【感想・ネタバレ】「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~のレビュー

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Posted by ブクログ

当事者として、読むのを避けていた本。
読み終わった後、号泣した。あまりにも自分の人生だった。
誰にも言えず、家族の一員でいる為に、自分の気持ちに蓋をするしかなかった人生。
カルトだけではない、ごく普通の宗教だとしても、親の性格や価値観や精神状態によって、カルト並みの苦しみを子供に与えることになる。
カルトや極端な新興宗教は論外だが、宗教とは本来、人生を豊かにするものであり、行き過ぎなければ決して悪いものではないはずなのに。
宗教は人の精神性と結びつくからこそ、複雑になってしまう。
これが、1人でも多くの宗教二世に届きますように。

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2024年05月18日

Posted by ブクログ

著者と同じ宗教2世のためか、著者の話が一番刺さった。でもどの話も、必ず刺さる部分があった。幼い頃の自分の気持ちが蘇ってきて、悲しくなった。なぜ生まれながらにして入信させられ、疑問を持って退会を望んでも叶わないのか。親の嬉しい顔が見たくて頑張って、悲しい顔を見たくなくて言い出せなかったあの頃が、まだ胸の中にいる。

本文中何度も書いてあってほっとしたが、宗教を否定したいのではなくて、選択権を奪われることや親の悲しい顔を見ることが、2世のつらいところであると伝えたいし、まさにこの作品はそれを表現してくださっている。著者と出版社に、心から感謝。

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2023年06月09日

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宗教2世の抱える悩みや葛藤を、当事者目線で漫画化した一冊。私自身、新興宗教ではありませんが子どものころ、親の宗教に付き合わされてました。長じるにつれて宗教の教えは信じなくなりましたが、子どもの頃は教えがどうとかじゃなく、集まりにでたら親が喜ぶから、周りが褒めてくれるから宗教の行事に出たりしていました。小さな子供は親に好かれたいから、褒められたいから、親に従うしかありません。成長した時、社会と自分を取り巻く環境との大きな違いに気づいたとしても、その違いを受け入れ、また親や宗教と折り合いをつけて生きるには長い時間がかかるはずです。または一生分かり合えず、絶縁する場合もあるでしょう(そのような例もこの本に出てきます)。親は親、子は子。宗教を信じるのは勝手ですが、判断力のない子どもに押し付けてはならない、そのことがよく分かる漫画でした。

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2023年04月01日

Posted by ブクログ

圧力をかけた団体の二世当事者です。
本書を機に声をあげ始めたところ教祖が急死。
共感しかありません。
出版してくれてありがとうございました。

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2023年03月31日

Posted by ブクログ

思ったよりもきちんと踏み込んで書かれている。あまりぼかさず、なんの宗教かわかるようになっていて勇気あるなと思う。
出版に二の足を踏んだ集英社と出版に踏み切った文藝春秋。集英社の担当者は悔しかっただろうが、勇気ある決断をして欲しかった。
この本が多くの人に読まれますように。

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2023年02月12日

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宗教2世。親が宗教を信仰している家の子供。
宗教ありきで育てられ、世間とはずいぶん違う生活を送っています。
参加してはいけない学校行事があったり。
薬を使わせてもらえなかったり。
人を好きになってはいけなかったり。
休日は宗教活動のための日だったり。
ほかの宗教は、邪教だと正しいのは自分たちだけだと教えられたり、宗教内でしか通用しない価値観の下で日々生きています。
もちろんそこに幸せを見出す人たちもいるけれど、中には成長するにつれて苦しさを感じる子供達がいることを、知ってほしい。
著者の菊池真理子含む、7人の宗教2世たちが育ってきた家での出来事をマンガ化した作品が、加筆修正を加え、単行本化。
単行本描き下ろし45p収録。「情報ライブ ミヤネ屋」でも紹介された、今年最注目のノンフィクションコミック!

