あらすじ
孤独と自意識に揺れ、もがき、あらゆる決めつけに抗って生きる。
「異端の2.5次元俳優」が“穴”の中から見つめる、その先にあるものとは――?
舞台『刀剣乱舞』(山姥切長義役)など人気作品に多数出演する傍ら、鴻上尚史主宰の「虚構の劇団」に所属し役者としての高い実力と類稀な美貌で注目を集めている俳優・梅津瑞樹。いわゆる“2.5次元俳優”として日本テレビ系『ろくにんよれば町内会』へのレギュラー出演や『バケット』で食レポに挑戦するなど、TVバラエティでも活躍の場を広げている彼による初のコラム連載と書きおろし原稿を収めた随筆集。
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Posted by ブクログ
読み終えたのは3月上旬!買ってすぐ読んだ!超おもしろかった!
ちなみに購入を決めたのは「はじめに」の文章がおもしろかったから。爆笑しちゃったんだよね。確かにじゃがいもを生産者の見た目で選ぶことはないから。
似てるとかじゃないんだけど読みながらどことなく町田康とか又吉を思い出していた。つまり好きな系統。
「もの」「悟れ」「四畳半からの脱出」が特に好き。短編の「仙人」はめちゃくちゃ、唸るほどおもしろかった。「演劇の街」はゾッとした。
カミシモで好きになったゆえ彼に詳しいわけではなかったのだけど、「風呂無しの家に住んでたの!?」と知りインスタを遡ってみたり、「この人一日一食しか食べないのにUberで海鮮丼頼んで白米しか届かなかったんだ」と笑ってしまったりした(白米はYouTubeネタだけど)。梅津くんを知れる一冊になったなぁ。
Posted by ブクログ
舞台『刀剣乱舞』で梅津さんを知った。
SNSを追っている中で、彼の紡いでいる言葉がとても気になった。
140字でまるで一本の小説を読んだかのような心地になったり、語られていることが創作なのか現実なのか曖昧になったりする。
彼の言葉が持つ魅力に興味を抱き、どっぷりと浸かってみたいと思っていた。
今回の書籍で連載のコラムと書き下ろしの短編小説をまとめてくださり、とても嬉しい。
景色が浮かび上がってくるようなコラムの数々は、私の中に様々な気づきを与えてくれた。
何ヶ所にも付けた付箋を見返しては、やっぱり好きだなぁと実感する。
時折笑いをこぼしながら一気に読んだ。
短編小説もとても良かった。
コラムを読んでから小説を読むと、文章の独特な空気が小説にも現れているのが分かって嬉しくなった。
中でも好きだったのは『演劇の街』だ。
この小説は、人生を描いていると思った。
演出家というのは「世間の目」であり、それに沿って演技をしている街の人々は私たちだ。
プロンプ家の男は、私たち自身がより魅力的に演じようとする自意識のようなものなのではないか。
語り手の女は、それに振り回されているのだと思う。
誰しもが、人生という名の物語の演者であると思った。
読めて良かったと思う。
何らかの形で、また梅津さんの文章を読んでみたい。