【感想・ネタバレ】藍色ちくちく 魔女の菱刺し工房のレビュー

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Posted by ブクログ

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面白かったー!知らないことを知るのは楽しい。
民藝、日本各地の産物、青森出身の作者ならでは。本として作品を紹介し残していく。日本の伝統工芸、大切にしたい。

とても温かい話で、まさかなところでうるっとくる。
青森弁が分からなすぎるのも雰囲気出て良い!

菱刺し、綿が育ちにくく寒冷地。法律で農民は麻しか着られなかった時代に厳しい環境を生き抜く知恵、保温効果を高めた菱刺しは、うつくしさの中に重みと強さがある。布の目を塞ぐ。一刺し一刺し愛する家族を守るため。命が繋がるならやる、シンプル。生きるって案外シンプル。 p.218

雨宿りした公民館で出会った菱刺し、進路に悩む綾は出会ったことで人間性まで変わる。それに関わる人々の苦悩と菱刺しの時間の穏やかさと。人々の悩みは昔も今も少なくない。ただ一刺し一刺し進める時間は数を数えて穏やかに、気持ちの波も静まる。

マーサが、真麻で、亡くなってしまった、孫息子の彼女で。引きこもっていた6年間は、ばあちゃんの作品を引き続き仕上げる、指揮を取ることで外の世界と繋がりを持てた。菱刺しが人を繋いでくれる。

菱刺し(青森南部)は偶数の布目を拾い
昔からカラフル、今はくすみカラーが流行り
横長で大らかな雰囲気

こぎん刺し(津軽地方)は奇数目を拾う刺し子
キリッとした雰囲気、糸の色も増えてカラフル、昔は藍色の布に白糸一択

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2023年08月17日

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『心安らぐ菱刺しに魅せられて…チーム菱刺し工房』

より子さんが教える菱刺し工房に集う仲間たち
各々、悩みを抱えながらも、居心地の良い工房で菱刺しに没頭する中で、光明を見出していく。
こんな素敵な居場所があったらいいな…

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2023年02月19日

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素敵な作品だった。
南部菱刺しに取り組む人々の小さくて確かな再生と、彼・彼女らが集まる工房主のより子さんの生きてきた思い出。
人の繋がりや思い出の優しさと温かさと切なさが菱刺しの模様のようにふと浮かび上がって、その度に泣きそうになりながら読んだ。
本当に素敵な作品だった。

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2023年12月05日

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投げやりな感じの高校生が、ちくちくを知ったら、所作まで変わった!って、おとぎ話すぎて、読みながら涙が出てきました。
出てくる人みんないい人すぎる。
ちくちくを見に行きたくなりました。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

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【収録作品】魔女の菱刺し工房/今日の佳き日の矢羽根/ひょうたん/真麻の聴色(ユルシイロ)

より子の菱刺し工房を軸に、そこに関わる人たちの姿とより子の来し方を描いている。

「魔女の菱刺し工房」 やりたいことがなく漫然と日々を過ごしている高2の綾。ブログで知った菱刺しの作品を公民館で見かけたことをきっかけに、より子の菱刺し工房に出入りするようになる。/より子は、菱刺しに夢中になっていった日々を思い出す。
「今日の佳き日の矢羽根」 綾に工房を教えた結菜は、結婚を控えている。結婚準備を進めているなか、些細なことで父親と行き違ってしまい、気まずいまま結婚式を迎える。/より子は結婚したときのことを思い出す。矢羽根柄は出戻らないという意味があるとのこと。
「ひょうたん」 母子家庭で育った香織は、菱刺しが得意な母に教わって菱刺しをするようになった。その母の認知症が進み、施設に預けるが、食が進まず悩んでいた。/より子は、戦友ともいえる義姉と共に舅の介護をした日々を思い出す。
「真麻の聴色」 聴色は、くすんだピンク色。亮平が引きこもりになった経緯が語られる。

何気ないひとつひとつの話が語られるテンポがいい。こういう工房のような場所をもっていると息をしやすい気がする。菱刺しにも興味が湧いた。手芸品は作る過程を味わうものと考えると、うまさとか目的なんて二の次でいいのかもしれない。

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2023年04月14日

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