エホバの証人の信者の息子さんは、幼稚園にも行かせてもらえず、講話の途中でちょっとでも居眠りすると棒で叩かれ、漫画などの娯楽や運動会や恋愛や誕生日や正月やクリスマスを祝うことも禁止されて、身も心も神のものと思ってきたが、先に脱会した次兄が部屋に置いていったパンクロックCDを聴いて自我を取り戻し脱会した。
だが、母は妻にしつこく、入信を迫っている。
不妊で悩んでいた母は、崇教真光に入信し、息子にも入信を強いた。アトピーや喘息に罹っている息子に、投薬治療を禁止したりされたが、自分の都合の良いことは神様のおかげ不幸せは信心が足りないなど宗教を都合よく使う母の言動に疑問を持ち、脱会した。
幸福の科学の信者の母は、子育ても布教も完璧に見られたがり、娘は東大に進学しようとしたが、挫折し幸福の科学が設立したハッピーサイエンス大学の一期生として入学したものの、アルバイトなどして外の世界を知り、幹部に相談しても責められ苦しくなって退学してアルバイト生活を始め、孤独に苦しみ自殺未遂してしまったが、反幸福の科学のジャーナリストが救ってくれた。
菊池真理子さんの母は、創価学会信者で父は無神論者で、真理子さんたち子供に勤行を強いて、勤行に夢中になって母は子供の世話をろくにしなかったし、信者獲得のノルマを自分だけでなく相手のノルマも背負ってしまい体を壊し、父のアル中の世話もする中で心身をすり減らし、自死してしまった。
菊池真理子さんは、宗教2世の生きづらさを訴えるべく、最初のうちは集英社のウェブ漫画で宗教2世の漫画を連載していたが、幸福の科学が幸福の科学の宗教2世の回を問題視して集英社に脅迫してきたため、集英社は菊池真理子さんに宗教の教義のせいで子供が生き方を縛られているというところは書かないように言ってきて、菊池真理子さんは集英社での連載を中止して文藝春秋で連載を再開して無事に単行本を刊行出来た。
宗教2世は、脱会したことで親だけでなく同じ信者の友人や先輩から絶縁して社会的に孤立したり、幼少期から社会で身につけるべき価値観や常識の代わりに宗教の教義を身につけることで就職など上手くいかず社会的に追い詰められてしまい、安倍晋三を暗殺した山上容疑者の母のように多額のお布施して経済的に追い込まれ、進学も行きたい学校に行けず人生を狂わされる方が、最近Twitterなどで告発している。
愛和家族和楽を謳いつつ、多額のお布施を絞り取り家庭を破壊し子供の人生を狂わせる統一教会や幸福の科学や創価学会などの新興宗教の罪悪、宗教2世の生きづらさを知るには、もってこいのコミックエッセイ。

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2022年12月22日

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NHKラジオ深夜便で、著者のインタビューを聞き、本書を知りました。宗教団体からの苦情・クレームによってWeb上での掲載がストップ。その後、別の出版社、文藝春秋社から出版されたのが、本書。良かったと思いました。

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2022年12月12日

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今まさに、な本。宗教2世。元総理の暗殺前に書かれていたんだから、文藝春秋おそるべし。こんなに新興宗教あるんだと思いながら、全部どれだかわかっちゃう。周りに全部いたもんな。校歌歌わない子に何で歌わないのかしつこく聞いちゃったなあ。あの子は2世だったのかなあ?

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2022年11月21日

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宗教2世である子どもたちの側から見えている世界が描かれている作品。ネットの記事で見かけて購入しました。

一話一話独立したお話で、それぞれが置かれた環境で、どのようなことが起きてきて、そして子どもさんたちがどんな人生を歩んでいったかが描かれています。

やさしいタッチの絵で、シンプルにまとめられているのだけれど、深く心に響くものがあり、読後も考えさせられるお話でした。

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2022年11月19日

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オトラジで特集されていて手に取った一冊。
とても考えさせられる話ばかりだった。
信教の自由は認められているのは悪ではないと思う。
だけれど、宗教2世の子ども達に信教の自由が認められていない恐ろしい現実がある。
ほんの一部かもしれないけれど、その現実を垣間見ることができた。

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2022年11月09日

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連載中に話題になるも、某宗教団体からのクレームで連載中止となってしまった作品。それが出版社を変えて刊行されたので購入。誹謗中傷やデマの拡散につながるものであれば、出版停止、連載や掲載の停止というのは仕方がないかな、とは思わないでもないけれど、この本に関してはそれは当てはまらないと思います。

なぜなら、自分も宗教二世であるからです。
この本に書かれている内容は、宗教二世であることに違和感を覚えたことがある人であれば、誰もが大なり小なり経験していることで。その違和感が、学校や地域のコミュニティでの違和感から疎外感につながり、それを感じさせない宗教のコミュニティへの依存や執着になっていってしまいます。それは、教義の正しさ云々でなくて、共感できる存在に寄りかかってしまうからです。うまくできている。

