あらすじ
どこをさがしても見つからない。いくらさがしても見つからない。残り一球が見つからないと帰れない。いったいボールはどこへ行ったのだ? 闇雲にさがしても無駄だ、頭を使おうと高校野球部の部員たちは推理でボールの行方を突きとめようとする。著者の出発点となった「ボールがない」をはじめ、天文部員が天体写真を添付したメールの謎の解明に挑む「宇宙倶楽部へようこそ」、実在のスイッチバック駅を舞台に殺人の謎を描いた表題作など五編。ああでもない、こうでもないと推理を重ねたその先に、意外なところから真相がひょっこりと顔を出す、鵜林ミステリの個性を示した第一作品集。
【目次】
ボールがない
夢も死体も湧き出る温泉
宇宙倶楽部へようこそ
ベッドの下でタップダンスを
秘境駅のクローズド・サークル
あとがき
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Posted by ブクログ
【収録作品】ボールがない/夢も死体も湧き出る温泉/宇宙倶楽部へようこそ/ベッドの下でタップダンスを/秘境駅のクローズド・サークル
「ボールがない」 ボールが見つかるまで帰れない状況で、高校野球部の部員たちは、推理でボールの行方を突きとめようとする。
「夢も死体も…」 人気のあるYouTuberの動画がきっかけで急に賑わった手掘り温泉に忽然と死体が現れる。
「宇宙倶楽部へ…」 高1の古林は父親かららしい母宛のメールを見つけるが、意味が分からず、宇宙倶楽部に相談する。
「ベッドの下で…」 社長に社長の妻との浮気現場に踏み込まれ、慌ててベッドの下に隠れた「僕」。根比べをしているうちにうたた寝をしてしまい、気づくと社長が殺されていた。
「秘境駅の…」 スイッチバック駅で起きた殺人の謎。鉄道研究会の新歓で秘境駅へ行った宮原。自由行動の間に、先輩の一人が殺害される。
「夢も死体も…」の語り手や探偵役、「秘境駅の…」の探偵役ともに面白いので、また読みたい。宇宙倶楽部の面々もユニークに思えるから、肉付けしてシリーズ化できるのではないか。