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Posted by ブクログ
朝鮮戦争時の北朝鮮、ロシア、中国の3国、特に3人のリーダーを通じた政治過程を詳細に描いた本。新書なのでタイトルが煽りすぎだが、ちゃんとした内容だったように思う。
朝鮮戦争時の西側の動きは「戦略の本質」に詳しいが、共産国側の動き、特に3国の壮絶な駆け引きがあったことはぜんぜん知らなかったし、1950年代の共産主義国の絶対的な序列(ソ連、スターリンが圧倒的に強い)とそれに挑戦する毛沢東と金日成との暗闘も非常に興味深い。
それにしてもスターリンは第二次世界大戦ではアメリカを何とか参戦させ、朝鮮戦争では中国を参戦させるなど交渉の手腕は尋常ではないことがよくわかる。一方で金日成の場当たり的な行動は後の北朝鮮の外交そのものであり、ここで醸成された文化が今もなお続いていることを思うと、恐ろしい。毛沢東はこの本に書かれている通り国力回復よりも個人の名声を優先させたことがこの本では批判されている。
こうして書くとこの3人のリーダーは市民や兵士の命はさして気にも留めていない点で共通しており、その観点からするとこの本のタイトルもうなずけるようにも思えてきました。