あらすじ
スキャンダルによって落ち目となったアナウンサーと、バラエティー番組の若手ディレクターらが連続殺人事件の冤罪疑惑を追う中で…大きな話題を呼んだドラマ脚本を完全収録。
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Posted by ブクログ
久々に一気見したドラマで。
シナリオやノベライズが出るなら買おうと思っていたので、嬉しかった。
この作品で惹かれたのは、冤罪とメディアの関係の部分では、多分ない。
もちろん、それも見たくなる要素ではあったけど。
恵那と拓朗という人が、自分の中の真実や正義に忠実でいたい気持ちに反して、それを飲み込んだり、巧みにならざるを得ない姿と。
そのことが、人の身体そのものを蝕むことに、妙に共感したからだった。
「会食って、なんなんだろね。なんでみんな仕事の話と食事を一緒にしたがるんだろ。そもそもランチって会社員が唯一ひとりになれる時間なのにさあ……」
第一話の恵那のセリフに、あらためてハッとする。
仕事場での食事は、味わうための場ではない。
でも、だから、食べられなくなった恵那が、拓朗と向かい合ったときに再び食べられるようになるシーンにも、感動した。
「君はこんな小手先のテクなんかマスターしなくていいんだよ。普通に正しく生きてればいいの。いい人間になれば、勝手にいい声になるんだよ」
第二話で、一番好きなセリフ。
言葉ではなく。自分だけが持っている、声。
普通に正しく生きる、が、この先の二人にとってはある種の呪いにもなるわけだが。
生き方で、身体は変わる。声も変わる。
こういう人の身体へのクローズアップが、本当に上手い作品だった。
巻末の対談も、すごく良かった。