あらすじ
第5回ネット小説大賞のグランプリ受賞作
未来に起こることの確率が調べられるとしたら、あなたは何の確率を調べますか?
時代遅れの政略結婚で、好きでもない女性と夫婦になってしまった男性。
彼女との暮らしに苦痛を感じていた彼は、あるときから『妻を殺してもバレない確率』を調べるようになった。
確率は低いが、うまくいけばこの無意味な生活を終わらせられる……。『確率』が繋ぐ人と人との不思議な縁。
表題作以外にも「明日、世界が終わる確率」「あの子が同じ電車に乗ってくる確率」「彼が奥さんと別れる確率」
「娘に彼氏ができる確率」「空から女の子が降ってくる確率」「私が一生独身の確率」など、
読めば心が晴れやかになる7つの短編からなるオムニバス作品。
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Posted by ブクログ
文章はわかりやすい表現が多く読みやすかった。
全七編の短編から成る。
どの物語も温かい気持ちになる話になっていて、個人的に世界観と登場人物が結構好きだった。
特に「彼が奥さんと別れる確率」と「私が一生独身の確率」にそれぞれ出てくる高橋信吾と4人目の彼(名前不明)には恋に落ちてしまいそうになるぐらい魅力がたくさん詰まっていた。
基本的に心穏やかに読み進められるが、「彼が奥さんと別れる確率」は"既婚者を好きになってしまった女性"に対する苛つきは多少感じた。
また、全編少女漫画のような物語になっている。読んでいる途中で結末が予想できてしまうし、100分の1の確率が叶ってしまうような奇跡が起きるので、好き嫌いははっきり別れると思う。
プロローグが最後の物語と繋がっているのがとても良かった。完読後にプロローグに戻るとより面白いと思う。しかし、「【未来予測システム】のおかげで助けることができた」に関しての回収がなかったのが少しモヤモヤが残った。
文章に関して一冊を通して同じ表現の使用率が高く結構目についた。また、後半の脱字や重複した主語の使用が目立ち気になった。