【感想・ネタバレ】日本経済の見えない真実 低成長・低金利の「出口」はあるかのレビュー

あらすじ

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「一国の経済成長と密接な関係があるのは、株価ではなくて生産性上昇率である。2010年代も含めて日本を『失われた30年』と言うなら、米国も大局的には『失われた30年』であり、米国の方が途中で少し良い時期があっただけにすぎない。」(本書第2章「正しい『成長戦略』の難しさ」から)

著者は、白川方明、黒田東彦の2人の総裁を支えた元日本銀行理事。現在はエコノミストとして活躍している。デフレ脱却を目指したアベノミクス、日銀による異次元の金融緩和の前提としてあった日本経済をめぐる「通説」が果たして正しかったのだろうか。この10年の金融財政政策を総括し、新たなフレームを提示する。

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Posted by ブクログ

勉強になる部分がたくさんあった。さすが元日銀の方なので、豊富な知識に裏打ちされた丁寧な解説で、大学の講義を受けているようだった。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

日本はプライマリーバランスを黒字化すべきなのか、それともガンガン国債を発行すべきなのか、本著を読むと、その両方が極論に過ぎないということがわかります。
タイトルだけを見ると、何だか「隠された真実が…」的な陰謀論っぽい香りすらしますが、何のことはない、表層から見えない解釈を含め、2016年まで日銀におられた著者の観点から考察や試論が語られた1冊です。

1. グラフには簡単に騙される
2. ちょっと特殊になってしまった日本のマインド

1. グラフには簡単に騙される
人間、グラフには簡単に騙される。だからこそ背景を知って知見を育まないといけないと本著を読んで感じた次第です。
p.87に労働生産性の水準を国際比較したグラフがあり、日本の生産性はアメリカ、ドイツ、フランスと比べて3割低い。著者が言うように額面どおり受け止めると「日本経済は本当にだめだ」となり、ただデフレ脱却やデジタル化等でだめな部分を直せば成長できるという楽観を生んでしまう。
「この比較からはあまり多くを読み取らない方が良い」「比較すべきは生産性の上昇率」
ということで、国毎に生産性は異なるので、対外比較で「日本は生産性が低い!」と叫ぶ意味はなく、推移を見るべきというのが本著の主張。
あと、個人的には「生産性」という日本語(productivityの和訳?)は、効率が含意されているように感じ、これが結果的に生産性を下げているようにも感じます。何となく、60分かかる仕事を30分で終えることが生産性向上だと思ってる気が。マクロのGDPの観点だとみんなで太る必要があって、インプットを細らせることが目的になるのはちょっと違う気がしました。

2. ちょっと特殊になってしまった日本のマインド
本著の「2%程度のインフレは当たり前という前提で賃金を決める習慣」が必要という指摘。我々に染み付いてしまったデフレマインドをどうするかという問題なのかなという気がします。
そう思うと、「簡単に雇用を切れないから賃金も簡単には上げられない」にどの切り口から切り込むかが次の課題で、本著2-7で3案が提唱されています。ここで挙げられたもの以外にも、現在実現したもの(リスキリング支援等)や、これから実現しそうなもの(給付付き税額控除等)もあり、本著の先見の明を感じます。

少し前の本(2022年出版)ではありますが、あらためて今まで日本の金融政策がどう変わってきたのかを振り返り、今後を展望するのに良い1冊ではないかと思います。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

筆者は日銀に2016年まで35年勤務され理事まで務められた元日銀マン。内容はとてもフェアで良心的。…というのも、通説や世間の俗説に対する筆者の見解を丁寧に述べながらも分からないことは分からないと書いているため。
逆に言うと牽強付会な筆者の強い主張もないので、読み終わっても「で、結局日本経済の状況に対する処方箋は?」とモヤッと感は続いてしまうのですが、ここの論点に対して頭の良い方に整理していただいたような読後感の一冊。

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2022年11月07日

Posted by ブクログ

著者の執筆したレポートを時折読んでいるので、著書の内容で改めて知った箇所は少なかったが、いずれも日本経済の通説的・通俗的な理解に対して一石を投じる内容で楽しめた。
個人的に著者を評価している点はバランス感覚。経済学徒やエコノミストは、「経済学的に正しい」と称して非現実的・反社会的な提言をしがちであるが、著者の主張は日本経済への冷徹な分析に支えられつつ弱者への配慮や現実への折り合いをつけたいずれも「真っ当な」ものである。

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2023年02月05日

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