あらすじ
「日本共産党が党首公選を実施すれば日本の政治がマシになる」
日本の主要政党で党首公選が行われていないのは、共産党と公明党のみである。
約半世紀にわたり、共産党員として活動し、政策委員会で安保外交部長を務めたこともある著者が、なぜ、党員による投票が可能な党首公選制を訴え、自ら立候補を宣言するのか?
そして、持論である安保・防衛政策についての転換を公約に掲げる理由とは。
第一章 なぜ党員投票による党首選挙を求めるのか
1 政策その他で重要な違いがある
2 党首公選が共産党にとって必要な理由
3 党首公選が党の自己改革を促していく
第二章 私には立候補する資格がある
1 共産党内の異論の存在を私は体現している
2 実践を通じて共産党と私の溝は埋まった!?
3 安保・自衛隊問題で論争のないことが混迷を生んでいる
第三章 野党共闘を魅力化する安保・防衛政策へ
1 「核抑止抜きの専守防衛」を共産党の基本政策とする
2 野党共闘を魅力あるものとするために
3 台湾有事に日本はどう臨むべきか
4 政党と個人・市民団体のアプローチは異なる
第四章 国民との接点を広げるための三つの問題
1 「人間の顔をした資本主義」を提唱する
2 「左側の自民党」をめざすべきだ
3 共産主義とは何かから日本共産党の名前を考える
終章 共産党の安保・自衛隊・憲法論を深掘りする
1 私の提案は綱領と大会決議の枠内である
2 私の提案は綱領の帝国主義規定の延長線上にある
3 「自衛隊=対米従属軍隊」論をめぐって
4 共産主義の理想は非軍事だが政策は自衛である
5 自衛隊をめぐる憲法問題をどう乗り越えるか
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
みなさんのコメントを読ませて頂きました。この本を読んだ党員はごくわずか。志位和夫が書記局長に突然、就任した時、志位和夫が何者か?だれもその存在を知らなかった。議員でもなく、出版物もないどころか、「赤旗新聞」でも志位和夫を名を見ることはなった。当時から理論的、実践的な力量に不安感をもつ党員は多くいた。私もその一人で、回りの党員も疑問視する声も多数いた。
松竹さん、鈴木さんの出版物は暗黙の了解で箝口令が行われ、先に書いたように多くの党員は読むことはしていない。
「しんぶん赤旗」のみ、除名の報道がされ、その後、各新聞報道、他党から疑問視に対して志位和夫は「日本共産党に対する攻撃。徹底的に闘う」などの対応繰り返した。さらに「除名問題」に関するパンフレットを各党支部に無理やり買わせ党員に圧力をかける暴挙にでた。
そもそも、志位和夫に対する指導力不足、党員の声、国民の声に背を向ける姿勢に対する批判の声が多数あり、「委員長を辞めるべきだ」と言う党員が圧倒的に多かったのだ。
松竹さん、鈴木さんの指摘に同意する党員がさらに増えれば、当然、志位和夫は党を離脱せざるを得ない。志位和夫は保身に走り、逃げまくっているに過ぎない。
志位和夫の寛大さのなさ、包容力のなさ、自己批判もしない姿勢が日本共産党の急激な衰退、国政選挙・地方選挙の大敗に現れている。
Posted by ブクログ
日本共産党の党首公選を求めて立ち上がったが除名された、ということがニュースに
なった著者の新書。
ニュースだけでは細かいことは分からなかったが、彼の主張がよくわかる内容。
そもそも日本共産党。志位和夫さん、小池晃さん、田村智子さん、山添拓さん。。
論客が多い。よく勉強して国会でも存在感がある。議員の質が高い。
ただ、、日本共産党、という単位になるとよくわからなくなる。
以前は比例区のためにすべての選挙区に立候補し野党の邪魔をしていた。
立憲民主との共闘でそれを改めたが、不発に終わる。
自衛隊をどうするのか、憲法9条をどうするのか、外交は、、、、
どこか独善的なイメージがある。
著者はそうした国民の不安を払拭すべく、党首公選にして、候補者が主張することを
訴えている。論点整理できれば国民も納得すると。
政権を与えるに足りる政党であるか否か判断してもらえると。
しかし共産党はそうしない。
集団で合議でトップを決め、異論は許さない。トップの考えが党の考え。
中国共産党と何ら変わらない。
これを変えようとした著者を除名にしてしまった。この新書が出た後だな。
こういうことをすると国民の共産党へのイメージは悪くなる。
党名を変え、普通の党であることを示さないと、浮動票は増えない。
公明党みたいに信者の投票だけでよければいいが、共産党は違うはず。
なんとももどかしい。最初に書いたようにいい議員がたくさんいるだけに。
残念だ。
Posted by ブクログ
松竹氏がこの本を上梓してから除名になるまで、記者会見の動画を通じてずっと共産党の言い分を追ってきた。志位委員長にしても小池書紀局長にしても穀田国対委員長にしても、何故あんなに歯切れが悪いのだろうと思っていたが、こうして問題の著書を読んでようやく理解できた。しきりに「外部からの攻撃」と表現していて、党首公選の訴えと『攻撃』という物騒な語がどうしても結びつかなかったが、結局は志位氏個人への批判とみなされたのだ。ここに日本共産党の限界を感じる。志位氏は会見で「共産党の党首には何の権限もないから誰が党首かは意味がない」と言っていたが大嘘だ。中共と同様にトップの独裁で上意下達的に物事が決まる体質であることが白日の下に晒された今となっては、今後共産党の党勢が回復することはないと断言できる。
松竹氏の提言する政策はどれも合理的かつ現実的であり、もしこういう政策を掲げる政党があれば是非支持したい。党幹部が言う通り、何人も結社の自由があるのだから氏が党首になって新党を立ち上げれば彼の思いは成就するのだが、最後まで復党を望んだ成行きを見ると、松竹氏にもそこまでの覚悟はないようだ。何だかんだ言って、松竹氏も党幹部も野党的ポジションが都合がいいのだろう。
共産党の在り方はどうでもいい話だが、日本政治のとるべき戦略提言書として星5つ。
Posted by ブクログ
この本で,この本が理由で除名したとしたら,共産党はあまりにも狭小なオワコン組織だと思う.
