あらすじ
知らず知らずにデジタル情報の虜(とりこ)に!
著者が精神科医になった頃、テレビゲームは楽しみと同時に癒しやなぐさめなどの効果があるものだった。それから25年余、社会は爆発的にデジタル化に突進。インターネットとスマホの驚異的普及は、生活をガラリと変えた。なかでも、スマホの衝撃は計り知れない。それによるコミュニケーションの形、人とのつきあい方の変容は、子どもから高齢者まで、どれほどの影響を受けているか。デジタルの恩恵は大きく、多分野に加速度的に拡大。もはや誰もがデジタルから離れられなくなっている現状に、精神科医として、どうしても悪影響や危険性、潜んでいる問題に言及しないわけにはいかない。そして、それらにどう対応すればいいのかを具体的に語る。デジタル漬けからリアルな自分を守る本!
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Posted by ブクログ
香山リカさんの『デジタル依存症の罠』を読み、現代人が直面しているネット社会の影について深く考えさせられました。
本書では、テクノストレスが「不安症」と「依存症」に分けられることや、SNS依存の深層にある心理メカニズム(投影性同一視や自我漏洩など)が精神分析の観点からわかりやすく解説されています。ICT教育の光と影(格差、知的な劣化、ネットいじめ)についても看過できない問題が指摘されています。
特に印象に残ったのは、シニア層における「悪性のデジタル依存症」への警鐘です。ネットの偏った情報や悪徳ビジネスに囚われやすくなった高齢者が、周囲を困らせ、自分をも苦しめてしまう。それを防ぐために著者は、「デジタルから離れる時間を作り、長年ともに生きてきた自分の体、住まい、地域、家族というリアルを信頼すること」の重要性を説いています。
ネットでどんなことがあろうと、実際に生きているのは「このリアルな空間のからだ」。
画面の向こうに囚われず、自分の頭で考え、現実の生活や五感を通したつながりを大切にしていきたい。デジタル漬けになりがちな現代において、立ち止まるための大切な気づきを与えてくれる一冊でした。
Posted by ブクログ
デジタル依存(主にSNS依存・スマホ依存)の実例が豊富で考えさせる。
どれも処方箋がほぼ無いのが悩ましい。とりわけ、ネットにハマってしまった中高年の例はどれも根本的な改善が難しく、ほぼ諦め一択になってしまう。
陰謀論、詐欺、宗教、ネットワークビジネス、ブラック企業などでも同じ構図があるが、一度「これは正しい」「これが真実だ」「これが普通だ」のように信じてしまうと、それ以外の情報が見え無くなったり、自分自身の思考や行動をメタに見れなくなってしまう。「確信」を持ってしまう。
こうしたときは、強制的に情報を遮断する、依存先を増やす(複数の情報源に当たる)、自分自身で気付けるように矛盾を論理的に解明する、絶対的信頼を持つ人からの助言など、幾つか改善策・打開策は浮かぶが、本人の抵抗にあう、時間がかかる、そもそも実現可能性が低いといった問題もあるため一筋縄に解決できるものでもない。
本書ではデジタルとまとまっているが、内容にAI利用はまだ(ほぼ)触れられていない。後半で一部扱われているが、今後はそこの部分が主要焦点となるだろう。