あらすじ
「可愛い声で啼く――その声をもっと聞かせろ」
公爵令嬢ディアーヌは王子リュシアンとの婚約直前に、この世界を描いた小説を愛読していた前世を思い出す。このままでは自分もリュシアンも悲劇となる設定に気付き、それを避けるべく婚約破棄を申し出た彼女に、リュシアンは興味を持ち熱く迫ってくる。「可愛いな、可愛い、私のディアーヌ」大好きな彼に蕩けるように愛され流される日々。ディアーヌは前世の知識で悲劇を回避しようとするが!?
書き下ろし番外編も収録!
※こちらの作品にはイラストが収録されています。
尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
タイトルに女嫌いとあるが、リュシアンにその気配は少なかったような。
そもそも原作小説の段階で妻とは穏やかな関係を築いていたようだし。
初対面からあっさりディアーヌの唇を奪っているのだから、寧ろ手は早い方だ。
彼の性格へのツッコミはさておき、原作の悲劇をどう回避するのか、その駆け引きが面白かった。
何しろラスボスの宰相が手強かったので。
異世界転生ではあるが、異世界(ファンタジー世界)から異世界(そのファンタジー世界の過去を舞台とした小説世界)への転生なので、現代日本の知識が役立つ話ではない。
ただ小説の内容を知っているから未来が分かる、それで何とか悲劇を回避しようとするお話。
感覚としては未来を変えるために過去の別人として転生したという感じ。
ただディアーヌはあくまで非力な一人の女性だ。
彼女のできることは助言程度で、彼女自身ももどかしい状態。
それに何故か宰相はこちらの更に先を読んでくる。
既に原作小説から話が変わってきても、こちらに有利に働かない。
何故?
その答えは終盤に。
とにかく宰相が強いし、主役二人は何度も危機的状況に陥る。
その合間の睦み合いは甘々なのだが、全く予断を許さない状態。
何とか第一王子を退けても(あの採択の場面は胸熱だった)今度は戦争へと発展。
そこからの鮮やかな逆転、お見事でした。
幸せで国も発展するエンドで本当によかったです。
作中度々ハラハラしたので。