あらすじ
泣けて、笑えて、勇気が出る!
日本テレビ系ドラマ『ファーストペンギン』主人公のモデルになったシングルマザー社長の自伝。気の荒い漁師たちと幾多の衝突を超えて夢を叶える!
田舎の漁村ゆえの排他性、「女のくせに」という偏見、漁協のいやがらせ、仲間であるはずの漁師たちの反乱……。
ひょんなことから、漁師たちをまとめる船団の社長に就任したシングルマザー。魚や漁業のことはずぶの素人。それでも先細る一方の萩大島の漁業を守ろうと改革に立ち上がる。口より先に手が出る漁師と、時に殴り合い、時に宥めすかしながら、島の漁業を新しいビジネスにすべく奮闘する。
ドラマでは女優・奈緒が演じる主人公本人が綴ったヒューマン・ストーリー。
第一章 見る前に飛べ!
第二章 立ちはだかる壁
第三章 面倒で愛すべき男たち
第四章 人生は不思議だ
第五章 営業は一日にしてならず
第六章 対立を乗り越えて
第七章 最大の危機
第八章 経営者として
第九章 さらなる大海へ
著者略歴
坪内知佳(つぼうち・ちか)
1986年、福井県生まれ。株式会社GHIBLI代表取締役として「船団丸」ブランドを展開する。名古屋外国語大学を中退後、山口県萩市に移住。翻訳事務所を立ち上げ、同時に企業を対象にしたコンサルティング業務を開始。2011年に任意会社「萩大島船団丸」代表に就任。農林水産省から6次産業化の認定を受け、漁獲した魚を直接消費者に届ける自家出荷をスタート。漁業関係者の注目を集める。
2014年に「萩大島船団丸」を株式会社化しGHIBLIを立ち上げ。翌年から事業の全国展開を開始し、各地に「船団丸」ブランドが拡大している。
2016年にはフォーブスが、特筆すべき活躍をしたアジアの30歳未満の30人を紹介する「30 UNDER 30 Asia」に選出。日経ビジネスにおいても、2017年、日本に最も影響を与える「次代を創る100人」に選ばれた。
テレビ番組への出演も多く、2022年10月スタートの日本テレビ系ドラマ『ファーストペンギン!』主人公のモデルでもある。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
「根性さえあれば営業なんて誰だってできる!」っていう哲学を地で行く、漁業ビジネスのパイオニアの話。
本編で説教じみた根性論は皆無なのですが、どうしたって気になるのはそこです。ストーリーの隅々から滲み出る坪内さんの根性とセンス、これにまず感心します。
坪内さんは、足を使い販路を拡げる体力もあれば、女性らしさを利用して人を動かすズル賢さもあるし、人の懐に入り込むためにどうすべきかを心情的に立案できる計画力と感受性があるし、人に笑われ裏切られようと諦めない信念の強さもあるし、誰かを切り捨てることなく全体が幸せになれるような関係性を構築しようとする志もある。この万能感は本当に何なんでしょう!営業マンとして、素直に戦闘力が高すぎると感じました笑
こんな感じの自分語りが展開されると大体嫌味な本になりがちですが、個性的な登場人物のおかげでとてもマイルドな読み物になってて楽しく読めます。特に長岡さんとのエピソードは、ほっこりもするし「なんでそうなるんだ!?」と驚きもするしで、読み手を色んな感情にさせてくれて、読後、いいアクセントになってたなぁ!と感じました。
また、踏み込んで書きにくかったであろう漁協とのドロドロしたやりとりなんかも、よくぞ書いてくれたなと思いました。俄かには信じられませんでしたが、地方の闇ですね。
副次的に、養殖は環境負荷が高いことなど知れたのも良かったです。未来に起こりうる食糧難からの動物性タンパク質の枯渇問題で、昆虫食なんて開発せずに日本は海が広いんだから養殖しろよ!なんて声が世間ではありますが、養殖業もそんな万能な解決策ではないのですね。
あと最後に一個だけ、小泉進次郎氏はじめ代議士がかっこよく見えるシーンが数ヶ所あります笑 必見、結構いいシーン。
Posted by ブクログ
行動力の大切さをこの本から学びました。
ずっと前にテレビで坪内さんが取り上げられていて、「いかにも成功した、やり手のキャリアウーマンだなぁ」とまぶしく見ていました。
でも裏では、メディアに取り上げられるに匹敵する苦労や葛藤、努力があり、そうしたものを何年も何年も積み重ねてきたからこそ、坪内さんや船団丸の皆さんの努力の結晶が日の目に当たることになったのだなぁと思いました。
