【感想・ネタバレ】ダブル・ダブル〔新訳版〕のレビュー

あらすじ

エラリイに匿名の手紙が届く。そこには最近ライツヴィルで起きた事件を記した新聞記事ーー“町の隠者″の病死、富豪の自殺、“町の物乞い″の失踪ーーの切り抜きが。そして、父親の失踪の真相を探ってほしいという妖精のように魅力的な娘・リーマに導かれ、エラリイは四度ライツヴィルを訪れる。そこで待ち受けていたのは、さらなる不審死の連続だった……本格ミステリの巨匠、円熟期の傑作が新訳で登場。解説/飯城勇三

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Posted by ブクログ

ネタバレ

エラリー・クイーンの越前先生による新訳。

ライツヴィルでの事件にまた引き込まれてゆくエラリー。迎えに来たのはなんと!穢れを知らぬ世間に染っていない女性、リーマ。

この本の印象を一言で後々語るとしたら、
連続殺人事件でもなく、童謡による見立て殺人事件でもなく、え?と思わせたおとり捜査でもなく、一言!リーマという女性の登場!でしょう。
魅力的で理知的で妖精のよう。
これまで読んできたクイーンの本に中にこれほどの女性、でてこなかったですよね。

さて、事件はのことは、と言えばまた最後に切なさの残る…とだけ記しておきます。

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2022年09月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

リーマという女性をこのお話の中でどういう風に動かすんだろう。それが、私の一番の興味でしたね。最後まで読んでみてどうだったか。始めから終わりまで出続け、途中で呆れながらも(君がエラリイに餌を与えたんだろう?と)、そううまくはいかないんだなあと思ってみたり。

エラリイはほろ苦さと喜びをぐちゃぐちゃにしながら、半ば周囲を敵に回すように事件に取り組んだわけですが、なりふりかまわず真実を求めようとする姿は、痛々しさもあり、気がちがったように尋問する姿にはスポーツに取り組む汗臭さすら感じました。見立て引き摺り込まれたのか、それとも見立ての職業の連続性(風が吹いたら桶屋的な)が絶妙なのか!

国名シリーズも何作か読んでるんですが、このお話を経て、はじめてエラリイが好きになったかもしれない。クイーン警視から離れたエラリイのほうが自由なのかもなあとか、思ったりも。ライツヴィルシリーズ、他にも読んでみたいです。

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2022年08月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ライツヴィルで二人の男が死に、一人が失踪した。エラリーは失踪した男の娘リーマに請われ、捜査のためにライツヴィルに赴く。三人に関係する人々を当たったエラリーは、一連の事件は童謡になぞらえた見立て殺人であると睨む。最初の三人は「金持ち」「貧乏人」「物乞い」、新たな犠牲者は「泥棒」「医者」「弁護士」「商人」、そして最後の一人が「チーフ」だった。
仲人役がすっかり板についたエラリー。警視や部下たちは登場せず、エラリーがデイキンやリーマとともに関係先を訪れる中で次々と殺人が起こる。「チーフ」の言葉が出た段階で結末は予測できたものの、それでも捻りが効いている。ライツヴィルには苦い思い出ばかりが溢れているのに、なぜこれほどまでにエラリーを惹きつけるのだろう。
作中でエラリーが口にする「これが人を人でなくチェスの駒として考えた結果か」というセリフ。初期の国名シリーズでの人物の描き方への自己批判にも見えて興味深かった。もはやエラリー・クイーンは、登場人物を一人の人間としてしっかりと描いている。

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2025年03月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ほかの方の感想にもありますがストーリーはラノベ感がすごい。あとがきには「ミステリ界屈指の萌えキャラ」とあってなるほど。越前さんの訳なので手に取ったのですが、他の作品もこんな感じなのかな…

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2025年06月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

冒頭、謎の切り抜きが送られてくるというだけではさほど話に惹き込まれなかったが、天真爛漫なリーマが登場し、距離感のない行動に戸惑うエラリーという構図が面白い。ここだけ読んでいると、ラノベヒロイン感がある。(ドッド博士の助手と恋に落ち、呆気なかったが)

マザーグースに因んだ見立て殺人で、そのためにまた殺人。ダブルダブルは人間の表と裏。

金持、貧乏人、乞食に泥棒、お医者に弁護士、商人、チーフと、歌に倣ってどんどん殺されていくが、そのまま落ちとしてエラリーがやられそうになる。
偶然を利用しまくっているが、ちょっと都合が良すぎる。

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2025年05月16日

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