【感想・ネタバレ】「挫折」というチカラ 人は折れたら折れただけ強くなる(マガジンハウス新書)のレビュー

あらすじ

原監督就任から5年後の2009年に33年ぶりに箱根駅伝出場、そして2015年には初の総合優勝。そこから2018年にかけて4連覇を果たし、2022年には大会新記録を更新して優勝するなど、今や押しも押されぬトップ校の仲間入りを果たした青山学院大学陸上部。その強さを支えているのは、これまでの栄光ではなく、選手たち自身の「挫折した体験」だと原監督は言います。また原監督の人生も挫折の連続。しかしその挫折を一つ一つ乗り越えてきたから「諦めない青学」が作られてきたのです。

不確定性が高まる世の中において、「挫折」を体験したものだけが、折れない心、あきらめない姿勢、チャレンジする精神を手に入れられます。挫折こそが成功のもとなのです。

しかし今の日本社会は、失敗を許容しない風潮のため、社会全体が失敗を恐れ、挑戦することを避けてしまっているのが現状です。

『「挫折」を恐れる人間に挑戦はできません。
それにも関わらず、この社会には「挫折」が足りない。
いや、「挫折」する機会が圧倒的に足りないのです。』
そう語る原監督は、現代の「失敗させない」「失敗を避け挑戦をしない」風潮に苦言を呈します。

そこで本書では、挫折という体験の大切さと同時に、どうすればそこから再起して、さらに高みへとステップアップすることができるか、その思考法を紹介します。
原監督の哲学とともに、挫折を乗り越え、社会に出てからもたくましく成長し、結果を出している選手たちがどのように「折れない心」を作ってきたのかをインタビューし、そこに通底する考え、再起するための秘訣を考察しました。

「失敗が怖い」「自信がない」「すぐ諦めてしまう」
組織のしがらみの中、自分に失望し、次へのチャレンジに踏み出せないすべての人、人生の苦難に面している人、自分に自信がなくなっているすべての人に送る「挫折を乗り越えるヒント」です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

挫折・うまくいかない事を避けるかではなく、挫折した時にどういう気持ちでいればいいか、どう動けばいいかを考える、知る事が強さに繋がる。
努力が結果にすぐに結びつけばいいが、いつもそうはならない。タイムラグがあるから心折れずに頑張って継続していくことが大事というのは勉強と同じだと思った。
新しいことをやるのは批判もあるが、すぐに批判せずにとにかくやってみる、自分の軸に囚われすぎないことが大事だと改めて思った。

✨・挫折は柔軟な精神をつくる心のストレッチ
挫折とは相当の努力、コントロールしえない外圧、未達成の3つ
✨・波風立てなければ良い人だとは思われるが、そういう良い人に社会を変えられるとは思えません。
✨・できるだけわかりやすくしようと努力する事は良いこと、しかし物事の良し悪しを考える力を奪ってもいる
✨・成功した経験はその時の達成感だけでなく、失敗した時にまた戻ってきたいと思える引力を生み出してくれる
✨・落ち込む大きな失敗をした時、負けは負けと認め次の目標に向けて早くスタートを切る、苦しみから逃げてはいけない。
✨・努力は裏切らないが成果が現れるまでタイムラグがある。多くの人が途中で辞めてしまうため、プロセスをしっかりみて評価してあげることが大事。
✨・同じ言葉でも相手の状況によって伝わり方は異なる。今日言ったことがすぐに伝わらなくてもいい。
✨・チームのレベルが低い時は全員同じメニューをこなすことも有効。レベルが上がってからは同じだと成長の限界がくる。
✨・意見が違うからとイタズラに批判はいけない。異なる意見を尊重した上で話し合うことで妥協点を見つける、それが本当に組織を変えるということ。
✨・インプットするためには逆にアウトプットすることが1番役に立つ。聞いた話を人に話すには自分が一回咀嚼していないとうまくできない。
✨・部下が自分より能力がある時にどう指示するか。自分が真摯に努力する姿を見せる方が人を動かせる。
✨・悩むくらいなら全部変えればいい、ダメなら戻せばいい。責任を恐れて新しい方法を試すことをさまたげない
✨・会社が無価値と判断しても己の価値は決まらない。大切なのは自分に価値がないと思い込まない。
✨・自慢は自己肯定の確認作業。自慢話はその人の強みは何かということを明確化することにつながる
✨・誰もが最初は未経験だから、新しいことに挑戦することを恐れる必要はない、経験のなさを突っ込まれても当たり前と強い気持ちで臨もう
✨・自分たちの理念とは何か。外から何を言われようと覚悟を持ってそれを通す強さを持つこと。
✨・監督はチームの指揮官、選手はプレイヤー。監督が謝るべきでないところで頭を下げるとチーム内の序列が崩れる。

