【感想・ネタバレ】三陸海岸大津波のレビュー

あらすじ

その時、沖合から不気味な大轟音が鳴り響いた――「ヨダだ!」大海嘯ともヨダとも呼ばれる大津波は、明治29年、昭和8年、昭和35年の3度にわたって三陸沿岸を襲った。平成23年、東日本大震災で東北を襲った巨大津波は「未曾有」ではなかったのだ。津波の前兆、海面から50メートルの高さまで上り家々をなぎ倒す海水、家族を亡くした嘆き、地方自治体の必死の闘い…生き延びた人々の貴重なインタビューや子どもたちの作文が伝える、忘れてはいけない歴史の真実。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本書で特に私の心を掴んだのは昭和8年の津波で家族の全てを失った牧野アイさん(当時尋常6年)の作文である。
無駄な表現を取り払い、目の前で起きた現象を淡々と描写するその文章は一見すると子供っぽくて単純にうつるかもしれない。だが私はこれこそが本当に美しい文章だと思う。大袈裟なことを言わずとも、牧野さんのような真っ直ぐな言葉で、彼女の悲しさや絶望は十分すぎるほど伝わった。
 私たちは大人になるまでに多くの言葉に触れ、覚え、使う。そしてその過程で何故か必然性のない比喩や誇張をよく用いるようになる。しかし目の前で何が起きているか正確に掴み取り、ありのままに表現することも大切だ。

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2022年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 先の震災後にも新たに注目されている三陸海岸を襲った大津波の記録です。書かれたのは昭和45年とあります。明治29年、昭和8年、昭和35年のチリ地震の津波について、丹念に地元を回り、生存者を訪ね歩いて書かれたものです。


 大津波の前兆があちこちで聞かれたようですが、今回の地震のときにはなかったのかとネットで検索してみました。やはり結果論が多いのかな、中には「私は予知夢をよく見ます」という怪しげなのもたくさんありました。


 それにしても三陸海岸というのはこの短い間に何度も壊滅的な打撃を受けて、人口のほとんどを失っていたとは驚きです。それでも海岸近くに家を建てるということは、それだけ魅力的な場所だということなのでしょうね。


 まだ復興は遅々として進んでいないようですが、それでも昔の津波の後、立派に復興してきた土地です。きっと未来は明るいだろうと思えてきます。


 これを読んで元気を出してほしいです。



 吉村氏の文章はたいへん読みやすく、分かりやすいです。それは事実をしっかり調べた上できちんと整理して書かれているからでしょう。優れた教師の授業を聞いているようです。

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2020年05月07日

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ネタバレ

昭和45年発刊。明治29年、昭和8年の三陸海岸沖地震、昭和35年のチリ沖地震の大津波について書かれている。大津波の特徴、当時の発生や被害状況、三陸海岸に住む人々の作文などを紹介している。ただ回数を重ねるごとに被害は小さくなっているという記述があるので、大津波に対する恐怖心、警戒心を持たせる説得力を失ってしまうのが惜しい。

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治29年、昭和8年、昭和35年の三陸海岸大津波の記録。
生存者の話、資料、絵画などを用いてありありと表現している。
大津波が来るたびに、人々はさまざまな工夫をしてきた、が、それでも東日本大震災では甚大な被害が生じた。

今後、どのように生きていくのか。その指針となると思う。

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2024年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

田老地区の話が出てきた。
結局、東日本では防波堤を超えてきてしまった
いま、さらに高い防波堤を作ってる
厳しい自然にどこまで力勝負するのか、、、と思った。いや、でも、実際生活してるひとはそうするしかないのだけど

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2022年10月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

明治29年、昭和8年の大津波と、昭和35年チリ地震による津波が三陸沿岸にもたらした被害の記録と体験者の証言。
特に明治29年は大災害だったんだなあ…と言葉もない。
東日本大震災まで吉村さんが存命だったら、どんな言葉を残してくれたんだろう、と思わずにはいられなかった。
津波をあらわす方言の「よだ」の意味に、地域差が出たり時代を経て異なってくるのも興味深い。

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2022年01月20日

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