自分自身は、家族の崩壊につながるようなことはなく、昨今報道されているような金銭的な不自由はありませんでした。それでも、宗教活動への参加や他の宗教への攻撃的な態度など、小さな不満が疑問へつながり、不信へと向かいます。
今の自分のスタイルは、所属はしているけども活動はしていない、というところ。

不信感があっても、捨てていないのは、豹変する様を知っているからというのがあるからでしょうか。作品の中の二世の子供たちが悩んでいるように、親の豹変を目の当たりにするのは、何よりも恐怖が先にたち、それは小さな時から染み付いてしまっていてなかなか拭うことができないものとなっています。
近所の親しいおじさんと、信仰をめぐって母親が取っ組みあいの喧嘩を目の前で始められたら、6歳の子供の心にその記憶はこびりついて消えないです。それが自分に向かってくるかもしれないという、もしかしたらの恐怖。もしかしたらでなく確信してしまっている部分もある。

そんな心持ちから活動に参加していた時期もありましたが、活動を誘ってきた人と喧嘩腰で信仰心はないと宣言してから、所属しているだけというスタイルになりました。ただ、それだけでも親に対する罪悪感があったりしたのだから、知らず知らずに培ってきた染み付いてしまった信仰心というのは恐ろしいものです。
染み付いたということでいうと、これまでもこれからの人生でも、いろんなことに感謝や幸せを感じることがあったけれど、それも全て信仰のおかげという意識がどこかにあるのがしんどい。そんなことはないし、そう言われるのが一番の苦痛であったのだけども、その感覚が抜け切らないのがとにかく気持ちが悪いです。
自分の悩みなんて些細なもので、こういう本が出たことに乗っかって、不満を吐き出しているだけの臆病者だとは思うのだけど、共感はしてしまって溜め込むことはできないのです。

宗教なんて信じるやつの気がしれねぇよ、と笑い飛ばせる人生であったなら、どれだけ気楽な人生だったことかなぁ。

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2022年10月26日

Posted by ブクログ

宗教信仰の親に生まれた二世の子の話

生まれた時から、宗教が身近にあって
それが当たり前に過ごして
途中、違和感を感じて脱会する子もいれば
そのまま振興する子もいるんだろーな

小学校の時に、運動会に出れない子がいた
中学では、修学旅行に来なかったな
で、高校中退して幹部になったって話聞いたり

社の後輩の子が突然辞めて、宗教の幹部になったってのもあったな

辞めたいと思っても、大好きな両親が悲しむから辞めれないって思う気持ちになったり
かわいそうなとこだと感じた
助けて欲しい人を助けてあげれる団体があればいいのかな?

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2022年10月21日

Posted by ブクログ

テレビで見る宗教2世は親のせいで不幸せになった人みたいな印象を与えるけど、宗教2世にもいろんな人がいて、自分にとって心地よい宗教との付き合い方を会得していった人や、自分で幸せを掴んでいっている人も当然いるんだということがこの本を読んでわかりました。

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2024年01月27日

Posted by ブクログ

絵の軽やかさが事実の重さをだいぶ和らげてくれるけれど、それでも何度も暗澹たる気持ちにさせられました。
幼少期や青春時代にこんな制約があって理不尽な生活を強いられているなんて…と思うし、実際に学校にそんな子がいたらそう思っていただろうけど、それは冠婚葬祭の時くらいしか自分の宗教・信仰を意識しないような”無宗教”の身だからなんでしょうね。
それが当たり前だと思って過ごしてきた中で違和感を覚えた時、自分だったらどれだけ衝撃を受けてもがくだろうかと想像したら息が苦しくなる思いでした。

随分前にいしいさやさんの「よく宗教勧誘に来る人の家に生まれた子の話」も読みましたが、こういった宗教2世問題がコミックになることで読み手のハードルが下がって広まりやすくなるのは希望の一つかもしれないですね。

