あらすじ
「多死社会」で起きる“異常”事態。
《イジョウ死》と聞けば多くの人は「異常死」という漢字を思い浮かべ「不審な死に方」を想像するが、本書で取り上げるのは《異状死》である。
検視(検死)というと、殺人事件や事故死、医療ミスによる死亡などの「事件」の話に聞こえがちだが、実態は“ごく普通の死”での検視が大半だ。
自宅や施設など病院以外での死亡や、持病ではなかった死因の場合は基本的に《異状死》と判断され、警察の捜査や検視が必要になる。現在は5人に1人が異状死扱いとなっており、在宅看取りが推進される中でその数は飛躍的に増えていく。親族や自身が《異状死》となった場合、どんなことが起きるのか。
父母を亡くした著者の体験を入り口に、摩訶不思議な日本の死因究明制度とその背景をレポート。さらに、自身や家族が「異状死扱い」されないためにはどうすればいいのか、法医学者や警察医、在宅看取りを行う医師たちを取材し、その対策も探る。
(底本 2022年9月発売作品)
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Posted by ブクログ
■東京都監察医務院の示す異状死のガイドライン
1 病死及び自然死の一部
①医師の診断を受けずに死亡した場合
②医師の診断を受けたが死因不明のまま死亡した場合
③医師の診療中の病気と違った原因で死亡した場合
④発病又は死亡時の状況に異常がある場合
2 すべての外因死とその後遺症による死亡。不慮の外因死(交通事故死、転落死、溺死、焼死など)自殺
3 不詳の外因死か不明なもの
4 診療行為に関連した予期しない死亡やその疑いがあるもの
■日本法医学会の異状死ガイドライン
・「確実に診断された内因性疾患で死亡したことが明らかである死体以外のすべての死体」
1 不慮の事故
・交通事故
・転倒、転落
・溺水
・火災
・窒息
・中毒(毒物、薬物、駐車や接触など)
・異常環境(凍死、熱射病、潜函病など)
・感電・落雷
・その他の災害
・上記に分類されない不慮の事故による全ての外因死
2 自殺
3 不慮の事故、自殺、他殺のいずれであるか死亡に至った原因が不詳の外因死
Posted by ブクログ
家でコロっと死にたい。
それがなかなかできないことが分かった。
状況により119番通報をせず、日頃お世話になっている訪問医やかかりつけ医に連絡した方がすんなりお別れができるかもしれないが、その場になればそんな判断すらできるか自信がない。
家族ともそれとなく「どうしたいのか」希望を聞いておいた方がいいし、亡くなった後、長時間の警察の事情聴取に耐えられる自信はない。