【感想・ネタバレ】ループ・オブ・ザ・コードのレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月30日

デビュー2作目でこんなにすごいのを読んだのは『亡国のイージス』以来ではないだろうか?いやーんでもない新人だわ。

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Posted by ブクログ 2023年08月16日

例えば、人と人は決して心の底から分かり合える事は無い、とか、そのような類の絶望というか諦念を持つ事が10~20代にかけてあるように思います。生命の各個体には特別な意味はなく遺伝子を繋いでいるだけだ、とか、そういうのも。。
本作品を読んで、前作の「擬傷の鳥はつかまらない」も続けて読みましたが、この若い...続きを読む作家さんは、そのような角度から見た世界観やテーマに取り組んでいるのかと思います。両作品ともとても面白く読みました。
そのようなある種の絶望を前提として、どうやって人はその先の人生や未来と折り合いをつけていくのか。この世に希望と呼べるものがあるとすれば、それは何から生まれてどうやってつかみ取るものなのか。
次作も期待したいです。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月27日

4.5くらい。
自分がもっと純粋で無邪気で世間知らずでスレていなかったら、それこそ純粋に無邪気にわーすごいと楽しく読んでたと思うが、今の自分は伊藤計劃もこの作品に出てくる例えや物事を知っているので、そこまでじゃなかった。
逆にその知識の羅列が鼻についてしまった。なんでだろう。
でもやっぱりその羅列の...続きを読む量も話の質の詰め込み方もすごすぎて、これからこの才能はどう伸びていくのか気になる。もっと面白いのが読みたい。

“愛を形にする権利は誰にでもある。”から始まり、“後悔したいと思ったのは生まれて初めてだった。”で終わるのが、ものすごく計算されていて良かった。

全体的なテーマとして、こんな地獄に子供を産んでも良いのか?自分で責任がとれないものに対して積極的に関わって、他人(産まれてきた子供)にその代償を払わせても良いのか?というもので良かった。

反出生という話はたぶん、進撃の巨人で触れた人が多いと思うし、それ以外にも少子化問題で触れた人もいるだろうが、自分にとってはかつてのSF小説で出てきた要素だなという感じ。
そこでは、人が減れば世界は平和になるのでは?だったが。このまま人口が増加すると地球環境がヤバイという世相のせいもあったと思う。

現代においてこのテーマについて考える話は面白かった。そして結局、主人公はたとえ地獄でも産もうと決める。子供を持つことに反対しながらも、いずれ後悔するとわかっていても。ここらはへんは映画「メッセージ」を思い出して良かった。

わからない未来とわかる(逃れられない)未来どっちが良いか。普通は、未来がわからないほうが良く、そこから自分に出来るだけ都合の良い未来に寄せようとする。完璧に管理されるような社会ではなく、たとえ間違いがあっても不完全な人間が決める社会を選ぶ。これが賛歌される。

作中のCIAの彼によって、管理されたほうが良い人間もいると指摘されるのが面白かった。主人公はヒロイックだなと言うだけで共感は示してないけど、子供を持ちたくないので、部分的には同調していたと思う。

しかしながら、ヨハンとの結び目が欲しくて、子供を持つことを決める。単純にヨハンを愛してるからを、さらに想像力をもって、どんな代償を払うか計算したうえでの答え。
子供を利用していることさえも理解したうえでの答え。

その回答を導くまでの話。


ジェイムズに対して、なんか主人公の父親みたいだなと思ったタイミングで、主人公もその告白してて笑った。支配と報酬がきっちりしているところが父親っぽい。

終盤の家族セラピーの場面は本当に舞台立てとして良い場面すぎるんだけど、泣いてしまった。理想がある。この期に及んでも協力しない場合も十分されるので、協力しあった家族という奇跡に泣いてしまった。

章タイトルつなげてknot(結び目)にしてるの良いね。

子供達の奇病についてはエウレカセブンの絶望病を思い出した。
現実でも、難民の子供達にあきらめ症候群という昏睡状態に陥る病気がある(詐病だったらしいが)
作中だとリトアニアの子供達やダイアナ妃の話がされていた。
奇病の原因についてはもう最初から、子供達のゆっくりとした自殺だろうなと感じていたが、カウンセリングのところはミステリーのようで面白かった。虐待あるよなあ。

