【感想・ネタバレ】ベンダーロックイン DX時代のソフトウエア民主化革命 ~ The Punks From Andover ~のレビュー

あらすじ

デジタルプラットフォーム構築に立ちはだかる壁とは?
日本の製造業が抱えるジレンマを乗り越え、企業が生き抜くためのヒントがここにある!

DX時代に必要とされる新しいビジネスモデル
PLMシステムの提供を通じて培った、ソフトウエアのオープン化戦略や、顧客とのWin-Winを実現するサブスクリプションなど、成功へ導いた秘訣を公開

【目次】

はじめに 〜広がるPLMの可能性〜

第1章 製造業が抱えるジレンマ

日本の製造業が苦戦している理由
現場は複雑にからみ合っている
正しい情報を正しい人に伝える大切さ
設計情報管理の難しさ
トヨタ、ホンダ、日産は同じものをつくっているけれど……
モノづくりの世界は「システム」を「業務」に合わせる
クローズドイノベーションで進められるシステム構築
モノづくりの重心が変わってきた
モノではなくサービスを売るという世界

第2章 デジタルプラットフォーム構築の阻害要因

限定した範囲で利用されてきたPLMシステム
ベンダーロックインという沼
言葉はやわらかいが、実はかたいソフトウエア
アプリが頻繁にアップデートされるわけ
なぜPLMシステムでプロダクトのライフサイクル管理ができないのか
データの長期保存問題

第3章 「オープン」であるという文化

ソフトウエアの民主化
絶対王政の君主的なIT業界における民主化革命
「オープンであること」の強み
ローコードツールを使って何を目指すべきか?
システムシンキングでサービスを考える
ノウハウを公開することで情報は集まる
コネクティッドな世界に必要な根本思想
オープン化しても追随者は来ない?
オープンの力を信じる

第4章 カスタマーサクセスがつくる新たな世界

「満足」の持続がなくては終わるサブスクリプション
カスタマーサクセスとサブスクリプションモデル
ベンダーとの新しい付き合い方
サブスクリプションの会計的側面
スモールスタートで段階導入する
ソフトウエアは「やわからく」あるべき
カスタマー同士が「失敗談」を話しあえる場

第5章 持続的変革に向けて

集中と分散を繰り返してきたコンピュータ
システムシンキングで考えるバーチャルプロトタイプの実現
要件定義をしないシステム開発
持続的に変革できるシステムを目指して
事業視点で考える
ITをホワイトボックスにする手の内化

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Posted by ブクログ

Aras InnovatorのPRの部分が多かったが、PLM等の業務システムを導入するうえでの、考え方として参考になる部分はあった。
ベンダーロックインになりがちなシステム導入プロジェクトとその課題感には同意するが、それをArasがきれいに解決できているような内容については懐疑的。サブスもローコードも、まだまだ発展途上で課題も多いが、まるで銀の弾丸かのように語るのはだいぶポジショントークが入っていると感じた。

<為になった思想>
・モノづくりのプロセスは企業によって異なり、各社のコアコンピタンスとなっている。それを強化するのがPLMの導入目的なので、「業務にシステムを合わせる」構築方法となる。
※会計基準が標準化されているERPとは異なる。
・システム導入における事例やノウハウが他社に公開されないため、各社同じような失敗をする。オープンイノベーションが起こらない土壌。
・導入後の仕様変更や保守が、特定の会社しかできない状態になってしまう(ライセンス制約や仕様理解の関係上)。
・ソフトウェアやノウハウをオープンにすることで、ユーザー主体でソフトウェアの選択や仕様検討、課題の解決が可能となる。
・ライセンスの売り切りでなく、サブスクリプションによるサービス提供のほうが、少なくとも顧客にはメリットが大きい
・業務の改善に合わせてシステムをフレキシブルに変えていくためには、ローコードプラットフォームのような改修を容易化する仕組みが必要

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2024年08月03日

Posted by ブクログ

仕事に少し関係があったので手に取った本。
主に筆者のPLM製品のArasに沿って書かれている。
現在の時代の流れは速く、製造業の製品は常に進化をしている。しかし、製造業の内部のシステムについては一度ウォーターホール式で構築したシステムを使い続けており、何も進化をしていない。時代の流れ、製品の進化に伴い、情報管理のプラットフォームも進化させていく必要がある。

現代の製造業はモノがインターネットにつながり、機械、電気の情報に加え、ソフトの情報も管理しないといけない。それらの情報を上流から下流まで関連するものをつなぎ合わせ、必要な時に、必要な人へ、簡単に情報を取り出せるようにしておかないと、時代に取り残されてしまう。デジタルスレッドの考えが重要で、それを実現するのがPLMである。

基幹システムとしてERP、SCM、PLMを企業でしっかりと構築することが、製造業の今後の生き残り戦略であると言っている。特にPLMは費用対効果が見えずらいため、後回しにされがちではあるが、今後エンジニアリングツールで作成されたデジタルデータを使用して、現実世界のふるまいをデジタルで再現できるようにする”デジタルツイン”が主流になってくるため、そこで利活用するデータをしっかりと管理しなければならず、その1の選択肢がPLMである。

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2023年02月23日

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