっぷりでてる。真相もはぁ?という驚きとともに、一方でなるほどなぁ~と思わず声に出してしまうほど納得感が高かったです。
読み応え十分、純度満点のヴィンテージミステリー。楽しく読ませていただきました。
■絶賛推しポイント
本作は序盤の引き込みがスゴイんですよ。
館に引越して来たら「この館から出ていけ」って脅迫状が届くんですよ。
でも当の主人は、そんなの知らねーよって居座り続ける展開。
ついに殺害予告の日が近づいてきて…
これは熱い!本格ミステリーファンとしては読み手が止まらなかったですね。
Posted by ブクログ
1930年代のフランスミステリ。富豪が気に入って引っ越してきた館は、これまで所有者に災いがふりかかった”禁じられた館”だった。彼にも「出て行け」という脅迫状が舞い込み、ついに事件が起こる…
どこにも逃げ道がない館から姿を消した犯人というきわめてシンプルでオーソドックスなストーリーだが、推理は二転三転。捜査陣がみんないけすかない感じで感情移入できないのが辛かったものの、端正な本格という感じで面白かった。
Posted by ブクログ
埋もれた傑作とのこと、確かに面白く読ませて頂いた。
殺人が行われた時の状況を繰り返し書かれているのには、多少飽きもしたが、見事に事件が解決された。
しかし、その解決の決め手の一つの事柄が、成程と思わせれる反面、その事をその時に、その場に居た人たちは何故に気が付かないのだ。
隠す暇もないし、痕跡が消えるのには相当の時間が掛かるのだから、その事だけが疑問として残るんだよね。
Posted by ブクログ
第一部で事件の発生までを描き、第二部で捜査、第三部で「素人探偵登場」と、まぁお作法通りの黄金パターン。とても良い。さらに捜査の最中に、各自がいろんな犯人を想定して推理を述べるので、多重推理モノっぽいテイストまで出てきて、盛り沢山の1冊。
登場人物がどれもカリカチュアライズされていて、ある意味コメディにも読めるところが味わい深くとても楽しい。これ、ぜったいフランスのオシャレなミステリー映画にしてくれるとたぶんとても良さそう…。映像化に向いてる。