あらすじ
※PDF版をご希望の方は Gihyo Digital Publishing (https://gihyo.jp/dp/ebook/2022/978-4-297-13011-4)も合わせてご覧ください。
増えつづける国の借金,増大する税の負担,円安に伴うインフレ懸念などなど。「日本はこれからどうなってしまうんだろう?」「日本は財政破綻してしまうのではないか?」そんな雰囲気が漂う昨今ですが,森永康平先生によると,次のような答えになります。「国の借金は問題ありません」「銀行がお金を生み出しているんです」「税金は国の財源ではありません」「ハイパーインフレは起きません」え?本当なんでしょうか?本書は,MMT(現代貨幣理論)と呼ばれる考え方を基本として,経済アナリストである森永康平先生がこれらの疑問に答えてくれる本です。お金や銀行の成り立ちから,税金やインフレのしくみまで。森永先生の丁寧な説明とやさしいイラストで,わかりやすく解説していきます。
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Posted by ブクログ
説明は分かりやすいような気もするのだけれど、結局どういうことなのかいまいち掴みきれなかった(多分読解力不足)。どうやら「国の借金は問題ないらしいぞ」ってことは分かったような。MMTの本は読んでみたい。物語の中のことだけれど、大学の先生と学生という間柄だから仕方がないのかもしれないけれど、質問者中村くんに対してもう少しリスペクト多めでもよいのでは?と思ったのでした。
Posted by ブクログ
日本の国債は60年償還ルールがある。10年国債とは10年後から償還が始まる国債。
日銀は資本金1億円で政府が55%を所有。
レバノンは外貨建て国債で破綻した。国債で外貨を調達して輸入した。自国で生産するものがない。
民間は寿命があるため借金を返す必要があるが、政府にはない。
ロシア1998年、レバノン2020年、アルゼンチン2001年など、ギリシャ2002年など破綻している。いずれもドル建て、ユーロ建て国債。
借金が増えて困るのはインフレだけ。制限はインフレ率。
世界初の銀行はイタリアのサンジョルジュ銀行だが、信用創造はしなかった。
お金は物々交換から生まれたわけではない。信用貨幣論=信用から生まれた。
貸借関係であること=誰かの借金は誰かの資産。通貨単位。譲渡性がある。税金の支払いができる。
税金を取るのは政策目的を果たすため。貨幣価値を担保するため。
沖縄のB円は、納税を強制したために普及した。
モズラーの名刺。
南スーダンは2011年に独立した。南スーダンポンドがT流通している。
ペントアップディマンド=繰り越し需要。抑えられていた消費が爆発すること。アメリカは給付金でこれがおきた。日本は給付金が少ないのでどれほどあるか。
経済とはお金を使ったモノやサービスの流通全体を言う。
国の借金を国民一人当たり、と計算するのは意味がない。
ディマンドプルインフレとコストプッシュインフレの違い。デフレスパイラルという病が恐ろしい。
有効需要が生産力以下であればインフレにはならない。
インフレを測る物差し
CPI、コアCPI、コアコアCPI。前年同月比の変化率を算出している。消費税はすべて上昇する。
GDPギャップ=潜在GDPとの差を潜在GDPで割ったもの。マイナスなら需要が弱い。平均概念のGDPを使う。
GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP。コストプッシュインフレだとマイナスになることがある。
ジンバブエは最近でもインフレ率が高い。=生産できない。
ベネズエラ=2018年にハイパーインフレを起こした。国有化と物価統制で生産力が落ちた。
日本の戦後は、戦争中の国債発行ではなく生産力がないところに需要が起こったために起きた。
国債が増えても、日銀が金利をコントロールできるから金利の暴騰は起きない。
誰かの支出は誰かの所得。
中小企業の生産性は低い=中小企業白書=労働生産性が低い=一人当たりの利益が少ない、と同義。
中小企業がないと大企業の利益は成り立たない。部品を全部トヨタが作ったら、大きな利益は出ない。
MMTの議論の余地があるのは就業補償プログラム。
インフレを察知したときに政府支出を止めるまたは税金を上げることができるか。
Posted by ブクログ
MMTについて対話形式でわかりやすく書いてあります。
MMTの基本的な考え方や、現状の国債発行の手順や税金の役割等が書かれてあり、ためになりました。
私は、MMTは、とんでもない理論であると考えていましたが、本書を読んで、その考えを改めることができましたが。
MMTでは、
・政府の財政赤字に額の上限はなく
・政府の財政赤字こそが、民間経済に貨幣を供給する行為
・政府支出の額は財政の黒字や赤字で決まるものではない
・財政赤字の上限は、国内のモノやサービスの生産能力
という考えに基づいており、本書を読むと、MMTはすばらしい理論で、実践してもよいのではないかとすら思います。
しかし、正直不安です。
気になる点としては、現在の日本は、対GDP比の債務残高が世界一で、もっとも、MMTを実践している国になっていますが、日本以上にMMTを進めている国がなく、MMTをますます進めても問題ないとのエビデンスがないこと。
アベノミクスの異次元緩和も、世界的には賞賛されていましたが、日本が実験台になり、結果、失敗し、将来世代につけを残しています。
また、民間が国債を買い取ることが前提になっていますが、民間が国債を買わなくなったらどうするのか?
疑問が残ります。
MMTの考え方を知りたい。経済について基本的なことを知りたい方にはおすすめの本です。