あらすじ
これからの世界を生きる、すべての日本人へ!
バカ正直では、世界で勝てない。
日本代表のマエストロ(指揮者)が明かす、
勝利への抜け道。
歴代日本代表監督が指摘し続けた
日本人に足りない「ずる賢さ」の正体。
「日本人は車が来ないのに赤信号を渡らない」フィリップ・トルシエ
「勝つためにずる賢くなれ」
イビチャ・オシム
「日本にはマリッツィア(イタリア語のマリーシア)が足りない」
アルベルト・ザ ッケローニ
「日本人にはピカルディア(スペイン語の抜け目なさ)がない」ハビエル・アギーレ
「日本にマラン(フランス語のマリーシア)を植えつけたい」ヴァヒド・ハリルホ ジッチ
※「マリーシア」:「ずる賢さ」を意味するポルトガル語
1章 「ずる賢さ」こそ最強の武器
無名の落ちこぼれが「ずる賢さ」で成り上がった
ピッチ上では「役者」になれ
努力してないフリで差をつける
人の努力量から未来を計算し、サンプルにする
チームメイトはあえて褒めて油断させる
「家族」がやられたら、やり返すのは当たり前
大学時代に自分に課した「恋愛禁止」
食事会で言われた「こんなおもろない大阪人、おるんや」
三笘薫を止める方法
「見えていないフリ」をして逆を突く
ビルドアップは正確なトラップができれば余裕
わざと「ダメ選手」のフリをする
スルーパスは目線と体の向きで「騙す」
2章 「ずる賢さ」を自己管理に使う
悪ガキのセルフコントロール術
「自分ツッコミ」で人生は変わる
ここぞという場面で緊張しない方法
W杯最終予選でさえ緊張しなかった理由
オーストラリア戦前日の話し合い
W杯で気をつけるべき注意点
フェネルバフチェ移籍破断の真相
スポルティング移籍を巡る大混乱
「リトル本田」VS「リトル守田」
3章 自分を捨てないために、学びは捨てる
「学び」は使い捨て
いらない情報は聞き流す
聞いてるフリして聞き流す
捨てたあと、本当にいらないのかを考え直す
「他の選手になったつもりでプレーする」という学習法
中村憲剛さんからのアドバイスでも自分で思考して判断する
ポルトガル移籍で気づいた、嫌いだった監督の真意
教えてもらった恩義は永遠
4章 川崎フロンターレが「ずる賢さ」を進化させた
自分の序列が一番下になる場所を選ぶ
練習参加で受けた衝撃「俺が一番下手や」
「止める・蹴る」基本の習得に2年間かかった
「止める・蹴る」は無意識にできるようになるまで磨く
憲剛さんが教えてくれた「あえて動かない」
フリーの概念を変える
5章 サッカーの「公式」をつくる
クレジットカードの16桁を暗記している
ポルトガルでピッチ上の監督になった
日本人の僕がポルトガル人DFに「サッカーの公式」を教える
状況A:相手が1トップと1トップ下でプレスをかけてきた場合
状況B:相手2トップが「出る役」と「絞る役」を交互にする場合
【方法1】アンカーが相手より先に中央のいい位置へ動く
【方法2】相手の読みを逆手に取り、アンカーが中央でターン
状況C:相手2トップが両方とも前に出てきた場合
状況D:相手が4-3-1-2でプレスに来た場合
心得1:きれいな三角形をつくらない
心得2:なるべくボールをピッチ中央に置く
心得3:マークの担当を決めさせない
心得4:こいつにボールを持たせたら危ないと思わせる
心得5:マークがどこまでついてくるか探る
6章 「ずる賢さ」の原点は中学時代
「デスマッチ」で磨かれたずる賢さ
発声練習で身についたコーチング力
返事をしなかったら罰走10周
中2であと一歩届かなかった全国
全国3位・涙の笑顔写真
仲間のセレッソ行きで芽生えた反骨心
兄から言われた「今すぐ高校辞めろ」
父からの言葉「その気になったら何でもできる」
父の背中
7章 あえての「ユルさ」が集中を作り出す
試合に負けたらファストフード爆食い
タバコに逃げるときもあった
親の仕送りでパチンコ
チーム一のはぐれ者と意気投合
他業界の友人からエネルギーをもらう
運転免許失効の教訓
8章 少し危険な「本番モード脳」の作り方
カフェインで脳をギンギンにする
集中しすぎると視界にモヤがかかる
練習でも勝負の日はカフェイン投入
氷で両脇や膝裏を冷やす
「お守り」になった母の涙
9章 日本サッカーの常識はヨーロッパでの非常識
日本ではなかった「足がつる」という感覚
スポルティングの強度が高い理由
3-4-2-1のプレスの約束事
攻撃時の非対称ローテーション
10章 日本サッカーの理想像
森保監督の柔軟なチームづくり
川崎スタイルで勝負できるか?
