あらすじ
第9回『ネット小説大賞』の受賞作。濡れ衣のネット炎上&逆転を描いたサスペンス! ウェディングプランナーとして充実した日々を送っていた藍原ひかる。ある日、トラブルだらけの披露宴に出くわし、騒ぎの収拾に手を貸した。――その後日。「#A原、死んで詫びろ」「#A原を許さない」ハンドメイド作家としてSNSで知名度のあった新婦の投稿から、瞬く間に式当日のずさんな対応が拡散され、なぜかその責任者として藍原の名前が挙がっていたのだ。悲劇のヒロインとして注目を浴びたい新婦、広がる炎上に愉悦感を覚えて火種を投下し続ける新婦友人、ゲーム感覚で藍原の個人情報を特定していくネット民。絶体絶命の窮地で、藍原が出会った弁護士・九印葉桜は彼女に“前代未聞の訴訟”を提案し……。怒濤の逆転劇が幕を開ける!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
私が、認知症のおじいさんに「この人に頭を叩かれた」と濡れ衣のクレームが入った時のことを思い出しました。当時の上司は、「叩かれることはあっても、叩いたりするようなやつじゃありません!」と怒鳴り返してくれました。怒鳴り返す対応が正しいかどうかは別ですが、確実に心は救われました。佐々木さんの手紙に、少しだけダブらせてもらいました。
Posted by ブクログ
数多くの炎上案件がSNSを騒がせている昨今ですが、その多くは当事者ではない周囲の人間の「正義感」や「怒りのはけ口(ストレス発散)」、「承認欲求」によるものでしょう。
特別な悪意からではなくとも、自分の投稿が炎上に火種として大きく成長してゆく様に快感を覚える姿や、自分の怒りを持続させるために認知(記憶)を自分の都合の良い形に歪曲してゆく様子はリアリティがありましたし、人間の「弱さ」が描かれているように思います。
本作の主人公は、「勘違い」と会社の「保身」のために炎上の被害者となりました。追い詰められていく過程も現実的でしたし、見ず知らずの他者から悪意を向けられる恐怖は尋常ではないものがあったろうと思います。
もちろん小説ですから、主人公を助けてくれる登場人物がいることで救われる部分があるのですが、現実ではこのようにうまくいかないこともあるでしょう。
エンタメ作品として楽しめることに加え、現在のSNSとの付き合い方(情報化社会での身の処し方)や、働き方(仕事との向き合い方)など、色々と考えることができる作品でした。
Posted by ブクログ
前半部はよくある展開だった。トラブルがSNSにばら撒かれ、ネットユーザーたちを巻き込んで拡大していく。ここまでは正直、その辺に転がっている話で面白みも何もなかった。
だが後半に至り、逆転が起こる。ネットの炎上に対して主人公の周囲の友人たちが、信頼できる人間たちが立ち向かう様に熱くなった。そして明らかになっていく「炎上」、その「火元」の正体にはため息が漏れた。
何もかもがインスタントになり、情報が「ネタ」として消費される時代になったからこそ、分からなくなりがちだが、デジタルの海の向こうには「ひと」がいて暮らしを営んでいる。そうした事を忘れずにいたい。
この物語には、辛辣だが真摯で、熱い眼差しがある。
Posted by ブクログ
仕事できない人のフォローをしていたはずが、予想通り事故になり、いつの間にか諸悪の根元扱いされてネット大炎上するまでが速い!ドキドキしながら読みきった。
できれば最後、本当の加害者をぶちのめすところまで書いてほしかった!
私の結婚式のプランナーさんも仕事できないタイプの人だったことを思いだし、苦々しい気持ちを思いだして嫌だった。あー!ずっと忘れてたのに!
これから式を挙げる方々へのアドバイスとしては、おや?が続いたら我慢せずに担当交代をお願いしたほうがよいということ。
お祝い事だし、担当交代なんてケチがついたようで言い出しにくく我慢してしまったが、結局準備から当日までおや?が続き、この人仕事できない人だわと諦めたのだった。
Posted by ブクログ
一気読みでした
美濃みたいな社員居ますね
当の本人は何も感じてなくて
周りの者が振り回されて疲弊する
会社も何もしてくれない
お客様はクレーマーとなり
でも、炎上しても負けません!
仲間もいるし
会社はもう少し痛い目にあわせたかったな
Posted by ブクログ
一気に読みました。
まあ、想定通りの流れでしたが、
炎上したのが完全に被害者だったので
感情移入しやすかった。
ただし、もう少し裁判シーンで
やり込めるところを見たかったと感じたので
星4つとさせていただきました。
Posted by ブクログ
とにかく許せない!って気持ちが沢山湧き起こる作品です。特にプランナーの美濃という男。こんな人間は現実にも中々いないんじゃないかと思いますし、終盤にいくにつれ、ホントに恐ろしさすら感じました…こういう悪人に対して、九印先生のような正義の弁護士がいて、ホントにカッコよく描かれていて良かったです。現実に炎上というのは沢山起きてますが、当事者になってしまった時の怖さがとてもよく分かる作品でした。