【感想・ネタバレ】新疆ウイグル自治区 中国共産党支配の70年のレビュー

あらすじ

中国西北部に位置する新疆ウイグル自治区。中国全体の6分の1ほどの面積に、約2500万人が暮らす。1955年に自治区が成立した当初、中国共産党は少数民族の「解放」を謳った。しかし習近平政権のもと、ウイグル人らへの人権侵害は深刻さを増している。なぜ中国共産党は、多くの人々を「教育施設」へ収容するといった過酷な統治姿勢に転じたのか。新疆地域の歴史を丁寧にたどり、その現在と未来を考える。

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Posted by ブクログ

★ 新疆ウイグル自治区
中国の国土の1/6
民族的にはテュルク系で、トルコ人などと同じ系統に属する
中東イスラム世界と文化的に強い紐帯で結ばれている。ウズベク人、カザフ人と並んでテュルク系ムスリムの一角に数えられる
新彊は歴史的にトルキスタンの一部とみなされてきた。そのため現在は東トルキスタン
東トルキスタン共和国の失敗を経て1949年、人民解放軍の支配下に入った。

★ 親戚制度
漢人を主とする公務員を「親戚」と称させて現地ムスリムの各家庭に割り当てる仕組み。しかし、その「親戚」が豚肉料理を使って食べさせる、酒をすすめるなど、悪循環に拍車がかかった。これに抵抗すれば「テロリスト」として報告されることとなる。
「職業技能教育センター」には、「脱過激化」教育改造機関としての性格と職業訓練による労働者育成機関としての性格が複合的に存在
しかし、脱過激化プログラムを受けた人は、徐々に消えてゆうという。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

深刻な人権侵害が指摘される中国共産党による新疆統治の歴史を第三者的な立場から論じる。
新疆ウイグル自治区をめぐる人権問題の経緯や様相について理解が深まった。特に近年の中国共産党による新疆統治のおぞましさをまじまじと感じた。特に「親戚」制度は酷い。

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2022年12月23日

Posted by ブクログ

副題の中国共産党70年の支配の通り、1949年から最近の習近平体制までの新疆ウイグル自治区の政治史をメインに扱う。
日本ではほとんど馴染みのない新疆の指導者名が並ぶ。共産党支配以前は東トルキスタン共和国の幹部で後に新疆ウイグル自治区の最高指導者まで上り詰めたセイフディンというウイグル族の政治家がいたのも初めて知った。もっとも、彼以降にウイグル族で幹部に上がる者は出ていない。
かつてはソ連の影響力が強い地域であったが、大躍進運動、文化大革命、改革開放、テロとの戦いを経て共産党の統治が強まった様子が窺える。特に習近平体制は、これまでの経済発展すれば民族的な反発が収まるという考えに見切りをつけ、対新疆政策を教育・就業・貧困対策を織り交ぜた形に再編したのが特徴。
2018年以降、いわゆる再教育キャンプの実態が明らかになるにつれて国際的な非難にさらされるが、筆者は今の新疆の実態が欧米の分脈で言うところの「ジェノサイド」に当たるのか疑問を投げかけているのは興味深い。それはナチスの絶滅政策のようなものではないと指摘する。そして、流暢な普通話を話しテレビで漢族のように振る舞うウイグル族の女優デリラバが、中国共産党にとってのあるべきウイグル族の姿である、と述べて筆を置く。

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2022年10月02日

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