一流クラブを徹底的にコピーするのも手
11章 カタールW杯で日本が勝つ方法
ドイツ遠征で見えた日本の勝ちパターン
みんなで分析したドイツの弱点
ドイツが嫌いなのはカウンター
必ずグループステージを突破する
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
【守田英正をさらけ出した本】
惜しげもなく、自らの頭の中をクリアにさらけ出している。自らの這い上がり方、パスのもらい方、代表にはヒエラルキーがあるとか…わかりやすい言葉でポンポンとバスが飛んでくる。
いや、もしかしたら、すでにさらにその先に守田自身はいるのかもしれない。あえて、分かった気にさせられているだけなのかもしれない。
ずる賢いというより、抜け目がない、捉えどころがない。変化し続けられるのが守田英正の強みだとわかった。
ワールドカップで、守田が躍動する日が、世界を驚かせる日が楽しみだ。怪我だけはしませんように。カフェイン飲んで、最高のコンディションで本番の日を迎えて欲しい。
Posted by ブクログ
「自分ツッコミ」はめちゃくちゃ使えるテクニックだなと気づきを得た。
客観的に俯瞰的に、どこか他人事のように自分を外からツッコんでイジってみる。
それだけで、心が軽くなったり打開策が浮かんできたりすることは結構あるんじゃないだろうか。
また、「ずるがしこく競争して勝つ」という姿勢からも学びを得た。
「正々堂々」とか「真っ向勝負」とかも、もちろん結構なことなのだが、現実問題としてやっぱり勝たなければ楽しくない。
なんとなく今の日本は「勝敗をつけない」教育をしているように思うが、社会に出ればそこがバッチバチのの競争社会である。
勝ち負けには2つある。
まず身内の中で勝つこと。次に、外集団に勝つことだ。
まず身内の中で勝ち、メンバーに入らなければ、そもそも勝負の土俵に上がれないという厳しい現実がある。
厳しい体育会系の部活を経験している人間は自然とこの感覚を体得しているので、社会に出ても比較的適応できるような気がしている。
もっとふてぶてしくずる賢くクレバーに、ときにはグレーな手段を使ってでも上に登り詰めようと思える一冊でした。
Posted by ブクログ
表題につられて購入。そこまでサッカーに詳しくない人には難しいところもあったけど、全体を通してわかりやすい内容でした。ずる賢いをスキルとして認識、使用する考え方は確かに必要だなと思います。
Posted by ブクログ
なんとなく謎キャラだった守田の人間性がよくわかる。マリーシアのようなズル賢いプレーというよりは正統派な戦術論も多かった。W杯を観てから読むことをオススメする。
Posted by ブクログ
通底していると感じたのは、「自分で考える」ということ。監督の教えも、先輩の助言も聞きながら、じゃあ自分はどうするか、何が自分に合ってるかは自分で選択して決めていくことの大事さね。
あと自らに対する自信。「このプレーは得意」「自分は完全に止められる」やっぱり自信は大事だしそれがないと闘えないしこんな本も書けないよな。
大好きになりました。
さあ決戦だ。出てこいよ守田。
Posted by ブクログ
サッカー日本代表の守田選手の自伝的サッカー本。
ユース年代で特段、代表にも選ばれることのなかった
守田選手がどのようにしてプロや日本代表にまで
昇り詰めていったのか、その秘密が明かされています。
そのポイントは、守田流に言えば、
「ずる賢さ」にあるとのこと。
他の選手から隠れて練習する、
大学4年間は彼女を作らないと自分で決める、
など、自分なりの決め事をしっかりと全うしたことが
プロになれた原点のようです。
一方で、大学時代はタバコを吸っていたり、
あまり食事面には気を使っていなかったりと、
矛盾するユルさを持ち合わせているのが、
守田流というか、オリジナリティなのでしょう。
独特の考えを持った守田選手ですが、
プロを目指す人にとっては興味深い内容だと思います。