あらすじ
かつて将来を約束しあった、幼馴染の千歳と拓海。北海道の離島で暮らしていた二人だけれど、甲子園を目指す拓海は、本州の高校に進学してしまう。幼い頃の約束を胸に秘めつつ、素直に気持ちを伝えられないまま、千歳は拓海を待ち続けていた。やがて三年が過ぎ、ようやく帰島した拓海。その隣には、「彼女」だという少女・華の姿があった。さらに華は、重い病にかかっているようで……忘れたいのに、忘れられない。傷つくとわかっていても、この恋を諦められない――すれ違う二人の、青くて不器用な純愛ストーリー。
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Posted by ブクログ
とても素晴らしい作品でした。千歳ちゃんをメインに据えて余命僅かの華をサブに沿えてストーリーを展開させてくるところが構成の妙といいますか他とは違う所だと思います。
北海道を舞台にしているのも好印象です。昔の日本を見ているような懐かしさがあるのがいいですね。島の皆が優しくて温かいので、故郷の良さを教えられるような気持ちでした。拓海の優柔不断さにはモヤモヤさせられる場面も多かったけれど、振り回されていて不憫でしたね。
華の真っ直ぐさ、綺麗さの中にある黒さ。間違いも後悔も抱えて希望を持って生きようとする彼女の生き様は立派でした。
大海君の一見、おちゃらけているムードも周りをよく観察しているからこそできるのであって、とても損な立ち回りばかりをさせられてきた子だったと思います。彼にも救いがあって欲しいと思う気持ちが大きいですね。