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Posted by ブクログ
「のばらのいえ」で育った祐希と紘果の物語。
のばらのいえは、困っている母と子を救うという施設なのだけれど、
話を追う中で、真相が明らかになっていき、その真相が読んでいてとてもつらい。
でも、志道のような、悪意なく?対外的には善い人のふりをして搾取してくる人間っているので、
そのリアリティを含めて心に残る小説だった。
リアリティで言えば、悪い大人もいれば、
良い大人も少ないながらいて、
春日先生やホープ・フーズの先代社長の言葉が胸にしみた。
『生き延びる』『生きていく』そのメッセージが強い。
それと子供にいろいろと背負わせてしまう問題点も。
物語の本筋以外では、
自炊とは調理することだけじゃなくて、
食材を買ったり余ったものを使ったりのサイクルが肝だいう部分(142ページ)がその通りだな〜と思った。
Posted by ブクログ
人が人を愛するのに、ここまで献身できるものなのか。
愛する人が幸せになるのなら、自分が犠牲になれば良いと思えるのか。
最初は苦手に感じた紘果が、最後には愛おしく不憫でしょうがなかった。と同時に志道さんへの怒りを覚えた。こいつがいなければ、紘果はもう少し早く幸せなることができたと。
志道さんのやっていることは、傍から見れば慈善事業で、少なくとも助かる人達がいる。
私はこういう事業を行う人たちは、何となく心の清らかな人なのだろうと思っていたのだが、志道さんは絶対違う。
自分が庇護してやっている、だから自分は何をしても良いんだと言う感覚だったんだろう。
祐希が「のばらの家」に戻り、過去から現在進行形で起きているやばさ極まる出来事が白日のもとに曝され、物語はいわゆるハッピーエンドで終わる。
祐希が紘果の本当の気持ちに気づかなかったり、紘果の決心がなければ、ずっと紘果は「のばらの家」に囚われたままだっただろうと思うと恐ろしい。
誰かの人生を自分が思うようにできるなんて決して思ってはいけない。
Posted by ブクログ
短いのですぐ読み切れた。
行き場のない母子の為の施設「のばらのいえ」の話。
主人公がすごく芯が強くて、弱さを見せられないようなところが切なかった。
英輔と共に歩んでほしかったなー。
Posted by ブクログ
冒頭から不穏な雰囲気で、続きが気になってどんどん読んでしまった。あの火事は、仕組まれた火事だったのか?
ずっと救いたいと思っていた相手や、重荷に感じていた相手に、実は守られていたんだなぁ。