あらすじ
目利きが伝える、大人のための日本美術入門!
【推薦】
こんなに自由で幅広で、しかも独自目線の漲(みなぎ)っている日本美術ガイドに触れたことがない!
──片山杜秀氏(政治学者、音楽評論家)
【内容】
「西洋美術と比べて、日本美術には馴染みがない」。
そう感じている日本人は少なくないだろう。
しかし、絵画、掛軸、彫刻、陶芸、漆芸など日本美術の深遠な世界を知らずして一生を終えるのは実にもったいない。
本書は世界的オークション会社クリスティーズの日本支社長である著者が、豊富な体験エピソードを交え、豪華絢爛な屏風から知る人ぞ知る現代美術まで、日本美術の真髄を紹介する。
知識をたっぷり吸収したら、本書を携え、美術館・博物館めぐりに出かけてみよう。
美意識が磨かれる、大人のための日本美術入門。
【目次】
はじめに
第一章 日本美術とは何か
第二章 日本美術の妙なる仕掛け
第三章 私が選ぶ一〇人のアーティスト
第四章 日本美術の死角 過小評価の作品たち
第五章 死ぬまでに見ておきたい日本美術一〇〇選
おわりに
【おもな内容】
◎誰が・どこでつくったかという視点
◎舶来文化と「日本の美」の関わり
◎日本人に愛されることで日本美術品となった異国の工芸品
◎西洋の審美眼により「発見」された日本美術
◎「道具」が和の美を醸成させた
◎骨董品と古美術品は違うのか?
◎日本美術「再発見」のキーパーソン1 近代化・国際化を成し遂げた岡倉天心
◎日本美術「再発見」のキーパーソン2 日常の生活道具に美を見出した柳宗悦
◎「割れた茶碗」なのに、なぜ高いのか?
◎日本美術は世界に通用する本物の教養
◎現代に生きる新工芸系アーティストたち
◎「怖さ」を帯びた大正時代の美人画
◎百五十メートルの移動のために一万キロを旅した《洛中洛外図》
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「日本人はアートを見る目が無い」という言葉をよく聞く、
この本を読んで感じたのは、そのような意見は「西洋的アートを深く知らない」であったり「お金に換算したがる人が世の中に多い」 といった見かたであって、決して本質ではない。 日本人は自分たちの歴史や価値観に自信を持ち、もっと日本の美を堂々と語ればいい、と深く感じた。
日本人にしか分からない感覚、視覚バランスであったり、聴覚であったり、触覚であったり、、
決して西洋的、または大陸的ではない独自の美意識を大切にしようと思う。
それをアートと呼ぶのか? クラフトと呼ぶのか? それは議論の中核ではない。
金額には換算できない、比べる対象の無い孤高の美学を大切にしよう。
そう、深く再認識した。
Posted by ブクログ
日本美術の定義について、つくった人の国籍にかかわらず、つくられた場所で判断される視点がある
外国人がつくったものでも、日本的な技法や感性を受け継いだ作品は日本美術
和の美の中には味という要素がある
柳宗悦は、用と美をつなげた人
物理的には目の前に見えていないものを見る
いかなる古美術も、制作されたときは現代美術
直前に読んだ松岡正剛の『日本文化の核心』とつながるところが多数。
解説も真摯で審美眼を感じる。
でもやはり、自分の目で見て肌で感じないといけないと強く感じた。
Posted by ブクログ
日本礼賛の匂いはするが、西洋美術偏重(特に若い頃は)の現状からはしかたがない。
わかりやすいし軽く読める。ただ1点、作品の写真が25パーセント位しか載ってない。しかも白黒。
資料集かネットで調べならでないと、が、➖⭐️。
同筆者の美意識の値段も読んでみたい。
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 日本美術とは何か
第2章 日本美術の妙なる仕掛け
第3章 私が選ぶ10人のアーティスト
第4章 日本美術の死角、過小評価の作品たち
第5章 死ぬまでに見ておきたい日本美術100選
<内容>
世界的なオークションの会社、クリスティーズジャパンの代表取締役による、日本美術の指南書。美術史家や学者とは違う視点から、日本美術が紹介される。それは、外国人の見る日本美術への視点、外国文化を和様化すること、写実を超えるリアリティやアシンメトリーの美、道具などとして使用した経年変化など。さらに明治期の「超絶技巧」なども評価されているところがうれしかった。