【感想・ネタバレ】マーケティング思考 業績を伸ばし続けるチームが本当にやっていることのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

読みたかった山口さんの書籍がAudibleでレコメンされたので事前情報なく試し聴きしたら、マーケティングの基礎用語から22年までの最新ワードまでバランスよく解説されていて驚いた。

この手のタイトルは、抽象度が高すぎて実務に反映しにくかったり、逆に用語解説の浅さに留まりがちだけど、本書は経営層にも実務担当者にも響く内容で、その絶妙なバランス感覚に脱帽。良書である。

日本企業におけるマーケティング部門の立ち位置がその企業の「体を成す」ことがある。営業部の上位にあればマーケティング戦略あっての営業となるし、並列であれば営業の声を具現化すべく商品・サービス開発から協力しているだろうし、営業の下であれば営業支援ツール制作を裏方であるかもしれない。なければマーケを軽視している(それでも食べていけるポジションに居る)か、そのフェーズにない「駆け出し段階」と言える。広報部がなければマーケティング部が事実上、広報と考えて良いだろう。米国かぶれのマーケッターが「営業部の上位に置くべき!」とポジショントークを展開するのはよく目にする光景だ。

しかし本書はそもそもマーケティングを「部門に切り分けること」から違和感を唱える。なぜならマーケティングは商品開発から販売、販売後のフォローまでの顧客とのあらゆる接点、活動を包含するからだ。顧客に商品価値を売ることが企業とするなら、それは「経営」そのものだ、という考え。
その通りだ。マーケティングに限らないけど、経営全体からの視点で職務に当たれる人はどの部署に配属していても有力な経営幹部候補だ。

本書は「マーケティング思考」でプロダクトの開発からプロダクト・マーケット・フィット(PMF)、市場衰退といったフェーズ別の動き方や人材育成、予算配分まで解説されており、まさに「経営の教科書」と言える。マーケティング部門から経営者に上り詰めたい人にはぜひオススメ。精読してマスターしたい一冊。

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2023年08月13日

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