【感想・ネタバレ】三陸海岸大津波のレビュー

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Posted by ブクログ

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本書で特に私の心を掴んだのは昭和8年の津波で家族の全てを失った牧野アイさん(当時尋常6年)の作文である。
無駄な表現を取り払い、目の前で起きた現象を淡々と描写するその文章は一見すると子供っぽくて単純にうつるかもしれない。
だが私はこれこそが本当に美しい文章だと思う。大袈裟なことを言わずとも、牧野さんのような真っ直ぐな言葉で、彼女の悲しさや絶望は十分すぎるほど伝わった。
 私たちは大人になるまでに多くの言葉に触れ、覚え、使う。そしてその過程で何故か必然性のない比喩や誇張をよく用いるようになる。しかし目の前で何が起きているか正確に掴み取り、そのまま表現することも大切だ。

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2022年08月10日

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著者は1971年に聞き取り調査を行い、2004年に第一版を出版し、次の世代に危険を警告している。後世に伝え、二度と同じような失敗をしてはいけないと思う。この本は教訓として読んでほしい一冊である。
福島第一原発は1959年に現地視察をおこなっている。もしこの調査時に著者と同様に過去起こった事実に耳をかしていれば福島第一原発のような惨事にはなっていなかったと残念に思う。

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2020年04月12日

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 先の震災後にも新たに注目されている三陸海岸を襲った大津波の記録です。書かれたのは昭和45年とあります。明治29年、昭和8年、昭和35年のチリ地震の津波について、丹念に地元を回り、生存者を訪ね歩いて書かれたものです。


 大津波の前兆があちこちで聞かれたようですが、今回の地震のときにはなかったのかとネットで検索してみました。やはり結果論が多いのかな、中には「私は予知夢をよく見ます」という怪しげなのもたくさんありました。


 それにしても三陸海岸というのはこの短い間に何度も壊滅的な打撃を受けて、人口のほとんどを失っていたとは驚きです。それでも海岸近くに家を建てるということは、それだけ魅力的な場所だということなのでしょうね。


 まだ復興は遅々として進んでいないようですが、それでも昔の津波の後、立派に復興してきた土地です。きっと未来は明るいだろうと思えてきます。


 これを読んで元気を出してほしいです。



 吉村氏の文章はたいへん読みやすく、分かりやすいです。それは事実をしっかり調べた上できちんと整理して書かれているからでしょう。優れた教師の授業を聞いているようです。

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2020年05月07日

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昭和45年発刊。明治29年、昭和8年の三陸海岸沖地震、昭和35年のチリ沖地震の大津波について書かれている。大津波の特徴、当時の発生や被害状況、三陸海岸に住む人々の作文などを紹介している。ただ回数を重ねるごとに被害は小さくなっているという記述があるので、大津波に対する恐怖心、警戒心を持たせる説得力を失ってしまうのが惜しい。

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

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田老地区の話が出てきた。
結局、東日本では防波堤を超えてきてしまった
いま、さらに高い防波堤を作ってる
厳しい自然にどこまで力勝負するのか、、、と思った。いや、でも、実際生活してるひとはそうするしかないのだけど

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2022年10月31日

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明治29年、昭和8年の大津波と、昭和35年チリ地震による津波が三陸沿岸にもたらした被害の記録と体験者の証言。
特に明治29年は大災害だったんだなあ…と言葉もない。
東日本大震災まで吉村さんが存命だったら、どんな言葉を残してくれたんだろう、と思わずにはいられなかった。
津波をあらわす方言の「よだ」の意味に、地域差が出たり時代を経て異なってくるのも興味深い。

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2022年01月20日

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