内部での意見の食い違いや,矛盾点について率直に表現された内容なのでは無いかと思う.
著者も書いている通り意見の違いを組織階級の枠を超えた議論と実践で総括,発展していく政党なら,「この程度の」差異で除名はないのでは無いかと.
軍事問題について,共産党の本来の立ち位置と現在の苦しいレトリック,その解決策など,大変興味深く読んだ.共産党の国防論がお花畑だと思う向きには是非読んで頂きたい.
で…やっぱり,すごく現実的な目標達成段階を設定しているのに,対右派の「ケンカ」に注力するばかりに本来の一歩一歩理解を得ながら前へ,という姿勢が全く見えない現在の戦い方がかなり残念,それを可視化した良書だと思う.
今からでも遅くは無い,田村智子さんは改めて党員の幅広い意見をオーブンな議論の俎上に上げ,世間に民主的な手続きがきちんと伝わる組織改革と,歩み寄りを求めたい.
Posted by ブクログ
党の方針と違う主張を、外に向かってやったんで、あんた除名な、と言われた人。
「日本共産党が党首公選を実施すれば日本の政治がマシになる」
と言う内容。
ご本人も、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、と言ってるくらいたられば論だと考えてはいるようなのだが、風が吹いたって、儲からない桶屋の方が多いんじゃねの、と思わせる内容。
内容が素晴らしいから星四つというより、如何に、共産党の方が、純粋で、理論家で、現実を全くわからない人達だっていうことがくっきりと見えてくる本だと思った。
共産主義という原理原則さえ、実はこうなんだ、ぼくの思う共産主義とはこうなんだって、原理主義的にテロ、内ゲバ繰り返してきた組織だよ。
あんまり誰にも相手にされないから、いや実はこうなんだ、こうすればいいよ、こうやったら受け入れられると思うよって、みんながぼくのいうことを聞いてくれないのは、ぼくが間違ってるのでなくて、時代とか環境が違うとか、確かに少し過激だってよねとかっていってる程度。
で、受け入れてもらった後は、「民主集中制」でしょ。最終的にどこに持って行こうとするのか、その、「手段」のためには猫も被るよって事にしか見えませんなあ。
そもそも、目的が、「野党連合」に入れてもらって、政権の一翼を担うためってはっきり言ってるから。
軒を貸してくれよ、母屋盗るからって聞こえるんですが。
安保については、非核4原則で、「核を使わせない」とか「核抑止力抜きの専守防衛」とか「ウクライナの専守防衛に学べる」とか何言ってるか分からない。
自衛隊の存在は憲法の精神に合致するが、9条違反は明確だという。そこをどうするかって、普通に考えれば、憲法9条違反ではない筈だから、解釈間違ってんじゃないのという結論になって然るべき。9条違反だ、という「原理原則」を守ろうするから変な結論になると思わないのかなあ。少なくとも、9条改憲考えるのが自然だと思う。
無理するから論理破綻するんだよ。
「ヨーロッパに人が共産主義という言葉を聞いてイメージするのは、現代においては、資本の横暴に対して住民が協力しあって対抗するような社会、支え合う社会というなものだろう。」
と、大真面目に言ってるので吹く。
Posted by ブクログ
野党の主張は選挙期間中以外は中々有権者に届きにくいし、有権者も関心を示さない。
そんな中で党首公選制の一点突破で耳目を集め、著書の専門である国防の持論を述べた本書はまずは目論見通りと言った所ではないだろうか。
国防論自体も自分を含めた日本人の微温的な、しかし現実的な国防感にマッチしていると思われ、共産党のベテラン党員(かもがわ出版の編集主幹なので関西のオピニオンリーダーでもあるだろうが)でこの主張が出て来た事はいい意味で裏切られた感を受けた。
党首公選制は議論が深まるのか?性の多様性を認めるのなら意見の多様性も認めなければならない。守るべき所は守り、変わるべき所は変わる。実は共産党にとって大きなチャンスが訪れているのかも知れない。
くまざわ書店阿倍野店にて購入。
Posted by ブクログ
共産党はどうして共産党の名称を変更しないのだろうか?
共産党の民主集中制はソビエト、中国の民主集中制とどう違うのだろうか?独裁体制を導く制度では無いのだろうか?
共産党の委員長が20年も継続している事は、中国共産党の習近平、総書記の長期独裁政権等に通っているのではないか?
共産党の政策に賛同できる部分も多く感じるだけにいろいろ疑問に思うことも多い。筆者の様々な活動の中から、今後の共産党に変化はあるのだろうか?それとも現場を継続していくことになるのだろうか?
Posted by ブクログ
日本の政治をマシなものにするなら、日本共産党をまず変えなければならない。本気せ政権を取りに行くために、筆者が考え抜いた国防論は、リアルであり、切実なものである。そして、正直、この本を書いて松竹氏を除名にする政党に未来はあるのかと落胆してしまった。