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2024年03月20日

Posted by ブクログ

目標に真剣に向き合っている姿が、周りを変えていく。お前がまとめようとしてまとまったチームが強いんじゃなくて、自身が目標に向かって努力をしている後ろ姿を見て、自然と頑張ろうと思えるチームのほうがまとまっている。
人間の能力に大きな差はない。あるとすれば、熱意の差だ。

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2022年12月17日

Posted by ブクログ

原晋監督と直接お会いしたことはないが、
その裏表の感じられないストレートなメッセージが、直接、私に語りかけられているかのように
とても、刺さる。

原晋監督の考えかたの大きな特徴として、
「失敗」と「挫折」を明確に区別していることが挙げられる。
「失敗」は避けるべきだが、「挫折」こそ糧になるものであり人を成長させる大切なプロセスだ、
と繰り返し言い続けている。
原晋監督自身の挫折経験を踏まえても、
監督として学生たちの成長を見守ってきた観点からも、
ますます確信を深めている様子が伝わってくる。

私自身は、
挫折も大き過ぎると立ち直れないこともある、
と今でも思っているが、原晋監督は、
「ポキッと折れてしまわないようにフォローすることが指導者の務め」
だと述べ、その上でなお人生における挫折経験の重要性を伝え続けている。

実際に監督から指導を受けてきた選手たちへのインタビューも掲載されていて、
原晋監督がいかによく心を配り、それぞれの選手たちと向き合い続けてきたかが伝わってきた。

正直、原晋監督が勧めることが
万人にとって「そのまま活用できる」ことだとは思わなかった。
原晋監督のもとで修行させてもらえる立場なら、それも可能かもしれないが、
実際に、このような心配りができる指導者が世の中には少ないのが実情だろうし、
そういう環境の中では原晋監督のメッセージに後押しされて動いたとしても続けられなくなる可能性が充分高い、と感じた。

・・・とはいえ、
よくある「成功法則ビジネス書」の類に見られるような
辟易するような“成功自慢”臭さは少しも感じなかった。
まるで少年のような、しかし全体を俯瞰する冷静さも兼ね備えた原晋監督の澄んだ眼差しが
読者を晴れ晴れとした気持ちにさせてくれることは間違いない、と感じた(余程ひねくれた心理状態の人には響かないかもしれないが、そのような人は、そもそもこのタイトルの本を手に取ることもしないだろうと思う)。

個人的には、冒頭から、
原晋監督が語る「挫折」の定義を読み、
「そうか自分は子どもの頃から何度となく挫折し続けてきたけど諦めずに今まで生きてきたんだ」
ということを実感し、
不意に泣かされてしまった。

生きていれば、非合理なことも苦しいことも、
自力ではどうすることもできないこともある。
そうした挫折をこそ糧にして、人は強くなっていくと信じて止まない原晋監督の言葉に励まされる人は多いことだろう、と思う。

私には到底、真似できないが、
このように今を生きている大人がいる世界に私もいる、ということが
とても心強く感じられた。

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2025年05月27日

Posted by ブクログ

原さんの広い視野での指導により、青学が力をつけて行った事がよくわかった。特に原さん自身が監督業以外の経験を積まれて貪欲に学ばれた成果が実っている。何事も広い視野で大義を持って取り組んでいく事の大切さを学んだ。

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2022年11月26日

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