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Posted by ブクログ
サイゼリヤの創業者の半生を織り交ぜつつ同社の経営方針などを解説。
創業者の考えは素晴らしいし、客の立場から見ると結果として実践できていると思う。但し実際の従業員の待遇などはわからないのでその点はコメント出来ない。
経営方針としては外食産業を他の製造業と同じように捉えているところが面白い。そうやって見るとサイゼリヤの店舗は自動車の販売店のようだ。
自社工場と自社販売店を持つ自動車会社は製造工場と販売店の間に問屋がない。そのような形態にすれば第三者に利益を取られずコストダウン並びに従業員の待遇を改善できる。
ただ外食産業を「製造直販業」と言ってしまうと味気なさも感じてしまうが。
サイゼリヤのメニューに対して「美味くない」ないしは「不味い」という意見を見ることもある。味覚はどうしようもない。確かに多くの人は自分なりに「サイゼリヤより美味い店」を知っているだろう。
しかし、価格と店舗数と営業時間を考えたとき、それらの店はサイゼリヤ以上か?そういったことを考えたらサイゼリヤのコストパフォーマンスは十分高い。そう考えていた僕には納得できる内容の一冊だった。
Posted by ブクログ
今では誰もが知っているサイゼリヤ。
その創業者「正垣泰彦」氏の学生時代から現在までを著者「山口芳生」氏が正垣氏にインタビューして書かれた本だ。
サイゼリヤは当初千葉の本八幡という街から始まった。
その頃はイタリアンという食べ物が全く知られていなく、パスタ(スパゲティ)といえばナポリタンぐらいしかない時代だったらしい。
そんな時代にお店を流行らせたのは、やはり「価格」だった。
最初は3割引に、そして5割、最後には7割引きの価格で提供したという。
目の前に流行りの八百屋さんがあり、列が出来ている建物の2階という入りにくい立地にも関わらず、次第にサイゼリヤへお客さんが入ってくるようになったという。
やはり、立地が悪いからお客さんが少ないんだと諦めるのではなく、どうやったらお客さんが入るのかを考え、工夫することがうまくいくコツだなと感じた。
そして、現在も創業時の価格で料理を提供しているということにも驚いた。
他店が増税などで値上げしていく中、サイゼリヤだけは価格をほとんど変えなかったという。
利益重視でなく、お客さんが喜ぶことを一番に考えているからこそ出来たことだなと感心した。
その安さから、サイゼリヤの料理は「安物」のイメージがついてしまっている。
ただ、他のお店でこのレベルの料理を出すなら倍以上の価格になっているのではないだろうか。
また、食べ方も、単品だけ頼むのではなく、オードブルからドルチェまで、コースを自分なりに選んで食べるということを推奨している。
そうすることで料理同士が引き立て合うらしいので、今度サイゼリヤに行く際は色々なメニューを食べてみようと思った。