と同時にやはり一からのビジネスは並大抵の努力では成り立たないとひしひしと感じました。資金面でも相当ご苦労されたようです。それでも試行錯誤して、新しい方法をどんどん取り入れ行動していったおかげで、その姿勢がいろんな方に支持され今があるのだと実感しました。
成功するには理念を持ってまずは行動、ですね。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白かった
こんなすごい本を何で今まで知らなかったのか
漁師たちと一緒に、漁協を通さず魚を独自ルートで販売するフローを確立した話
漁協からの反発や営業の苦労などがリアル
漁師さんとの衝突などもあって、これはドラマ化するのも納得
こういう本が読みたかった〜
ドラマ以上の内容
ドラマで本書を知り、最終回を観終えてから読み始めました。ドラマの曖昧なところや、演出されたお話ではなく、具体的な悪戦苦闘のお話が凄かった。オススメの一冊です。
Posted by ブクログ
ドラマやニュースでこの女性のことを知り手に取りました。
今、日本は漁業だけでなく変革を求められる大変な時代だと思う。これは変革のモデルケースだ。勇気をもらった人は多いのではないか。
新しいことを始めるのは周囲との軋轢を生むのは当然だ。古い価値観を大事にする人から理不尽な扱仕打ちがあっても対立するのではなく共存共栄を目指す筆者の姿勢に感銘を受けた。
資金繰りに窮したとき、普通なら誰も相手にしてくれないだろう赤字の零細企業に融資してくれる銀行が現れた件など、筆者がそれまで積み上げてきた信頼が巡ってきた幸運であろう。
硬直した仕組みの中で、変わらなければと暗中模索している名もなき多くの戦士たちに勇気と希望を与えた1冊ではないか。
Posted by ブクログ
ドラマ化もあって興味はあったが、ここまでの主人公とは思っていなかった。覚悟、人生の覚悟がないと企業は成功しない。世の中そんなに甘くないと知ったし、一方で常識を破る坪内さんは痛快でカッコいい。
Posted by ブクログ
ドラマを見てから、本書を読んだ。
ドラマでは、誇張しているところもあるのではと思ったが、大筋は本当の話なのだとびっくり。
既得権益や固定観念に粘り強く立ち向かった筆者には脱帽する。
上手く行かない期間が長いも耐えて踏ん張り、一次産業を再生する強い想いを感じた。
Posted by ブクログ
オーディブルで拝聴
VOICYやドラマで著者を知り、読むきっかけとなりました。実際は本に書いてあることより過酷で大変なことも多くあったことと思いますが、信念を曲げずに事業を続けていく姿は尊敬します。
Posted by ブクログ
農協も漁協も初めは生産者と消費者を結び
より良い仕事と生活を支える純粋な組織だったはず
人とお金とが寄ることで少しずつ違う方向に進み
それに支配される構図ができてしまう
オリンピックだって力持ち自慢をみんなに見てほしい祭典だったはず
この大きな頑固な壁を一人で壊そうとする女性が現れ
凝り固まった頭をたたき続けるパワーに圧倒される
彼女が
子育て、経済、人材配置と育成他
全てを担うのは何故?
応援の気持ちとあきれる想いとないまぜのまま読みました
この小さな島の漁業が持つ悩みは個人の生活ばかりではなく
全世界のそして地球の資源枯渇も提示してます
今 50年後の世界に責任を持つべきです
Posted by ブクログ
根気と強いモチベーション。周りを巻き込んで自分の損得を顧みずの行動はなかなかできない。尊敬の一言。読んでからドラマを見ることをおすすめします。
Posted by ブクログ
シングルマザーである坪内さんの漁業ビジネスに変革をもたらすまでの奮闘日記。
坪内さんの行動力やフットワークの軽さにはすごいと感じる一方で、船団丸の資金繰りのために本人の持ち出しがかなりの額になっているので、ベンチャーのような新規ビジネスの立ち上げには努力だけではどうにもならない面もあると感じました。
Posted by ブクログ
ドラマになった話のノンフィクションの元ネタ
最近米不足で話題になる農協も同様だが、良い悪いは別にして既得権団体が存在意義を崩されかねない事態になると抵抗が激しい。