あらすじ
「人は誰でも間違える」を大前提に、ミスが出たときの受け止め方、対処の仕方といった仕事への取り組み姿勢をはじめ、極力ミスをなくし、言葉のセンスを磨くためのコツを具体的に紹介。さらに、誤字・脱字など間違い事例としてゲラ写真を100点以上掲載。毎日新聞校閲グループの「間違いを見逃さないノウハウ」を、他の業種、業界で働く人たちにも活用してもらえるよう、余すところなく伝える。
第1章では、間違いを盛り込んだダミー記事を用いて「間違い探しテスト」を掲載。丁寧に解説しながら、校閲記者の仕事内容を紹介する。第2章~第7章は、具体的な誤用例や誤植例を示しながら、日本語表現のあれこれをひもとく。さらに、言葉と格闘する毎日新聞校閲グループならではの視点や、事例に関するエピソードなども盛り込む。単なる誤植集にとどまらず、新聞制作を支える「言葉の番人」ともいうべき校閲の仕事の醍醐味が堪能できる一冊。
※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この本は校閲に関心ある人が読みものとして一気に読む、または校閲、校正をする人が作業する前に、注意点をおさらいする意味で読む、どちらの使い方もできると思う。
校閲だけでなく、現代の日本語の有り体がわかる、読んでいてためになる本。日本語学習者にも参考になるのでは。
毎日新聞校閲グループのブログもそうなのだが、「知識のない奴らに教えてやっている」的な、上から目線な視点に立つことはなく、かといって卑屈過ぎることのない、中立的なスタンスで書かれていることに好感をおぼえる。
Posted by ブクログ
毎日新聞での校閲ルール、という前提で新聞記事の校閲に関する実例や苦労が語られている。
「間違いがいくつあるかわからない間違い探し」というフレーズが印象的。限られた時間の中で膨大な記事の中から、「ないかもしれない」誤りを見つけて修正する大変な作業。固有名詞や数字などはその知識がないと誤りかどうかも判断できない。
改めて日本語の複雑さにも気づかされる。てにをは、漢字、それに時代と共に変化する言葉の意味など。修正の拠り所となる国語辞典でさえも誤植をすることがあるらしい。
本書の最後では、やはりというかAIについての言及もあった。膨大な手作業に有効なパートナーにも、仕事を奪う強敵にもなりうる。しかし最終的に「判断」は求められるだろうから、完全にAIに取って変わられることは無さそうだ。
Posted by ブクログ
一ヶ所見落としても0点。この仕事がいかに厳しいかが分かった。
素人がすぐに分かることなど当たり前で、それ以上の能力が必要。
私は重要な文書をチェックする時、頭がオーバーヒートして、おでこや耳などが痛くなる。重要であればあるほどその傾向が強い。私に強迫性障害的な所があることを考えると、この仕事は向いていないと思う。
Posted by ブクログ
特に執筆の勉強をしないまま、コラムや書籍の文章を書く業務も手掛けているため、参考のために読んでみました。
漢字を使うか、ひらがなを使うか。
漢数字と算用数字の使い方の違い。
文章を書きながら迷う点が多々あります。判断基準がよく分かり勉強になりました。
文字1字でも、大切にしたいと改めて感じます。
Posted by ブクログ
なんと日本語は豊かなことばなのかと気付かされ、同時に難しいということも再認識。
舟を編むでもそうだったが、ここまで日本語の一つ一つにこだわって、いる人たちがこんなところにいたのか、と。
最近のネットニュースはよく誤字と思われる箇所を見つける。校閲がないがしろにされているのだろうか。
尚更新聞の凄さが分かった。
Posted by ブクログ
【目次】第1章 校正おそるべし/第2章 「熟考」をなぜ「塾考」にミスパンチ? 誤字・異字同訓/第3章 「1人前」と「一人前」で意味が違う 数字・単位・記号/第4章 イメージ先行? 「花向け」「悪どい」 事実誤認・覚え違い/第5章 「雨模様」は降っている? いない? 表現のニュアンス/第6章 品川区の目黒駅、港区の品川駅 固有名詞の落とし穴/第7章 「再選する」? 「再選される」? 文法と文脈
あらゆるミスを見逃さないのがプロ……といいたいのだけれど。それがなかなか難しい。
同音異義語と同訓異字の使い分けは難しい。ハッシュタグ記号とシャープの違いも両方あれば気づくだろうけれど、どちらかだけだったら見過ごしそう。「慣用」の線引きも微妙。
自分を信じず、調べることが肝要。
Posted by ブクログ
朝日新聞や講談社のに比べると、校閲記者の目線がより前面に出ているのが特徴。
前のふたつは日本語そのもののに関する話題が多かったのに対して、校閲や校正という現場の業務に関する話題が多い。
時代によってどういう間違いが生じやすいかとか、校閲する側は何に気をつけているかとか、校閲記者目線の話はなかなか興味深い。
Posted by ブクログ
正しい日本語は一義的に決まらないが、伝わりやすい日本語を追求することは出来る。明らかな用法の誤りや事実の誤認から、慣用的に認められる用法や誤解を避けるための用法などの「グレーゾーン」まで、色々な校閲の事例を紹介している。
ただ、半紙について「延紙の半分だから半紙」と紹介しているが、これについては矛盾していることが確認されている。
事実の掘り下げ方が甘く誤解を呼ぶおそれがある内容だったので、本の趣旨から考えても書籍化にあたって事実確認をしてもらいたい内容だった。
Posted by ブクログ
もっと誤りを見つけるテクニック的なことかな、と思ったけどそうでもなかった。でもことばを扱う仕事の現場を垣間見ることができて面白い。
言葉そのものの辞書的な正しさと、万人に伝わることのバランスを取ることというのは、わりと万人にとって大切な感覚なのではないか。
Posted by ブクログ
間違い探しのみならず、事実関係や内容に踏み込んで精査する注意深さがすごい。
五段活用の動詞でも「ら抜き」と同様の活用変化があったという話が興味深かった。
言葉の変化を見守りつつ、根拠に基づき直す緻密さが新聞紙面を守ってる。
Posted by ブクログ
何かを習得と言うよりは、新聞での言葉の使い方を教えてもらった感じの本。
飲み屋とか、ちょっとした雑談で使うレベルの知識をもらった。
つまり、その程度ってこと。
まぁ、読んでも読まなくても人生に影響は無い。