あらすじ
読書が大好きで元気いっぱいな中学生の女の子・月島雫は、図書貸出カードでよく見かける名前が頭から離れなかった。天沢聖司――全部私よりも先に読んでいる。そしてあるきっかけで出会った二人は次第に惹かれあう。だが、聖司は夢を叶えるため中学卒業と同時にイタリアへ旅立ってしまった。それから10年。雫は児童書の編集者として働きながら夢を追い続けていた。遠く離れたイタリアで奮闘する聖司を想い、自分を奮い立たせていたが……。柊あおいの不朽の名作に完全オリジナルの「10年後」の物語を加えた実写映画を小説化!
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Posted by ブクログ
聖司と雫の10年後。物語のその先がどうなっているのか、とても気になる内容だったので、この本が目に留まった時に読みたい!という衝動に駆られた。
そもそも、10年も会わずに電話や手紙だけのやりとりで続いていること事態、凄いことだと感じた。
現在は携帯があるので、簡単にやり取りができるが、2人は10年もの間、電話で声を聴き、手紙でお互いの状況報告をしていた。
私なら会いたいという気持ちが抑えられずに会いに行ってしまうだろうなと感じたが、ここは2人の精神面での強い繋がりがあったからこそ出来たことなのではないかと感じた。
2人とも夢があり、それに向かってひたむきに頑張る姿や、お互いを気持ちの拠り所として一生懸命毎日を生きる姿が素晴らしかった。
誰かがいるから頑張れる、それは世の中の多くの人が感じていることではないかと思った。家族や恋人、子どもという、自分にとって大きな存在がいるから頑張れることは当たり前なのかもしれないが、素敵なことだと感じた。
仕事で上手くいかない時、どうすれば良いか分からない時等、働く人が感じる葛藤や辛さも描かれていて、読みながら応援している自分がいた。
映画は観ていないが、2人の10年後を知ることができて満足の1冊だった。
Posted by ブクログ
ジブリの作品の中で「耳をすませば」が1番好きな私。その作品の10年後が映画になる、しかもノベライズも出ている、と知り、知りたいような、知りたくないような葛藤をしつつ、購入してしまった。
雫と聖司の10年後。2人の現在が、懐かしいエピソードを挟みつつ描かれている。
雫は分かるけれど、聖司がチェロというのは……。
なんだかいろいろ無理があるようにも思えたし、正直に言えば、この「続き」は知らなくてもいい気がした。
おそらくあの作品のファンならば、この「続き」のようなエピソードは、2人のその後として既に読者の心の中に描かれている気がするから。
私は、だけれど、この本を読んで、実写は見たくないなと思った。