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Posted by ブクログ 2023年05月13日

世界的な犯罪を犯したために国の歴史ごと抹消されてしまった国を舞台に2つの事件を同時に解決しなくてはならなくなったという物語。子供が発症する奇病の治療に臨む医療ミステリーと危険な化学兵器の行方を追うスリラーとの2つのジャンルにSFや倫理観をミックスしたような印象。あの「虐殺器官」の衝撃と書かれていたが...続きを読む、それよりも読みやすくエンタメ寄りだったように思う。非常に長いのだがその分キャラクター1人1人に奥行を持たせてある。そのために感情移入しやすく読みやすさに繋がったのではないか。著者2作目にして異色の出来ばえ。

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Posted by ブクログ 2023年01月19日

荒削り感があるけど誠実で好感の持てる本だった。007的なカッコイイ路線系で書いてるけど、テーマとしては夏物語に近いかな。今の社会において結構切実なテーマだと思うので、作者がこのテーマをどう描くか楽しみながら読めた。

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Posted by ブクログ 2022年10月14日

土塊から人間に造っていただきたいと、私があなたに頼んだことがあったでしょうか?
失楽園 ジョン・ミルトン

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Posted by ブクログ 2022年09月18日

子供を持ちたいという気持ちは親のエゴでしかないのか。自分が生まれてきたのは間違いだったのか。この問いにどのように向き合うべきか。
『親ガチャ』という言葉が普及する今こそ読みたい作品。

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Posted by ブクログ 2023年07月22日

SFが苦手なので読みづらかった。自分の読解力が足りず、大きな世界の上澄みしか理解できなかった。よい本かもしれないけれど、自分にとって楽しめたかどうかの評価です。

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Posted by ブクログ 2023年04月02日

なかったことにされた国の反出生主義についての物語。未知の病やテロリズムと戦う主人公。
様々な要素が詰み込まれ、とても難解で、2段組だし、途中で脱落しそうになったけど、がんばって読んだ笑。
荻堂顕さん、まだ20代の作家さん。若いから精力的で勢いがある。小説家としての総合的な力量がすごいなぁと感じた。今...続きを読む後が楽しみ。

タイトルはあやとりと臍の緒のこと、かな?

登場する音楽がとてもいいので、プレイリストを
作りました。
King of Pain/The Police
Don’t Know Why/Norah Jones
Personal Jesus/Depeche Mode
Where The Streets Have No Name/U2
Shine On You Crazy Diamond,Pts.1-5/Pink Floyd
Born This Way/Lady Gaga
She Sells Sanctuary/The Cult
Everything In Its Right Place/Radiohead
Under The Bridge/Red Hot Chill Peppers
Mission:Impossible/Lalo Schifrin
Gimme Shelter/The Rolling Stones
Nobody’s Fault But Mine/Led Zeppelin
I.G.Y/Donald Fagen
Stranger On a Quiet Street/Electric Light Orchestra

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Posted by ブクログ 2023年02月08日

なんというか・・・・ちょっとストーリーが難解であらすじを書くのが難しい。
テーマも「子供を産むこと」をテーマに重い話が多くて、サクサク楽しく読み進められますよ~とはいえない感じ。
そんな重い話ではありますが、「現地の子供たちに起こった原因不明の奇病」と「盗み出された生物兵器」という二つの柱で物語は進...続きを読むみます。これが一体どうつながるんだろう?と・・・直接的にはつながりませんでしたが、これが「子供を産む」というテーマを間にしてつながっていくという。
深い話・・・なんだろうな。面白く、というかとても興味深く読めましたがちょっと疲れましたw

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Posted by ブクログ 2022年12月07日

155難解だったけど180ページくらいからぐっと面白い展開になった。最初の設定が中々受け入れられない。これは親になるための儀式と子供達を愛する者たちの物語だったのか。20代の作者とは思えない重量感と外国文学みたいな言い回しが面白かった。次作にも期待大です。

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