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2023年09月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宗教2世の人達のインタビューをもとにしたコミックエッセイ。やっぱりこの人のは絵もかわいくて読みやすい。明確に宗教名が出ているわけではないけど、分かるのは分かる。幸福の科学が文句つけてきたのか。手かざしの会が薬禁止だとは知らなかった。アトピーで薬禁止だなんて、かわいそうに。医者だったというお父さんはほんとにどう思っていたのか。切ない。今ネットで見たら、手かざしもいろんなグループというか、宗派?があるのか。私が学生の頃、めちゃめちゃ流行ってたけどな。祈らせてください、みたいなの、やられたことあるし。こないだ旅先のカフェで新聞の読み合わせしてたおばあちゃん達いたけど、あれ何かの宗教の新聞だろうからな。それをカフェで読み合わせるってのが、都会だよなー。真如苑は調べて初めて知った。ほんといろんな宗教があるんだよな。しかし文芸春秋が引き取ってくれて、こうやって本になって本当に良かったと思う。同じ宗教2世の方で救われる人もいるだろうし、私のように知らない世界を知れる人もいるだろうし。そうやって見識を広げ、想像力を広げることが人間として大事な気がする。

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2023年09月05日

Posted by ブクログ

そうか、親に愛されなくなるってことに悩むのか。
そこまではまり込むってことが私はないので、
「そうか、そこまで信じられるってすごい」
と思ったりもする。
宗教もいろいろあるからなあ。
生きることはやはり大変だ・・・

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

親に愛されたかっただけ、親に幸せになってもらいたかっただけ、の言葉が悲しい。
発信しなければ確かに何も変わらないけど発信すること、伝わること、共感してもらうこと、理解してもらうことの難しさも感じます。
このような現実を本にして世に出してくれた文藝春秋社と著者の信念を尊敬します。
今の機運が醒めないうちに、何か変わるのだろうか、変わってほしい、とも思います。

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2023年03月01日

Posted by ブクログ

「神様」って、なんだろう。
自分を支配する、絶対的な存在。
こころの拠り所になる場合もあるだろう。
でも、神様にすべてを委ねることは、自分のアタマで考える力を奪うことにもなるのかも、とも思う。
「神様」に支配される親に育てられた子どもにとっては、自分を支配する、その親こそが「神様」という現実。
自分の意志で、外の「汚れた」「不幸な」世界を拒否した本人はよいが、そこで育てられ、外の「普通の」世界を知ってしまった宗教2世の苦しみが、わかりやすく伝わってくる。
急激に市民権を得た「宗教2世」の問題を、(宗教名が特定できそうなほど)具体的に描くことによって、多くの人が身近な問題としてとらえるきっかけになるのでは。

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2023年01月29日

Posted by ブクログ

以外にもっつうかなんつうか、カルト教団寄りの宗教団体の人で何人か、「嫁は熱心だが旦那は無信心」と言ふ家庭が出て来る。
 宗教二世はそれで「いろいろ」ある。
 本著刊行時のいろいろ(この団体は他で「いじられ」てるんだけども)が書いてある。
 さらに、刊行できたと思ったらと言ふアレまである。
 重い。

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2022年11月22日

Posted by ブクログ

絵柄がソフトで、一つ一つのエピソードを短くまとめているので、重くなりすぎずに読める。読めるけれども、2世の方々はすごいストレス、葛藤のなかで生きているんだなと想像できる。"宗教の自由"は2世には事実上存在しないなどと考えたこともなかった。
そして多くの配偶者が、自分は無宗教でも、子供を助けようとしないことにもかなり疑問を覚えた。なぜその状態を放置しているのだろう…そこに目をつぶりさえすれば、家庭に不満はないということなのだろうか…?それはただの現実逃避では。
この本が話題になって、救われる人が一人でも多ければ良いと思う

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2022年11月11日

Posted by ブクログ

宗教2世へのインタビューを元にしたエッセイ漫画。
「家族」「家庭」が内包するあらゆる面、その切り口の一つとして読んだ。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

ずっと気になっていたもの。やっと読めた。にしても、政治家の腐敗が酷過ぎて、せっかく可視化されてきていた宗教二世のことが、統一教会の問題と共に、風化してしまわないか心配。自身としても、本書に触れて問題意識を新たにした次第。

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2024年01月29日

Posted by ブクログ

次の予定まで時間がなく、手軽に読めるものが欲しくて手に取った。

時間的には手軽に読めたが、読後感は重く、少し気が沈む。
重い題材を和らげてくれる優しい絵柄に助けられた。

【引用】
みんなが当然持っている
何を信じて何を信じないか
決める権利を
私だけ
持ったことがない
それが
こんなにも辛いんだ

というのは、2世特有の辛さだと感じた。

あとは、親が自分の気持ちを全く分かってくれないというのは家族辛い〜の根源である。

作中、手紙で気持ちを伝えて親と関係改善することがあった。

他人は変えられない…と、7つの習慣で見た気がする。
自分にコントロールできるのは、気持ちをわかってもらえるよう、手段や言葉を工夫していくことなのかもしれないと感じた。

