あらすじ
私たち、38歳。全てが順風満帆にすすんでいる、はずだった。
出産によって「マミートラック」に追いやられてしまった凛。
シングルマザーとして、発達障害の子供を抱え貧困から抜け出せずにいる響子。
週刊誌のサブデスクまで上り詰めがらも、不妊治療がうまくいかない美華。
月一回のランチ会で愚痴をこぼすことでストレスを解消していた私たち。
いつの間にか「本当の悩み」は避けるようになっていた―。
相手を見下すことでしか自分の人生を肯定できない「私」は心が汚れているのだろうか。
「女」、「妻」、「母」。
役割を背負わされ、反発しながらも生き抜く、三者三様の戦い。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
隣の家の芝生は青く見える。その人がどんな苦悩を抱えているか知ることもなく、他人を羨み、妬み、嫉妬し自分と比べて落ち込んだり憐憫したり。大学時代からの女友だち3人のそれぞれの生活は誰が幸せ?幸せの意味や、他人と比べることの愚かさ、そして生きる意味を考えさせられた一冊。というか、すごく良かった!3人がこれからどうなるのかハラハラしながら一気読み。
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「こんなはずじゃなかった」
彼女達の声にならない悲痛な叫びが何度も頭の中でこだました。
序章で描かれる卒業証書を持つ袴姿の女学生の姿が、かつての自分とリンクする。
あの頃は怖いものなんて何もなく未来に希望しかなかった。
年齢を重ねるうちに社会に蔓延る理不尽に気付き、仕事や結婚、出産、育児、躓くたびに努力で叶わない現実がある事を思い知らされた。
彼女達に襲い掛かる突然の病や子の発達障害。
一体誰がそんな未来を予想しただろう。
自らの心に潜む醜い感情に対峙しながらも精一杯生きる姿に共感し、そんな彼女達が愛おしくて堪らない。
Posted by ブクログ
大学のサークルで出会って意気投合した3人の女性たち。彼女たちが38歳となったときの、それぞれの人生を描いた作品だ。
1人は結婚・出産後育児休業中、1人はシングルマザーで奮闘中、1人は結婚後なかなか子供ができず悩んでいる。
そんな、仕事・結婚・子供に悩む姿を主軸に、現代を生きる女性が共通して抱える問題も取り上げられている。このあたりはさすがだなと思う。
前2作はミステリーだったが、本作にはそうした要素はあまりない。より幅広い読者に受け入れられるのではないだろうか。
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彼女たちのいる風景
水野梓さん
大学の同級生の親友。
三人三様。
それぞれの胸の内が赤裸々に描かれている。
隣の芝生は青く見える。
胸が痛くなる描写もあったけど、
おもしろかった。