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2023年04月19日

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宗教2世問題をコミックで読みやすく。ほんわかタッチだが、内容はヘビー。当然ながら宗教によっても親ののめり込み方によっても違うし、当事者の感じ方もそれぞれ違う。どの宗教か何となくわかる描写になっているあたりが面白い。自分の知人が信仰している宗教かと思われる項もあって、その知人の家族に思いを馳せた。それほどのめり込んでいない人とでも宗教の話しには触れないように乗らないように付き合うのは正直疲れるものだ。そんな距離を持つことができない親子という親密な関係が紹介されていて正直気が重い内容だった。そして何の手立ても思い浮かばず、興味本意に本だけ読んで何だか申し訳ない気持ちにもなった。

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2023年04月04日

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宗教二世について書かれたノンフィクションコミック。

 子どもにとって親というのは、どれだけ矛盾をはらんでいようと、暴力的であろうと、「愛されたい」存在であるということを改めて感じました。

 生まれた時から宗教が色濃く周囲に存在している二世の子供たちにとって、小さい時から親に与えられた“物差し”が宗教であり、子ども心に疑問を感じていたとしても、「親から嫌われたくない」という一心で自分の気持ちに蓋をして、結果として精神をゆがめるほど悩んでしまう。

 このエピソードに登場する方々は、親と絶縁したり、お互いを尊重する落としどころを見つけられたり、傷はあるものの再出発が出来ている方が多いように見受けられますが、実際のところ、そうではない人もとても多いと思います。
 そしてたとえ再出発が出来たとしても、ふとしたところで昔の精神的な傷が痛んだり、立ち止まってしまうものなんだと思います。

 宗教はもともと、人を救うためにあるはずなのに、その宗教が枝分かれし、極端な思想(=新興宗教)になって人を苦しめることになっている。
 それは果たして、本当に救いの道なのかと疑問を感じずにはいられませんでした。
 新興宗教って宗教じゃなくて、どちらかというとビジネスでしかない。門外漢の私などはそう思うなどしました。
 

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2023年03月18日

Posted by ブクログ

宗教が特定できる情報がしっかり書かれていたのに驚きました。
そこそこ宗教問題に興味がある人であればちょっと薄味に感じるかも。大体知っていることや予想できる範囲の内容でした。

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2023年02月22日

Posted by ブクログ

昨年(2022年)話題になった、いわゆる『宗教2世』という人たちについて描かれたコミック。信仰の自由が保障されているとはいえ、なかなか難しい問題だと思う。何も知らない子どもたちが気の毒でならなかった。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一重に宗教と言っても、いろんなパターンがある。家族との在り方もまた然り。宗教を辞めることで繋がりが失われる家庭もあれば結果的に協調しあえた家族もあり、その差はどこにあったのだろう?と考えずにはいられなかった。

信仰の自由はもちろんあるけれど、それを他の家族や周りの人に背負わせては絶対にいけない。宗教にのめり込むのは人の弱さなのだろうか。

宗教と聞くとやはり身構えてしまう。選択の自由もなくそこで育った子どもたちの苦しみを思うと胸が痛む。謎のベールに包まれた宗教の問題に切り込んだ本書の出版はすごいと思った。

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2023年01月30日

Posted by ブクログ

宗教2世。
親が宗教を信仰している家の子供の育ってきた家庭を描いたノンフィクションコミック。

元首相殺害事件も記憶に新しく、この本も新聞紙面で取り上げられていた。
なかなか奥深くまで知ることのなかった宗教2世の現実に唖然とした。
信仰の自由はあるので、それぞれだとは思う。
親は親で自分は自分と切り離せなくなっているのが2世の現実で、身動きの取れない状態になっている。

少しずつ成長してくると周りとの違いに気づくのだが、それまでに植え付けられた記憶は消せない。
苦悩の様子がよくわかる。

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2022年12月08日

Posted by ブクログ

マンガの柔らかいタッチで宗教2世の体験が数話描かれている。宗派は描いてないものの、ワードを検索すると見当をつけることができる。
2世は家族を傷つけたくないのと、普通の暮らしとの間で揺れ動いていており、こういった考え、悩みを持つ存在に初めて気づけた。
もう少し掘り下げてほしい気がするが、読みやすい点がよかった。

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2022年11月09日

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